三菱自動車工業 開発本部 EV・パワートレインシステム技術部 吉田裕明 インタビュー(2/5)

三菱自動車工業 開発本部 EV・パワートレインシステム技術部 吉田裕明 インタビュー
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他に先駆け、給電装置を市販に持ち込む

三菱自動車は、今年3月に1500ワット(W)の電源供給装置『MiEV power BOX(ミーブ パワー ボックス)』の発売を発表した。この装置を使うことにより、電気自動車のi-MiEV(アイ・ミーブ)や、MINICAB MiEV(ミニキャブ・ミーブ)の車載リチウムイオンバッテリーに充電された電気を取りだし、家電製品などを動かすことができる。なぜ、そのようなことを考えたのか?

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【吉田裕明】そもそも話をしますと、はじめは電欠(充電されたバッテリーの電気を使い果たしてしまうこと:筆者注)した電気自動車を助けるため、「助っ人EV」と言って、バッテリーに余裕のある電気自動車から、電欠した電気自動車へ電力を融通することを考えていたのです。

この構想は、新潟県柏崎市の商工会議所が事業化できないかと考え、i-MiEVの急速充電口から電気を取り出せるようにし、電圧調整機能を設け、充電規格のCHAdeMO(チャデモ=自動車メーカーや充電器メーカーなどが共同で規格統一を推進する協議会:筆者注)の延長機能として開発しました。で、それをやってみると、電気自動車から電気を取り出せるようになれば、他にも何か使えるね!となったのです。

それから、2011年3月の震災の影響もありました。被災地の社会基盤の中で、電気は比較的早く復旧しました。そこへ、電気自動車を89台送り、活用して戴きました。その折、まだ電線の復旧しない地域などで、電気自動車に電気があるなら使いたいという要望がありました。

そこで社内でも、電気自動車から電気を取り出せるようにしなければという動きが起こりましたし、経済産業省からも検討依頼がありました。 それまでは、まだ研究開発の扱いでしたが、これによって製品開発へと、一気に開発の次元が先へ進んだのです。

製品開発の指示が出されたのは、2011年4月のことで、そこからわずか1年でMiEVパワーボックスの発表・発売へ漕ぎつけることになる。

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【吉田裕明】とてつもなく早い開発でしたね。何に苦労したかって、この開発期間の短さが一番です。一般的に製品開発というと、早くて2年で…しかし、その前には機能部分の技術が出来上がっていなければなりませんから、事前に2年ほどの機能開発が必要です。なので、実質的にはトータルで3~4年掛かるのが普通です。それを、一年で発売までもっていくというのですから、かつてないことですよ。

次は、電気を取り出すと言っても、その仕様をどの程度にすればいいのか?また、安全や信頼性をどう確保しておけばいいのか?自動車部品でもなく、家電製品でもない。そのような物の安全基準をどこに見出せばいいか?結局、自分たちで決めていくしかありません。電気安全法なども、この分野についてはありませんから。

そして価格ですね。14万9800円という値段は、エンジン付きのポータブル発電機の価格を視野に決めましたが、「より多くの方に活用していただき、役に立つように」という社長の思いを実現するには、さらなるコストダウンが継続的な目標になります。

エンジン付きのポータブル発電機の価格は、MiEV power BOXと同等の発電ワット数でほぼ同等の値段となっている。MiEVパワーボックスが、しっかりとした競争力を持って発売に至ったと言える。

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御堀 直嗣
筆者御堀 直嗣

1955年東京出身。自動車ジャーナリスト。玉川大学工学部機械工学科卒業。1978年から1981年にかけてFL500、FJ1600へのレース参戦経験を持つ。現在ではウェブサイトや雑誌を中心に自動車関連の記事を寄稿中。特に技術面のわかりやすい解説には定評がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。また現在では電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副会長を務める。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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