トヨタ カローラルミオン 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:島村栄二
トヨタ カローラルミオン 試乗レポート
フロントスタイリング リアスタイリング フロントビュー リアビュー サイドビュー インパネ フロントシート リアシート ラゲッジスペース シートアレンジ シート下収納スペース 画像ギャラリーはこちら

ユニークでシンプルなリラックス・デザインカー誕生

イメージ
フロントスタイリングリアスタイリング

正直な第一印象は「bBの兄貴分?」だった。遠からずそれはその通りで、ルミオンは北米のサイオンXBと共同開発されたモデルなのである。

というのも、実は先代サイオンXBというのは先代bBだったのだ。サイオンXBユーザー側からは、もう少しパワーと荷室の広さが欲しいという声が、そして先代bBユーザー側からは、新型bBの独創的なデザインとコンセプトはちょっと抵抗が…という声が上がっていたらしく、10代目カローラが登場するときから予定されていた、セダン、ワゴンのフィールダーに続く3台目は、その両者の声を合致して作ればいいのでは?という話になったらしいのである。

さらにルミオンは、年齢層が上がりすぎたカローラのイメージを若返らせるという使命も担っている。これからの若者が求めるであろうコンセプトとして上がってきたのは「リラックス」。

そこでルミオンは、全長短めの2BOXで取り回しよく=リラックスして運転、室内は広々=リックスして寛げる、新型bBほど飛びすぎていないデザイン=ユニークでシンプルなリラックスデザインをキーワードとして誕生したワケなのだ。

アメリカ人も納得のボディサイズ 内装もユニークな便利装備が満載

インパネ
室内灯フロントシート

「箱だ…」。先代bBを見たときも思ったけれど、CM通りとにかく四角いデザインである。四角いから見切りはよさそう…と思ったら、私の身長ではその期待は少々甘かったようだ。

確か先代bBもそうだったのだが、これはやはり男性向けというか、体の大きなアメリカ人も納得できるサイズのクルマだったのである。シートリフターは装備されているし、チルトはもちろんテレスコピックステアリングまで装着されているから、操作ポジション的には問題なく取れるのだが…。

外から見てもわかるようにルミオンはグラスエリアがギュッと押されたように薄く作られたデザインなのだ。つまりウエストラインが非常に高いのである。161.5cmの私の身長では、前を見れば目の前にメーターが鎮座し、コーナーではAピラーがもろに被るという位置に来てしまうのだ。

あまりに気になるので男性スタッフにも座ってもらったところ「よく見えるし、開放感のあるポジションで気持ちイイですね~」とのこと。やはりこれは男性向けのクルマ!と言い切ってしまうのは少々気が引けるが、少なくとも私の体格では少々厳しいものがあったのは事実だ。

実際ウエストラインを高くしたのはデザインにこだわったからであり、あと1cmウエストラインを下げれば、1mの高さで30cmの円筒がクルマのひと周りすべての箇所で(真後ろを除く)見えなきゃNGという規定に引っ掛からず、サイドミラーの下に補助ミラーは付けなくてもよかったのにも係わらず、このボディとガラス部分の比率は外せなかったらしい。

さて続いてインテリアだが、箱スタイルのユニークさに負けないよう、遊び心が満載されたものとなっている。デジタルスピードメーターにアナログタコメーターというハイブリッドメーターなどが、4連センターレイアウトで並んでいるなんていうのは初お目見えだ。またとりあえず空いてるスペースにはすべてという勢いで、ポケッテリアもたくさん用意されているので、運転席周りのユーティリティはなかなか便利と言っていいだろう。

まさにリラックスモード 誰もが乗れるソフトテイストな走り

エンジン
試乗パドルシフト

実はルミオンのベースプラットフォームはオーリスだったりする。つまり、RAV4やエスティマとも同じ、カローラよりはひと回り大きめのプラットフォームなのだ。

ではなぜにカローラという冠がついているのかというと、パワートレイン系がカローラと同じなのである。まぁ他にも同じパワートレイン系を使っている車種はあるので少々言い訳っぽいが、排気量は1.5Lと1.8L。そこにスーパーCVT-iというトランスミッションが組み合わされる。ちなみにbBは1.3Lと1.5Lなので、このあたりでも住み分けができているというワケなのだ。

さてフィーリング的にどうかというと、スタイリング通りの乗り味と言えばいいだろうか。1BOXミニバンほどモッサリもしていないし、スポーティなコンパクトカーほどにはキビキビしていない。実に想像通りの乗り味なのである。

逆にこんな四角い格好をした、意外と大きめのクルマということを忘れてしまうくらい、ラクに普通に乗れてしまうといえばいいだろうか…。どんなクルマから乗り換えても、気負いなく普通に乗れるテイストなのである。この鷹揚さがリラックスというキーワードにつながるところなのだろう。

1.5Lと1.8Lでは、さすがに1.8Lのほうがパワー的には余裕があるのは言うまでもないが、さほど差はないというか、普通に乗って使うならば1.5Lで十分である。高速ロングドライブに出かけるというのならば1.8Lをオススメするが、普段使い+αならば1.5Lで十分だ。というのも私の好みで言えば、乗ったフィーリングは1.5Lのほうが上。まず乗り心地的には1.5Lのほうが若干イイ。足回りのセッティング的には、リアはまったく同じで、フロントのみ軸重が重くなるので、バネレートは同じだがバネの取り付け荷重が変更されている。しかし逆にそれくらいの差しかないのだ。

実は今回の1.8Lモデルの試乗車にはオプションの16インチタイヤが着いていたせいもあり、タイヤのカタサが気になったので1.5Lのほうが若干乗り心地がよかったということなのだ。違うのはステアフィール。1.5Lは非常に滑らかだが、1.8Lは女性にはギリギリといったくらい少々重めなのが気になってしまった。

ブレーキフィールは両者とも互角、静粛性はカタチからして高速走行では少々不利といったところだろう。

高速ロングドライブには1.8L、普段使い+αならば1.5Lがオススメ

ヘッドライト&フォグランプテールランプ

カタチからすると荷物も人も…と、とにかくたくさん乗せたくなるのが心情だが、ルミオンはあくまでも人を乗せるためのクルマとして考えられている。

荷物を乗せるならばフィールダーがあるじゃないかと、後席はスライドはせずに前倒しのみに留まっている。なのでラゲッジスペースの広さはそこそこといったところだ。

逆に後席は非常に大きめに作られていて、私が座ると肩の高さから上がかなり余裕がある。茶室にこもったかのような包まれ感があるのだ。これは開放感ではなく、外から見られにくいことによるリラックス感を演出したかったからだそうだ。

その代わりと言ってはなんだが、この後席の座面下は小物入れになっている。あまり高さがあるものは入らないが、ここは普段使わないものを入れておく他に、ちょっとクルマを離れるときの車上狙いを防ぐといった意味もあるらしい。

またあえてフロントシートをベンチシートにしなかったのは、運転のしやすさを最優先したかったからとのこと。自然に手を下ろした位置にシフトレバーを持ってくるとインパネシフトになり、その部分をえぐった中途半端なベンチシートになってしまうくらいならばセパレートという選択。従って、パーキングブレーキもハンドブレーキタイプだ。ストレスフリーという意味の運転のしやすさ、楽しさを最優先したレイアウトになっているのだ。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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