スズキ 新型スペーシア燃費レポート|ハイブリッド搭載で低燃費化!より経済的な軽自動車に(5/5)

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新型スペーシア実燃費レポート|総合評価

スズキ 新型スペーシアの平均実燃費:21.8km/L

新型スペーシアは燃費をはじめ全体的に飛び抜けた面はないものの、特に大きな不満や問題もないというごく普通の仕上がりであった。これでスーツケースをイメージした内外装のデザインがユーザーに受け入れられれば、堅調な販売成績を収めるだろう。

しかし、新型スペーシアと近い時期に登場した「規格や価格といった軽自動車の枠の中で最高のクルマを造る」という意気込みで開発され、感動するほどの完成度を持つホンダ 新型N-BOX(感動の度合いは、買い替えの時くらいしか車を見ることのないごく普通の人の方が「今の軽自動車はこんなにいいのか!」と驚くレベル。それと比べてしまうと、新型スペーシアのアドバンテージは燃費しか挙げられず、デザインの変化を除けば旧型から買い替えたくなるほどの魅力はないというのが率直な印象だ。

もちろんスペーシアのように「軽自動車」と割り切った車造りもあっていいと思うが、その割に価格がN-BOXと変わらないというのは商品力にちょっと疑問を覚える。

そのあたりは同じ軽自動車造りでもホンダの入魂路線とスズキの割り切り路線、そこにダイハツと日産&三菱が絡み、どのように変化し、どこが勝者となるかなかなか興味深いところだ。

※現行スペーシアが筆者の手元にあった数日間、ガソリン満タンから燃料残量警告灯が点くまでの距離は走れなかったが、それでも満タンから440kmの航続距離は確認できた。送迎や買い物といった近所での使用が多い軽スーパーハイトワゴンとしては、ガソリン満タンあたりの航続距離も十二分だった。

スズキ 新型スペーシア 実燃費比較|総合評価
車種名実燃費パワートレイン

新型スペーシア

21.8km/L

2WD/ハイブリッド

旧型スペーシア(2013年)

22.4km/L

2WD/ガソリンNA

ホンダ N-BOX

19.6km/L

2WD/ガソリンNA

スズキ スペーシアとは

今では軽自動車のシェアで大きな割合を占めている、全高が1700mmを超えスライドドアを持つ軽スーパーハイトワゴンは、2003年11月に初代が登場したダイハツ タントが先駆けだ。

それをフォローする形で2008年に登場したのが、スズキ スペーシアの前身であるパレットだ。その後2013年2月に車名を変え登場した初代スペーシアは、車種単体で見ればまずまずの成功は収めたとは言えるにせよ、大ヒットとなったダイハツ タントとホンダ N-BOXには差をつけられていたのは事実だった。

その教訓も含め2017年12月にフルモデルチェンジされた新型スペーシアは、「スライドドアを持ち、広大なスペースを持つ軽スーパーハイトワゴン」というコンセプトは変わらないものの、エクステリアやダッシュボードをスーツケースをイメージした存在感あるものに一新。

また全高を先代モデルに対し50mm高い1785mm(ルーフレール装着車は1800mm)に拡大することで室内空間を広げたのに加え、着座位置も上げたことでシートからの見晴らしも良化し、より運転しやすい車となった。

プラットホームは軽量かつ高剛性な新世代のハーテクトと呼ばれるものを採用。パワートレーンは、エンジンは3気筒660ccのNA(最高出力52馬力&最大トルク6.1kgm)とターボ(最高出力64馬力&最大トルク10.0kgm)の2つで、それぞれオルタネーター(発電機)にエンジンを始動するためのセルモーターと減速エネルギーを助手席下に置かれる小型のリチウムイオン電池に貯め、走行中僅かなアシストも行うモーター(最高出力3.1馬力&最大トルク5.1kgm)の役割も加えた超簡易型ハイブリッドのマイルドハイブリッドとなる。

なお新型スペーシアのマイルドハイブリッドは、バッテリー残量に余裕があればアクセルを踏まずに車が動くクリープ現象の際に、モーターだけで走れるEV走行も可能だ。

トランスミッションはCVTで、全グレードにアイドリングストップも装備され、4WDも設定される。結果カタログに載るJC08モード燃費はNAエンジン搭載車が最良値で30.0km/L、ターボエンジン搭載車が25.6km/Lという数値で、全グレードがエコカー減税の対象だ。

グレード体系は、まず大きくは標準ボディと、押しの強いマスクとエアロパーツを組み合わせたカスタムに分かれ、NAエンジンは標準ボディとカスタムのそれぞれに、ターボエンジン搭載車はカスタムのみに設定される。

最近では車を選ぶ際の重要なチェックポイントとなる運転支援システムは、単眼カメラとレーザーセンサーからの情報を基盤にした自動ブレーキ機能、ギアの選択を誤ってコンビニなどに前進で突っ込む事故を防止する誤発進抑制機能、車線逸脱警報、先行車発進お知らせ機能、夜間遠くまで見通せるハイビームを積極的に使うハイビームアシスト、進入禁止の標識を読み表示する標識認識機能(フロントガラスに情報が映るヘッドアップディスプレイ装着車のみ)などから構成される「スズキセーフティサポート」が基本的に全グレードに標準装備される。

自動ブレーキの性能は、同じシステムを使い新型スペーシアと同等の性能を持つと思われるワゴンRが、国が行うJNCAPの試験で対停止車両には50km/h、単なる成人の飛び出しに対しては15km/h、駐車車両のような遮蔽物があるところからの成人の飛び出しに対しては30km/hでの停止が確認されている。現行スペーシアの自立自動ブレーキの性能は、軽乗用車トップのホンダ N-BOXと比べると歩行者への対応が見劣りするものの、軽乗用車としては2番手クラスで、軽乗用車としてはまあ納得できる性能を備えているといえるだろう。

スズキ スペーシアの主要スペック

スズキ 新型スペーシアの主要スペック
車種名スズキ スペーシア

グレード

ハイブリッドX

駆動方式

2WD

トランスミッション

CVT

価格(消費税込)

1,468,800円

JC08モード燃費

28.2km/L

全長

3,395mm

全幅(車幅)

1,475mm

全高(車高)

1,785mm

ホイールベース

2,460mm

乗車定員

4人

車両重量(車重)

870kg

エンジン

直列3気筒DOHC 12バルブ

排気量

658cc

エンジン最高出力

38kW(52PS)/6,500rpm

エンジン最大トルク

60N・m(6.1kg・m)/4,000rpm

モーター最高出力

2.3kW(3.1PS)/1,000rpm

モーター最大トルク

50kW(5.1kg・m)/100rpm

燃料

無鉛レギュラーガソリン

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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