軽自動車 燃費頂上対決!ミライース vs アルトエコ/森口将之(3/3)
- 筆者:
高速道路で燃費対決!
次は、高速道路の燃費対決だ。
こちらも先に数値を出しておくと、ミライースが「28.7km/L」、アルトエコが「27.2km/L」と少し差が出た。理由は市街地のときにも触れたが、「エコランのし易さ」だ。
アルトエコは力があって、静かで振動もない。ゆえに、エンジンがどのぐらい回っているか分かりにくいのだ。逆にミライースは、低回転でCVTがロックアップするという燃費のいい状態に持って行きやすかった。
ただ、それ以外の道をペースを変えて走った結果を含めれば、アルトエコのほうがコンスタントにいい数字が出る。ミライースは、ツボにはまると伸びるタイプと言える。
乗り心地はアルトエコはタイヤの空気圧の高さ、ミライースはトレッド面の固さが目立つが、ただアルトエコのほうは速度を上げると気にならなくなり、同じく固めのサスペンションとの相性も良かった。
ステアリングはミライースのほうがクイックなので、街中ではキビキビしていて楽しいけれど、高速道路をリラックスして過ごせるのはアルトエコのほうだった。
もうひとつ、アルトエコは見た目も魅力的だ。
コストダウン優先でデザインされたミライースに比べると、顔つきは表情豊かだし、インテリアにもあたたかさを感じる。これでライバルと同じ価格を実現したのだから、スズキの技術はすごい。
スペース的には、後席が広いミライース、荷室が広いアルトエコという配分の違いはあるものの、どちらも後席を倒せば長さ1.5mの鏡を積めたから、これで十分だ。
残念なのは、2台とも後席のヘッドレストがないこと。後席はゲストを招く場所だからこそ、安全性が犠牲になっているのは不満だ。
逆に言えば、それさえ直してくれれば、これ1台ですべての用事をこなせることが、数日間をともにして分かった。
しかも、総合燃費はミライースが「22.4km/L」、アルトエコが「22.2km/L」と、ハイブリッドカーじゃないのに「20km/L」以上なのだ。日本のものづくり技術のすばらしさを思い知らされた2週間だった。
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