“ロールバー装備”のモータースポーツ向けロードスター「NR-A」の実燃費を測ってみた【燃費レポート】(1/6)
- 筆者: 永田 恵一
初代のような「原点回帰」を目指して造られた4代目
1989年に日本では「ユーノスロードスター」の車名で初代モデルが登場して以来、現行モデルで4代目となる2人乗りライトウェイトオープンスポーツカーの『マツダ ロードスター』は、「輸入車に影響を与えることは少ない」とよく言われる日本車において、その正反対となる「多大な影響を与えた」稀有な存在である。
ロードスターは、1998年に初代モデルを正常進化させ、2000年に小型二人乗りオープンカーの生産台数がギネスブック記録に認定された2代目、2005年登場の2リッターエンジンを搭載して上級移行した3代目を経て、2015年5月に現行型となる4代目という歴史をたどっている。
2014年9月にプロトタイプを披露し、2015年3月に先行予約商談を開始、同年5月に発表・発売という長いプロモーションを経て世に出た4代目となる現行ロードスターの開発コンセプトは「守るために変えていく」。
この開発コンセプトの意味は、年を追うごとに厳しくなる一方の衝突安全性の強化を軸とした法規制への対応のためである。
ロードスターは相対的には軽量であったものの、初代に比べれば年々重量が嵩み、初代ほど運転する楽しさは失われていた。そんな点を鑑み、現代のクルマに求められる性能を確保した上で、初代のように運転して楽しいクルマにするというのが、4代目の開発コンセプトなのである。
先代より「100kgも軽い」車重が特徴
前述の通り、現行ロードスターで最も特徴的なのが「軽量化」。
一般的にオープンカーはボディ剛性を確保する関係で車重が嵩みがちだが、現行ロードスターは軽量なアルミパーツや高張力鋼板の多用、トランスミッションやデファレンシャルの軽量化などにより、3代目ロードスターに対して約100kg軽く、初代ロードスターの初期モデルに近い990kgという“極めて軽い”車重を実現している。
エンジンは、同社の「アクセラ」や「デミオ」に搭載される1.5リッター直4直噴エンジン。クランクシャフトは剛性の高い鍛造製に変更され、高回転化やハイオクガソリン仕様とするなどのチューニングが施される(最高出力131ps、最大トルク15.3kg・m)。
トランスミッションは、こちらも前述のモデルにも組み合わされる6速MT(スカイアクティブMT)、ATは「トヨタ 86」&「スバル BRZ」と共通の6速ATを採用している。
カタログに載るJC08モード燃費は、エコカー減税対象車こそないものの最良値となるオプションのアイドリングストップと、減速エネルギーをキャパシタに蓄えエンジンを使った発電によるパワーロスを減少させるiイーループ装着車で「18.8km/L」という、スポーツカーとしては望外ともいえる燃費を実現した。
価格設定はやや“高め”か
グレード体系は、ベーシックな「S(249万4800円)」、ディーラーオプションの地図情報が入ったSDカードを使うことでカーナビとしても使えるモニター「マツダコネクト」などを装備する量販グレードの「Sスペシャルパッケージ(270万円)」、Sスペシャルパッケージにドアミラーに映らない車やバイクを警報するブラインドスポットモニタリングなどの安全装備や、本革シートが加わる「Sレザーパッケージ(303万4800円)」。
さらに、この3グレードから遅れて追加された、レカロシートやビルシュタイン製ダンパーなどが装着される最上級グレードの「RS(319万6800円)」、ワンメイクレースのベース車両となる「NR-A(264万6000円)」の5つの設定となる。
価格設定についてはロードスターに対するイメージ、車格を考えるとNR-Aを除き全体的にかなり高いという印象は否めない。
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