【燃費】トヨタ プリウス 燃費レポート/永田恵一(5/5)
- 筆者: 永田 恵一
トヨタ プリウス 燃費レポート【総評】
トヨタ プリウス 総合燃費/26.4km/L
登場から5年が経ったプリウスであるが、改めてじっくりと乗ってみるとハイブリッドカーとしての燃費の実力が未だ一級であることはもちろん、意外な運転の楽しさ、長い目で見たコストパフォーマンスなど、高い競争力と魅力を持ち合わせていることが分かり、未だに日本の自動車販売台数ランキングで上位に位置するその意味が大いに理解できた。
クルマに趣味性(プリウスの趣味性が薄いという意では決して無い)や付加価値を求めないというなら、「トヨタ プリウス」は未だにベストな選択だと思う。
燃費に関しても、そこそこ車重のあるプリウスがアクアの「26.3km/L」を上回る「26.4km/L」を記録するなど、もはや文句の付けようがない。
プリウスの燃費がこれだけ良いのは、回生制動の効率の高さに加えてアクアの1.5リッターエンジンに対し1.8リッターエンジンであるため発電に回す走行中の余剰トルクが大きく、バッテリー残量を見ていると常に残量が多いことも貢献している。これは、トヨタの1.8リッターハイブリッドが、いかに完成度が高いかの表れであろう。
さらにプリウスの場合は、前述のハイブリッドシステムに加えて、バッテリー容量や空気抵抗の少なさといった要素も燃費の良さに大きく関係しており、そのすべてが絶妙なバランスの上で成り立っていることも覚えておきたい。
しかし、3代目プリウスが登場した5年前に比べると、このクラスの日本車ではEyeSightを搭載した「スバル インプレッサ」、ディーゼルエンジンに加えてプリウスと同じハイブリッドシステムを持つ「マツダ アクセラ」、輸入車ではクルマとしての魅力を満載した「VW ゴルフ」、数え切れないほどの安全装備が売りの「ボルボ V40」などが250万円から300万円の価格帯で購入でき、その中で燃費とコストパフォーマンスを除いたプリウスの競争力が相対的に落ちていることは否めない。
来年の発表が方々から聞こえてくる噂の次期プリウスでは、バッテリーのリチウムイオン化や軽量化などによりJC08モード燃費が「40km/L」などとも一部では言われているが、ライバル車のような燃費以外の魅力でも他に負けないクルマになることを期待したい。
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