マツダ新型アクセラへ新たに追加された15XD(1.5Lディーゼルターボ)の実燃費を測定してみた(3/3)

マツダ新型アクセラへ新たに追加された15XD(1.5Lディーゼルターボ)の実燃費を測定してみた
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新型アクセラ 15XD 実燃費テスト 市街地編/ディーゼルとは思えないほどの騒音・振動の少なさ

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

市街地編では、ディーゼル車で気になる騒音や振動のほか、アイドリングストップの印象などをお伝えしたい。

騒音は停止中だと車内、車外ともにわずかにカラカラという音が聞こえるが、走り出してしまえば騒音・振動ともに皆無であり、乗っていてディーゼル車と分からない人も多いのではと思うほどによく抑えられている。

Dレンジでアイドリングしている際の振動は若干感じるものの、それも許容範囲な上にアイドリングストップもあるので問題はない。アクセラ15XDに関しては、騒音・振動における不満や問題は無しと断言できる。

アイドリングストップは、他のマツダ車のATと同様に、停止後にブレーキを踏み増すとアイドリングストップが始まるタイプで、渋滞中よくある「止まりそうで止まらない」という場面や一時停止などで不必要なアイドリングストップが起きないという点で好ましい。アイドリングストップからの再始動は素早く、セルモーターの音が静かで心地良いという点も高く評価できる。

アイドリングストップの頻度は、30℃程度の気温でもほぼ信号で止まる度といえるほど多く、アイドリングストップの時間も停止中再始動することは少なく、その効果は高い。

また改良後の新型アクセラでは、ヘッドアップディスプレイがカラー画面化され、見落としがちな制限速度をはじめとした標識が表示されるようになったのは地味ながら有難い進歩だ。

そして、アクセラに久しぶりに乗って感心したのが冒頭でも書いた、右足をそのまま伸ばしたところにアクセルペダルがあるペダル配置だ。

アクセラ単独で乗っていると気づきにくいかもしれないが、最近アクセラと同クラスの輸入車を同時に乗ることがあり、右ハンドルの某輸入車のペダルがかなり中央に寄っていることを目にすると、アクセラのペダル配置は素晴らしく、この点はアクセラの大きな魅力の1つと言える。

新型アクセラ 15XDの市街地での実燃費は

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

市街地での燃費は16.9km/Lを記録した。この燃費を高速道路編、郊外路編と同様に比較してみると、

▽郊外路における実燃費比較

アクセラ 15S(改良前/JC08モード燃費19.2km/L)/11.9km/L

アクセラ XD(改良前/JC08モード燃費19.6km/L) /13.2km/L

新型プリウス S(JC08モード燃費37.2km/L)/28.1km/L

新型アクセラ15XD Lパッケージ(改良後/JC08モード燃費21.6km/L)/ 16.9km/L

プリウスとの差は郊外路以上に開いたが、郊外路と同様にアクセラ15XDがアクセラのラインナップにおいて非常に優れたバランスを持つモデルであると言えるだろう。

マツダ新型アクセラ 15XD(1.5Lディーゼルターボ)実燃費レポート/総評

最後に、アクセラ15XDと比較してきた3台とのトータルでの実燃費を比べてみよう。

新型アクセラ15XD Lパッケージ 総合実燃費/ 20.2km/L

アクセラ 15S(改良前)総合実燃費/15.6km/L

アクセラ XD(改良前)総合実燃費/16.5km/L

新型プリウス S 総合実燃費/28.8km/L

※ちなみに、ディーゼル車の燃費に僅かな影響を与えるパティキュレート(スス)を貯めるDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)の再生の頻度は、アクセラ15XDに3~4日乗ったところ、おおよそ200キロから300キロに1回と感じた。

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

1.5Lエンジンを搭載するアクセラのガソリンモデルとディーゼルモデルにおいて、上記の燃費から何年位で車体価格の差をペイできるのか比較してみたい。同グレード(プロアクティブ/1.5Lガソリン213万8400円、1.5Lディーゼル243万円)同士で比べると、エコカー減税やディーゼル補助金を加味した実質的な23万5000円程度に縮まる。

燃料1Lあたりの価格をガソリン123円、軽油103円で計算すると、走行9万kmを超えたあたりで差額はペイできるので、走行距離が多い人なら1.5Lディーゼルを選ぶメリットは大きいだろう。

ただし、ディーゼル車は9月はじめに1.5Lディーゼルのアクセラ、デミオ、CX-3に「エンジン内部にススがたまり、変調を起こすことがある」というリコールが届けられたことが象徴するように、街乗りに代表される負荷の少ない使用パターンでは燃費も含めてメリットが少ないため(そういった使用パターンが多ければ走行距離も少ないだろう)、走行距離が少ないなら価格の安い1.5Lガソリンをお勧めする。

2.2Lディーゼルのアクセラに対しては(差額はプロアクティブ同士で35万円)、2.2Lディーゼルの過度な動力性能を求めないのであれば、燃費、価格、動力性能を高い次元でバランスさせた1.5Lディーゼルを選ぶ方がいいだろう。もちろん2.2Lディーゼルの過剰な動力性能も未だに魅力的ではあるので、予算や好みで2.2Lディーゼルを選ぶもいい。

トヨタ プリウス

プリウス(Sグレード/247万9091円)とアクセラ15XDプロアクティブを比べると、アクセラ15XDは燃料コストではプリウスの方が安く付く、安全装備がプリウスに劣る(ブラインドスポットモニタリングはアクセラの方が価格の安いにも付くという部分はあるが)という弱みはある。

しかし、ディーゼル補助金を含めて車両価格がプリウスに対して若干安く、燃料コストの差もそう大きくはないので、この2台は安全装備に対する考え方と、ハイブリッドとディーゼルのどちらを好むかという見方で選べばいいのではないかと思う。

そういったことも含めてアクセラ15XDは、日本においてこのクラスの王者であるプリウスに対抗できるクルマとして登場したことは大いに歓迎できる。

だが、このクラスは周りの進歩が早い点やインプレッサがフルモデルチェンジで世界トップレベルの安全装備を完備したことなどを考えると、アクセラもなるべく早期に安全装備の充実やハンドリングと乗り心地の若干の粗さを改善し、モデルサイクル後半も魅力ある車であり続けることを期待したい。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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