ホンダ 新型ステップワゴン 燃費レポート vol.1／高速道路編(2/2)

先代2リッターモデルと遜色の無い運転感覚

“走行性能”という点において新型ステップワゴンで最大の魅力であり、最も驚かされたのが「1.5リッターターボの完成度の高さ」であった。

ダウンサイジングターボはその名の通り排気量が小さいこともあって、発進時や巡航からの加速の際にかつてよく使われた言葉「ターボラグ」（アクセルを踏んでから過給機が作動するまでタイムラグ）に近いレスポンスの悪さを感じる車種もあるのだが、新型ステップワゴンではそういったネガティブな面はまったく感じられず、ほとんど従来の2リッターNAと同じ感覚で運転することができる。

そんなエンジン特性だけに、常用域のドライバビリティ（アクセル操作に対するレスポンスに代表される乗りやすさ）に加え、アクセルを全開にした際の瞬発力も同クラスの2リッターNAを搭載するライバル車（先代ステップワゴンを含む）以上であり、「エンジンのホンダ」という言葉を久々に思い出させるほどであった。

この性能を体感すると「状況域では2.4リッターNA並のトルク」というホンダの主張も全面的に納得することができる。

なお、100km/h走行時のエンジン回転数はタコメーターの目盛りが細かく正確には確認できなかったが、おおよそ2,000回転弱といったところであった。

「Honda SENSING」もテストしてみる

ちなみに、テスト車には安全運転支援システム「Honda SENSING」がオプション装着されており、こちらも試してみた。

まずアダプティブクルーズコントロールは、おおよそ30km/hで機能がカットされて停止までは対応しないタイプで、主に高速道路や自動車専用道路用といった位置付けとなる。実際に使ってみたフィーリングとしては全体的に不要な加減速が多く「あまり運転が上手くない」といった印象を受けた。

※新型ステップワゴンはベーシックグレード以外なら通常のクルーズコントロールが標準装備されており、このこと自体は高く評価できる。

レーンキープに関しては高速道路で使うにはまずまずの効きといったところで、LKAS（路外逸脱抑制機能）もしっかり機能していた。

ただ、LKASに関しては気になったこともあった。

1つ目はスイッチが下の方にあり非常に分かりにくいこと（この種のことにはそれなりに詳しい筆者でも、そのスイッチを見つけるまでかなりの時間が掛かった）。2つ目は、車線を逸脱したことのインフォメーションはメーター内の表示とハンドルの振動なのだが、警告音も加えるべきなのではないかと感じた。

また、ここまで機能を充実させたのなら最近ではコンパクトカーのデミオでも付いている斜め後方の監視機能も付けて欲しかったという感もあった。

ここまでHonda SENSINGに対しては文句もたくさん述べてしまったが、そうはいいながらも価格は10万8,000円と機能や危険を回避できる可能性が飛躍的に上がることなどを考えれば納得のいくものなので、装着を勧めたい。

注目の高速道路での燃費は｢15.5km/L」と、直接的なライバルとなるノアの2リッターガソリン車の16.3km/Lに若干劣る少々期待外れな数値だった。

ノアの2リッターガソリン車に燃費が劣る結果となった要因はワクワクゲートの重量がかさむことなどが原因なのか、ノアに対しおおよそ100kg重い車重（ステップワゴンはテスト車の車検証記載で1,710kg、ノアは同等のグレードで1,600kg）だろう。

ホンダ 新型ステップワゴンスパーダ クールスピリット 高速道路における実燃費／15.5km/L

トヨタ 新型ノアSi（ガソリンモデル）高速道路における実燃費／16.3km/L

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