フォルクスワーゲン ゴルフGTI 実燃費レビュー【vol.3 200-300km】(2/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
XDSを始めとする、GTIの秀逸な電子制御
XDSの効能は大きく、中高速コーナーでペースを上げて走ると、ニュートラルで精密なハンドリングを備えているところが体感できた。
たとえば、径の大きなコーナーで、前方に追い抜くべきクルマが走っていたとする。こちらはハンドルを少し右に切り、追い越し車線に出る。と同時に、スロットルペダルを踏み込み始めながら、追い越し態勢に入る。目の前には、コーナーが迫っているから、追い越しながらハンドルを切る。つまり、加速しながら、舵を切り続けなければならない。
パワフルな前輪駆動車の場合、こうした状況ではアンダーステアが発生しやすく、結果的にスロットルを緩めざるを得なくなり、ペースが安定しなくなってしまう。
それが、XDSを装備したゴルフGTIでは違ってくる。コーナーの外側へ膨らんでいこうとする動きが弱く、パワフルな前輪駆動車ではややもすると外側の前輪だけにエンジンからの駆動力が伝えられているようだったのが、左右の前輪が揃ってクルマを引っ張っているように感じられるのだ。
XDSは、ゴルフGTIのドライビングを大きくアップデートさせている。新型TSIエンジンやDSGトランスミッションなどもいい仕事をしているが、XDSとDCCの働きが新型GTIを大いに輝かせている。大排気量エンジンや特別なシャシー/サスペンションなどではなく、XDSやDCCといった電子制御技術でパワーと挙動をコントロールすることでスポーティドライビングを成立させている。
制御や適正配分といった、やはり知的な性能向上が新型GTIのスポーティドライビングの真髄にある。南フランスや箱根ターンパイクのメディア試乗会で感じたことが、ここ渋峠では確信となった。
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