VW 新型ゴルフ7 TSIコンフォートライン 燃費レポート(1/5)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:永田恵一/オートックワン編集部
VW 新型ゴルフ7 TSIコンフォートライン 燃費レポート
「Cセグメント」において世界的なベンチマークとなっているゴルフ。そんなゴルフの7代目(以下「ゴルフ7」)が、今年の5月に発売された。
新型ゴルフ7と先代モデルのゴルフ6との最も大きな違いは「プラットフォーム」にある。
ゴルフ5からキャリーオーバーしたプラットフォームを使用しているゴルフ6に対し、ゴルフ7では「MQB」と呼ばれる拡張性の広い新プラットフォームを採用したことだ。
「MQB」は今後、横置きエンジン搭載車に幅広く展開されることになっており、VWとしては初期の開発投資は莫大なものとなる代わりに、MQBで年間約400万台のクルマを生産する計画を立てている。莫大な投資も、莫大な台数で割れば割安になるという考え方だ。
そして、そこで浮いたコストはよりハイクオリティなクルマを提供するために使おうという目論みなのだろう。
ゴルフ7の技術的な見どころは数多くあるが、その中でも特に強調したいのが「軽量化」。
軽量化の範囲はボディや足回りなど広範囲に渡り、(グレードによって異なるが)最大でなんと約100kgもの軽量化が図られている。それによって、燃費や運動性能の向上などに大きく貢献している。
パワートレーンに関しては、VWの燃費向上デバイスの筆頭であるダウンサイジングターボの「TSIエンジン」+ツインクラッチミッションの「DSG」コンビというのは従来通り。
しかし、ゴルフ7のエンジンは排気量こそ1.2リッターと1.4リッターという従来通りの2ラインナップで変わらないものの、1.2、1.4共に新開発のエンジンが搭載されている。
1.2リッターエンジンはSOHCからDOHC化され、1.4リッターエンジンもアルミブロック化されて22kgも軽量化されている上に、ACT(アクティブシリンダーマネージメント)と呼ばれる巡航時に代表される低負荷時には4気筒のうち2気筒を休止する気筒休止システムも搭載され、燃費の向上に寄与している。
シャシー関係ではリアサスペンションが1.2リッター/半独立型のトレーリングアーム、1.4リッター/4リンクマルチリンクという異なる形式が使われている点が注目ポイント。1.4リッターにはダンパーや電動パワステのセッティングを「ノーマル」「コンフォート」「スポーツ」の3つから選択できる「DCC」もオプション設定されている。
安全装備も非常に充実している。レーダーで前方を監視し完全停止まで対応する「アダプティブクルーズコントロール」のほか、「ACC」「プリクラッシュブレーキ」「フロントアシストプラス」「レーンキープアシストシステム」「レーンアシスト」など多数のデバイスが用意されており、これらの装備がオプション設定を含めればすべてのグレードで完備出来ることも高く評価できる。
日本仕様のグレード体系は、1.2リッターは「TSIトレンドライン」(ベースグレード)と「TSIコンフォートライン」(売れ筋グレード)の2グレードで、1.4リッターは「TSIハイライン」(最上級グレード)という計3グレード構成。
燃費測定の基本ルール
・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用
・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行
・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定
・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行
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