【ahead femme×オートックワン】-ahead 1月号-弁天様と江の島と(2/4)
- 筆者:
サーファー、エスカー、しらす丼
と、そんなこととは露とも知らず20代を迎えた私にとって、江の島は格好のドライブデート地となった。
都心から江の島へは首都高湾岸線、第三京浜などいくつかのルートがあるが、さすが頼朝が選んだ難攻不落の地だけあって、スパッと直行できる道路はない。でも、だからこそドライブデートに向いているのかなと思う。着くまでにあっちこっち曲がり、山を越え線路を渡る、そんな道のりが一緒に「楽しい」と思える人だけと、行きたくなる場所だ。
私は第三京浜から横浜新道に入り、終点から国道1号線をちらりとかすめ、大船と鎌倉を抜けて134号線に出る。そこで突如ひらける太平洋に、ひとしきり「海ーっ」とはしゃぎつつ、のんびりと海沿いをたどって江の島を目指すのが好きだ。
この道は、いつ来ても何度走っても、まったく飽きない。1号線を逸れると畑が見えて、急に田舎っぽい風景に変わる。大船駅近くを過ぎると、周辺にたくさんのお寺や史跡が点在して、歴史の街に来たんだなぁとワクワクする。鶴岡八幡宮のすぐ脇を抜けて、北条政子のために頼朝が造ったという若宮大路を走る時には、タイムスリップしたみたいだ。
そこから一気に海沿いへ出てもいいし、途中で由比ケ浜や長谷の方へ折れるのもいい。そこでは狭い商店街を江ノ電がまるで路面電車のように走るから、通過待ちをするのが面白い。このあたりの道は細くクネクネとしてアップダウンがあり、あまり大きなクルマでは気が引けるけれど、RVRくらいならちょうどいいかもしれない。視点がちょっと高くて見切りがいいし、アイドリングストップしてくれるのも、大事な歴史を汚さずに走れるようで気分がいい。
134号線は、時間帯や季節でまったく別の道になる。ビュンビュン流れて爽快な時もあれば、天気のいい真夏なんかは、大渋滞でノロノロだし、穏やかな夕暮れもあれば、風の強い雨降りの日なんかは、ちょっとオドロオドロしくもある。道沿いに素敵なカフェなどが多く、寄り道することもしばしばだ。そして片瀬江ノ島の交差点を曲がって、江の島へと続く橋を渡っているうちに、だんだんテンションがあがってくる。
いつでも人がたくさんいて、お店から元気な声が聞こえてくるから、お祭りをのぞきに来た気分になるのかもしれない。駐車場にRVRを停めて、ここからは徒歩での散策だ。
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