マツダ新型アクセラへ新たに追加された15XD(1.5Lディーゼルターボ)の実燃費を測定してみた(2/3)

マツダ新型アクセラへ新たに追加された15XD(1.5Lディーゼルターボ)の実燃費を測定してみた
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新型アクセラ 15XD 実燃費テスト 高速道路編/15XDの動力性能における実力をチェック

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

新型アクセラ15XDをテストするにあたり、以前から懸念していたのが動力性能についてであった。

というのも、アクセラ15XDと同じエンジンを搭載するCX-3の動力性能が「ディーゼルエンジンらしいトルクの太さで常用域の力強さは申し分ないものの、高速道路の上り坂での追い越し加速のような場面ではもう少しパワーが欲しい」と感じていたからである。

さらにアクセラ15XDは車重が1360kgとCX-3に対して100kgも重く(FF車で比較)、動力性能は期待薄なのではないかと予想していた。

しかし、そういった懸念とは裏腹にアクセラ15XDは常用域での力強さはそのままに、瞬発力が必要とされるシーンでも「なかなか速い」と感じる動力性能を備えており、動力性能に不満を覚えることはなかった。

アクセラ15XDが必要十分以上の動力性能を確保しているのは、CX-3のFF車に対しファイナルギア(最終減速比)が10数%ローギヤードな加速重視なタイプへと変更されている効果が大きそうだ。

1.5Lディーゼルエンジンのフィーリングについても、アクセルを深く踏み込めば迫力を感じさせるエンジン音、アクセル全開の際にはシフトアップする4500回転までキッチリと回り、ターボの過給圧を最適にコントロールするDE過給精密制御の効果なのか、どの回転域でもアクセルを踏んだ際のレスポンスに優れるなど、素晴らしいエンジンといえる。

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

組み合わされる6速ATは、今までの定評通りスムースかつ素早いシフトアップ、気持ちの良いブリッピングが入るシフトダウンも歯切れよく瞬時に行われ、好印象だった。

なおトップギアの6速100km/h走行時のエンジン回転数は2000回転と、6速ATと組み合わされるマツダのディーゼル車が同じ状況で1750回転程度であることを考えると若干高い。

また、ATのディーゼル車はエンジン回転数が下がった際のレスポンス悪化を嫌ってシフトアップのタイミングが遅い傾向にあるが、アクセラ15XDはファイナルギアのローギヤード化の影響なのか、Dレンジ、パドルシフトともにおおよそ5速に入るのが60km/h、6速に入るのが70km/hとATのディーゼル車としては低いスピードで上位のギアに入り、高速道路以外でも上のギアで巡航できる機会が多く見られた。

運転支援システムは、車線逸脱を防ぐレーンキープアシストシステムと先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールが設定されており、この2つも試してみた。

レーンキープアシストシステムはそれほど強い効きではないものの、十分な効果が感じられた。そしてアダプティブクルーズコントロールも、最近ではスバルのアイサイトやトヨタのセーフティセンスPのように停止まで対応する全車車速追従型が増えている中において約30km/h以下のスピード域ではキャンセルされてしまうというのは少し残念ではあるが、それでも先行車への追従は基本的にベテランドライバーのように上手で、4段階から選べる車間距離もそれぞれ適切な間隔を保っていた。

また、安全装備といえば(筆者としては最も役立つ頻度が多いと感じている)ドアミラーの死角である側面後方を監視するブラインドスポットモニタリングが、プロアクティブとLパッケージに標準装備されていることも高く評価できる。

新型アクセラ 15XDの高速道路での実燃費は

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

高速道路での燃費は、24.2km/Lを記録した。

今回は、改良前の1.5Lガソリンエンジンと2.2Lディーゼルのアクセラ、さらに新型プリウスのSグレードで燃費を比較してみよう。(※全車ATモデル)

▽高速道路における実燃費比較

アクセラ 15S(改良前/JC08モード燃費19.2km/L)/19.0km/L

アクセラ XD(改良前/JC08モード燃費19.6km/L) /21.3km/L

新型プリウス S(JC08モード燃費37.2km/L)/28.3km/L

新型アクセラ15XD Lパッケージ(改良後/JC08モード燃費21.6km/L)/ 24.2km/L

上記の結果を見ると、アクセラ15XDは高速道路に限っては軽油の安さを加味すればプリウスと同等の燃料コストで済み、1.5Lガソリンと2.2Lディーゼルに対しても格段に燃費が良いということが言えるだろう。

新型アクセラ 15XD 実燃費テスト 郊外路編/アクセラで初採用されたGベクタリングコントロールの効果を検証

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

新型アクセラで皆さんが気になることの一つといえば、Gベクタリングコントロールの効果についてだろう。

筆者はGベクタリングコントロールの有無による乗り味の違いについて、比較など具体的に試した経験は無い。だが、それでも改良後の新型アクセラに乗ると、改良前から「際立ったシャープさは無いが、舵角を一発で決めやすいなど優れたライントレース性を持ち、ロールの感じもごく自然で運転を楽しめる」という元々のハンドリングに、さらなる磨きが掛かっていることが確認できた。

このことはGベクタリングコントロールが体感できないほど自然に作動しながらも、確実な効果を挙げている象徴なのではないかと思う。

また、スカイアクティブ技術の導入以降のマツダ車には、運転のスムースさを評価し走行後にアドバイスも表示されるi-DMが装備されるが、改良後のアクセラはi-DMの評価で高得点を出しやすかったことも、Gベクタリングコントロールの効果と無関係ではないだろう。

アクセラ15XDはGベクタリングコントロールの効果や1.5Lディーゼルの搭載により、適度なパワーを使い切れる楽しさも持ったクルマである。

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

そして、1つだけ強く望みたいことといえば、筆者は自らの意志でコントロールする楽しさに惚れ込んでデミオディーゼルのMTを発売直後に購入、1年間愛車とした経緯がある。アクセラの1.5Lディーゼルと6速ATとのマッチングが良好なことはすでに分かっているものの、CX-3にある1.5LディーゼルとMTの組み合わせをアクセラにもぜひ設定して欲しいと願う。

乗り心地も、改良前のアクセラは路面の大きな凹凸やギャップを乗り越えた際の突き上げが強いという粗さを感じたが、改良後の新型アクセラはこのことが気にならない程度にまで改善され、サスペンションの動きのしなやかさが増したことは評価したい。

ただ、Cセグメントという激戦区だけに周りのクルマの進歩も著しいせいもあるのか、マンホールや高速道路のジョイントのような比較的小さな凹凸を通過した際にリアのバタつきを感じることがあるのは改善を願いたいポイントだ。

ちなみに、16インチと18インチが設定されるタイヤサイズに関しては、意外にも18インチの方が乗り心地は良好だ。加えてアクセラにはステアリングのセンター(中立)付近の締り、シッカリ感に少し欠けるという弱点もあるのだが、この弱点も18インチの方が緩和される傾向なので、購入時の予算やタイヤ交換代といった金銭的な余裕があれば、18インチタイヤの装着を勧めたい。

新型アクセラ 15XDの郊外路での実燃費は

マツダ 新型アクセラ(2016MCモデル)

郊外路での燃費は大台といえる20km/Lを超える、20.7km/Lを記録した。この燃費を高速道路編と同様に2台のアクセラと現行プリウスと比べてみると、

▽郊外路における実燃費比較

アクセラ 15S(改良前/JC08モード燃費19.2km/L)/17.3km/L

アクセラ XD(改良前/JC08モード燃費19.6km/L) /16.6km/L

新型プリウス S(JC08モード燃費37.2km/L)/30.3km/L

新型アクセラ15XD Lパッケージ(改良後/JC08モード燃費21.6km/L)/ 20.7km/L

さすがに郊外路のペースではプリウスには燃料コストで考えても及ばないものの、アクセラのラインナップにおいて15XDが燃費と動力性能、運転する楽しさのバランスに非常に優れたモデルであることが分かる。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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