【燃費】トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッド 燃費レポート/永田恵一(5/5)
- 筆者: 永田 恵一
トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッド 燃費レポート【総評】
トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッド 総合燃費/20.5km/L
トヨタ 新型ノアSi(ガソリンモデル)総合燃費/13.8km/L
新型ヴォクシーハイブリッドは「車重1,600kg級のミニバンが燃費で20km/Lを超える」という1点のみを持ってしても、非常に高い商品力を持ったミニバンであると断言できる。
燃費の良さには、アクセルを完全に戻した際の空走感が非常に強くタイヤなど具体的な要素までは不明だが、全体的に「転がり抵抗の少なさ」も大きく貢献しているように感じた。
燃費に関しては元々の車重が重いだけに、フル乗車時や室内が広いゆえにエアコンをガンガンに使う夏場(フル乗車でのお盆の帰省などが最悪の条件かも知れない)でどのような結果となるかは気になるところである。
また、燃費と車重は反比例に近い関係があり、当企画での総合燃費でプリウス(車重1,350㎏で26.4km/L)と比べてみても、新型ヴォクシーハイブリッドの「20.5km/L(車重1,620kg)」という総合燃費は、車重20%増しで燃費もおおよそ20%の悪化に留まっている。
プリウスを基準にトヨタのハイブリッドカーの燃費を見ると、プリウスほどは良くないと感じるクルマが多い中、新型ヴォクシーハイブリッドの燃費は優秀といえるだろう。
そして最後に、ヴォクシーハイブリッドGの「20.5km/L」ノアSiの「13.8km/L」という実燃費結果から、新型ノア・ヴォクのハイブリッドとガソリン車における損得勘定を計算してみたい。
グレードをそれぞれ「X」の「7人乗り」(ガソリン車:246万8,571円/ハイブリッド:293万1,429円)とすると、エコカー減税でどちらも重量税と取得税は免税。車両価格は約46万円ハイブリッドが高いが、アルミホイールなど装備の違いや翌年の自動車税が50%減税となるガソリン車に対し、ハイブリッドは75%減税となることを踏まえると翌年の自動車税まで含んだ実質の購入時価格は「35万円」といったところだろう。
最大の焦点は「ハイブリッドの35万円高を、どのくらいの走行すればガソリン代でペイできるのか」ということだが、1万kmあたりのガソリン代をリッター164円で計算すると、
ガソリン車=11万9,000円
ハイブリッド=8万円
と「1万km毎に3万9,000円浮く」ことになり、9万km走行までに元が取れる計算になる。
つまり、9万km以上走る人ならハイブリッドの方が安く付くし、そこまで走らないとしても売却する際にハイブリッドの方が高く売れると思われるので「(いい意味で)ご予算と走行距離に合わせ、どちらを選ぶのも正解」というのが結論となる。
このクラスのミニバンとしてほぼ完璧と言える新型ノア&ヴォクシーだが、最後に一つだけ言わせてもらうと、ハイブリッドの乗り心地の悪さと、家族の幸せを乗せて走るミニバンだからこそぜひ欲しい「自動ブレーキ」の類の設定がないことは早急に改善を願いたい。
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