【燃費】マツダ デミオ XD [ディーゼル] 燃費レポート/永田恵一(2/5)
- 筆者: 永田 恵一
これまでのマツダ車のディーゼルモデルと異なる感覚が新しい
デミオディーゼルのエンジンフィーリングは、これまでのマツダ車におけるディーゼルエンジン特有の低速域での強烈なトルク感こそないものの、エンジンの回り方はディーゼルというよりもむしろガソリンエンジンに近い軽快さを持ち、高回転域も苦にならず、デミオディーゼルに初めて乗るという方は新しさを感じる人も多いことだろう。
ただし、動力性能に関してはコンパクトカーとしてはズバ抜けたレベルではあるものの、クルマが軽いこともあってマツダの「2.2リッターディーゼル」のような性能を期待してしまうが、さすがにそこまでではないということも頭に入れておいて欲しい。
騒音に関しては、車が走っていればディーゼルであることを感じる場面は「皆無」といって良いくらいに抑えられており、高速道路ではエンジン音以前にタイヤのロードノイズしか聞こえない(実は、この「ロードノイズ」が考えものなくらい大きいのだが・・・)ほどである。
なお、トップギアの6速で100km/h走行時のエンジン回転数は1,750rpmであった。
デミオディーゼルとガソリンの大きな違いは
その他、ガソリン車のデミオとの違いとして挙げられるのが、オプションの「セーフティパッケージ」とATの「シフトスケジュール」だ。
「セーフティパッケージ」に関しては、高速道路で恩恵があるのは主に「ブラインドスポットモニタリング」だが、やはりミラーの死角にいるクルマを事前に検知してくれるのは非常に有難い。
筆者のデミオもセーフティパッケージを装着しているが、実際にブラインドスポットモニタリングには助けられたこともあった。
価格はカメラで車線逸脱を警報してくれる「車線逸脱警報システム」、ヘッドライトのロービームとハイビームを自動で切り替え、バックで駐車場から出る際に交差する車などを感知して知らせてくれる「リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)」とセットで「8万6,400円」と納得できる価格なので、デミオディーゼルを買うならば「保険」と思って装着することを勧めたい。
ATのシフトスケジュールは、現在のディーゼルエンジンはある程度エンジン回転数が上がらないと有効な出力が得られるパワーバンドに入らないという特性が多かれ少なかれあり、特に多段ATの場合はそれが顕著になるため、デミオディーゼルもATだとシフトスケジュールもガソリン車のそれとは異なっている。
具体的には、高速道路だとトップギアの6速に入るのはDレンジだとメーター読みで「90km/h」、パドルシフト及びマニュアルモードを使うと「80km/h」、スピードが低下すると6速Dレンジで「73km/h」、マニュアルモードにしておくと「70km/h」まで5速にシフトダウンせずにキープしてくれる。
上記を加味すると、6速ATのデミオディーゼルで高速道路を走る場合には、Dレンジに任せるなら一度6速に入る「90km/h」にスピードを上げて6速をキープするか、燃費を重視するなら周りの交通状況にもよるが一度6速に入れた後に「70km/h」台前半のスピードを保ち、6速をキープするという乗り方だと燃費を伸ばすことができるだろう。
さらにデミオディーゼルで「クルーズコントロール」が選べる点も、非常に嬉しいポイントだ。
高速道路での燃費は「26.6km/L」であった。今回は比較のために過去データのある「デミオ 1.3リッターガソリンモデル」「トヨタ アクア」「ホンダ フィットハイブリッド」の燃費も記載するが、デミオディーゼルの高速道路燃費はフィットハイブリッドを凌駕し、アクアに肉薄する結果となった。
燃費の絶対値も然ることながら、ディーゼルエンジンはペースの早い巡航、上り坂や重量が重くなるフル乗車時に代表される負荷が大きい場合にハイブリッドよりも有利であることや、前述のクルーズコントロールやセーフティパッケージの存在、さらに6速ATなら燃料タンクが44Lとコンパクトカーとしては大きいことを加味すると、デミオディーゼルが持つ長距離ドライブへの資質は非常に高いと断言できる。
【高速道路における実燃費】
マツダ デミオ XDツーリング Lパッケージ(6速AT)/26.6km/L
トヨタ アクアS(初期モデル)/26.9km/L
ホンダ フィットハイブリッド Fパッケージ/26.1km/L
マツダ デミオ13S Lパッケージ(6速AT)/22.2km/L
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