燃費なんて気にしないけど気になる!レクサスLC500試乗&燃費レポート(1/2)

燃費なんて気にしないけど気になる!レクサスLC500試乗&燃費レポート
レクサスLC500 ボディーカラー:ラディアントレッドコントラストレイヤリング〈3T5〉 レクサスLC500 :5リッターV型8気筒NAエンジン搭載 レクサスLC500 :室内に解放感もたらすガラスパノラマルーフ レクサスLC500:デザインと走りで新世代レクサスを担う レクサスLC500 フロント 画像ギャラリーはこちら

新型レクサス LC500実燃費レポート|結果まとめ

やれハイブリッドだ、やれダウンサイジングターボだと燃費効率を重視したパワートレインが重視されている昨今、レクサスはLCに5リッターV型8気筒NAエンジンを搭載してデビューさせた。

そこで、LC500は実際にどの程度の燃費なのか興味がわいてきたので、早速燃費テストを実施。皆さんも興味があるでしょう?

LC500LS460
JC08モード燃費7.8km/L8.4km/L
総平均実燃費9.0km/L8.9km/L
一般道実燃費6.2km/L6.4km/L
高速道実燃費11.8km/L11.4km/L

参考までに同じUR型エンジンを搭載したLS460F Sportも合わせて掲載しておこう。

結果は表のとおりで一般道、高速を合わせた平均値はJC08モード燃費を大きく上回る9.0km/Lを記録。その達成率は115%と素晴らしいものだった。

LS460の際にも述べたが、高速の伸びは著しい。定速走行で、かつ重量があるので、坂道などでの惰性がうまく利用出来た結果、自然と燃費が伸びたのだろう。更に排気量が小さいLS460とほぼ同等の平均燃費を叩き出したのは十分に褒められる。時代の流れと共にフリクションロスの低減やトランスミッションの改良(LC500は10速AT!!)によるものが大きいということだ。

一般道においてはさすがに6km/L台と低迷したが、もしアイドリングストップが付いていたら、7km/L台は固かっただろう。

レクサスのフラッグシップクーペ、LC500とは?

レクサスのフラッグシップクーペとして登場したLC。そのベースは2012年のデトロイトショーでお披露目されたデザインコンセプトカー、LF-LCだった。

もともと量産化は予定されていなかったが、市販化への声が多くそれに応える形で実現に向けて様々な努力が続けられ、量産化にまでこぎつけたという。

搭載されるパワートレインは2種。ひとつはLC500hに搭載され3.5リッターV型6気筒とマルチステージハイブリッドシステムを組み合わせたもの。そしてもうひとつはLC500に搭載される5リッターV型8気筒NAエンジンだ。

最高出力は477ps、最大トルクは540Nmを発揮。トランスミッションは10速ATが組み合わされる。その変速スピードはDレンジで約0.2秒、Mレンジで約0.1秒とクラストップレベルの変速時間を達成しているという。

プラットフォームはGA-Lと呼ばれる新開発のFR専用のもの。高剛性と共に軽量化に拘った作りになっている。

テスト概要

・テスト期間:2017年5月11日~16日

・テスト距離:一般道 458.7km 高速 1014km 合計1472.7km

・エアコン:常時AUTOで使用。温度は25度をベースに適宜変更

・タイヤ:ミシュランパイロットスーパースポーツ 前245/40RF21 後275/35RF21

・燃費計測方法:車載平均燃費計を使用

レクサス LC500燃費レポート|市街地・街乗り編

レクサスLC500:デザインと走りで新世代レクサスを担う
レクサスLC500 :室内に解放感もたらすガラスパノラマルーフ

レクサスLC500 市街地での実燃費:6.2km/L

※走行距離:458.7km/L

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LC500が一番苦手なシチュエーションはゆっくりと都内の渋滞路を走らせているときだろう。10速ATは少々ぎくしゃくした動きやショックをもたらし、また、ブレーキフィールも剛性感はあるものの、制動力の高まりが急激でこちらもぎくしゃくしがちだ。

そんな時、車載の平均燃費を見ると大体4km/L台前半を示しているといった具合で、アイドルストップもない大排気量は、昔の恐竜のようにいずれ滅びるのか、と残念に思ったほどだ。

しかし、いったん流れ始めると、見る見るうちに燃費は改善し、8km/L台を示すようになる。そういった平均が6.2km/Lとなって現れたのだ。少なくとも5リッターV8が、多少でも流れていれば8km/L台をキープ出来るのは大いに評価に値する。

さて、街中を走っている限り、足は硬く、あまり乗り心地がいいとはいえない。ボディ剛性もそれほど高くなく、段差を超えるときにはヨレるような印象もあった。また、軽量化されたとはいえ、1940kgもあるボディを信号から気持ちよくスタートさせるには、ある程度アクセルを踏み込む必要があり、全体として鈍なイメージが付きまとった。

その一方、視界はそれほど悪くなく、1920mmの車幅はそれほど気にならない。ステアリングもスムーズによく切れ、交差点での右左折時は後ろから押される、いかにもFRに乗っているという快感をもたらしてくれた。

ストップアンドゴーを抜け、郊外のバイパスなど、比較的速い流れのシチュエーションになると、10速ATが輝き始める。特に信号から一気に加速する際、非常にスムーズかつ俊敏にシフトアップしていく。そこに加え、NAエンジンのスムーズなフィーリングが加わるので、LC500の良さが際立つのだ。

一つ付け加えておこう。これは慣れの問題だが、フロントよりリアの方が幅広なので、ドアミラーを見ながら白線に沿ってクルマを停めると、必ず斜めになってしまうので要注意である。

レクサス LC500燃費レポート|高速道路編

レクサスLC500  内装色:オーカー
レクサスLC500 ラゲージルーム 容量約197L

レクサスLC500 高速道路での実燃費:11.8km/L

※走行距離:1014km/L

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高速道路はLC500の独壇場だ。あふれるトルクを使い、淡々と長距離を走るのはこのクルマの最も得意とするところだ。燃費も12km/L近くまで伸びるので、82Lのガソリンタンク容量(因みにハイオク指定)をフルに使えば900kmを超える旅に出ることが可能だ。

告白すると、実は今回神戸往復を計画していたのだが、JC08モード燃費から推察し、途中で一度給油をしなければならないと覚悟していたのだ。しかし、到着時点で燃料系は半分弱程度と、まだまだ余力を残していたのは、嬉しい誤算だった。

こういった大型クーペなどを高速で走らせる場合は、出来るだけアクセルを踏まないで惰性で走らせるのが燃費向上へつなげるコツだ。車重があるため、下りなどでは自然と滑空時間が生まれる。それを上手く使えば簡単に燃費を伸ばすことが可能なのだ。

街中で硬かった乗り心地も高速域ではしなやかさが増してくる。100km/hで1350rpmほどなので、余裕の走りっぷりだ。しかし、追い越し時にはトルク不足を感じてしまうシーンもあった。これは、適切なギアがすぐさま選択されないのが要因だ。

具体的には、望む加速を得るためには、10速から9速へシフトダウンでは物足りず、少し深めにアクセルを踏み込み、9速を飛び越えて8速や7速まで落としたくなるのだ。これは少々煩雑な印象をぬぐえない。

改善案として、例えばよりワイドなギア比を与えることで、煩雑さをなくし、かつ、エンジンの特性を生かした気持ち良い加速を味わえるようなセッティングが、このクルマの性格に合っているように思うのだ。つまり果たして10速が本当に必要なのか疑問を感じざるを得なかった。

シフトダウンの時にパドルシフトを操作するのは有効な手段かもしれない。アクセル操作でキックダウンを誘うよりも、自分の思ったタイミングで望むシフトポジションに落とす方がストレスなく、気持ち良い加速を得ることが出来よう。

付け加えると、パドルシフトによるシフトチェンジは非常にスムーズかつ素早いので、ついついこちらを選んでシフトしてしまった。

トランクは天地方向が浅く、また、開口部が高いのでスーツケースの出し入れは苦労した。

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内田 俊一
筆者内田 俊一

1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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