日産 新型エクストレイル ハイブリッド実燃費レポート(2017年マイナーチェンジモデル)(2/2)
- 筆者: 永田 恵一
日産 エクストレイルハイブリッド実燃費レポート|総合評価
日産 エクストレイルハイブリッド 総合実燃費:15.6km/L
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新型エクストレイルハイブリッド 総合実燃費 | |||
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駆動方式 | 総合実燃費 | JC08モード燃費 | |
新型エクストレイルハイブリッド | 4WD | 15.6km/L | 20.0km/L |
初期型エクストレイル 2Lガソリン | 4WD | 12.8km/L | 15.6km/L |
初期型ハリアー ハイブリッド | 2WD | 18.6km/L | 21.4km/L |
CX-5 ディーゼル | 2WD | 17.1km/L | 18.0km/L |
■ライバル車の燃費レポートはこちら
筆者はマイナーチェンジされたエクストレイルハイブリッドについて、全体的な改良やプロパイロットの導入により、「もっと乗っていたい、もっとこの車のことを知りたい」と感じる魅力的なミドルサイズSUVに進化したと感じた。
仕事柄取材で複数台の取材車両で移動するということがよくあり、マイナーチェンジ前のエクストレイルはその中にあっても「よくまとまった車だけど、特に面白味があるわけでもないので積極的に乗りたいとは思わない」というのが率直な印象であったから、それがマイナーチェンジで積極的に乗りたい車になったというのは大きな前進と言えると思う。
エクストレイルハイブリッドが属する300万円台のミドルサイズSUVといえば、真っ先に浮かぶライバルはトヨタ ハリアーだろう。
ハリアーは、2リッター(JC08モード燃費:14.8~16.0km/L)、最近追加された2リッターターボ(12.8~13.0km/L)、そして2.5リッターハイブリッド(21.4km/L)の3タイプがある。エクストレイルハイブリッドと直接の対抗馬となりそうなのはハリアーハイブリッドだが、377.5~495.4万円と高額な価格帯に属しているため実際には比較にならないと言って良い。
むしろ、309.5万円(20Xハイブリッド/4WD)で”ハイブリッド”が手に入れられるエクストレイルは、俄然リーズナブルに感じられてくる。
もちろん質実剛健でアウトドア派にも支持されるエクストレイルと、ゴージャスさがウリのハリアーではキャラクターも大きく異なる。まあ現実的には2リッター(294.9万円~432.4万円)か、せいぜい2リッターターボ(338万円~457.5万円)のハリアーが比較対象となるくらいだろう。
さてそれでは、エクストレイル同士でも比較してみよう。ガソリンモデルとハイブリッドモデルを買う場合の”損得勘定”について検証してみたい。
※ガソリン価格はレギュラーガソリン1リッター130円、燃費は2リッターガソリンを過去データの総合実燃費12.8km/L、ハイブリッドは今回の総合実燃費15.6km/Lで仮定。
まず4WDの5人乗り2列シート仕様同士で比べると、価格差は若干の装備の差も加味すると35万円といったところだ。さらにハイブリッドは購入翌年の自動車税の減額やエコカー減税が大きいこともあり、実質的な価格差は23万円程度に縮まる。
肝心なガソリン代だが、エクストレイルハイブリッドの燃費は2リッターガソリンのおおよそ25%良化に留まるため、1万km走行あたりのガソリン代はハイブリッドが約2万1000円安と意外に差は少なく、ガソリン代だけでハイブリッドとの差額23万円の元を取るには11万kmほど走る必要がある。
しかしハイブリッドが車を処分する際の査定で高く評価される可能性が高いことを考えれば、6年後に10万円高く処分できれば6年6万kmくらいの使用でも差額はペイできるだろう。
総合的に考えても、エクストレイルハイブリッドには2.5リッター級の動力性能や街乗りが楽といったメリットもある。
したがって、「ガソリンとハイブリッド、どっちが買い?!」という悩みに対しては、プロパイロット付きのハイブリッドモデルの購入を勧めたい。
細かく計算してみて改めて判ったが、エクストレイルハイブリッドは値付けも見事な車だと思う。
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