三菱SUV雪上試乗レポート/今井優杏(1/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:三菱自動車
アウトランダーPHEVの最大の魅力
三菱=『PHEV』。
やっぱり、ここんとこの三菱自動車のイメージって、そんな感じなんじゃないかと思う。
アウトランダーPHEVはご存知のとおり、SUVという世界的にも流行している“走れる+積める=使える”パッケージに加え、ガソリンエンジンと電気モーターを両方搭載して、走行状況によれば電気自動車としても使えてしまうというエコノミー&エコロジーなプラグインハイブリッド車(=PHEV)。その登場はとても鮮烈だった。おかげであっという間に世界中の人気者になって、今や、日本で言うところのエコカー減税のような感じの自動車の優遇税制を持つオランダはじめ、欧州への輸出も好調となっている。
だけどホントのところ、目の肥えた欧州のユーザーの心を掴んだのは、その圧倒的な燃費性能だけじゃないんじゃないか。今回、北海道でプレス向けに行われた三菱の四輪駆動システムの雪上試乗会を終えて思ったことがある。それはアウトランダーPHEVの最大の魅力って、実は四輪駆動のハンドリングにあるのじゃないかっていうことだった。
そう、思えばアウトランダーPHEV発売の際のプレスリリースにも確かに書いてあった。『「i-MiEV」で培ったEV技術、「ランサーエボリューション」で鍛えた4WD技術、「パジェロ」で築いたSUVのノウハウを結集した』ってね。
1970年代にサファリラリーにて優勝を飾ったのち、今よりももっと競技期間も長くコースも過酷だった頃からパジェロを駆ってパリダカに参戦、1980年代以降には総合優勝を何度も経験する強豪となってRVブームを巻き起こしたし、また、クロスカントリーラリーのほかにはスピードラリーでもランサーエボリューションでWRCや全日本ラリー選手権でも多くの勝利を歴史に刻んできた。
つまり、三菱自動車は四輪駆動技術、同社では独自にAWC(オール・ホイール・コントロール)と呼んでいるそれとともに進化し、歩んできたということだ。
そのランサーエボリューション、通称ランエボも2014年、6速ツインクラッチSSTの生産終了が発表され、悲嘆にくれた熱狂的なファンも多かっただろう。しかし、その魂は今もちゃんと三菱のクルマに息づいていることを、この試乗会では見せていただいた。
だいたい、知ってました?モジュール化とかって構造を単純化する流れが世界的に超絶盛り上がっているなか、なんと三菱自動車のAWCシステムって、8種類もあるのだ。
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