三菱 新型スーパーハイトワゴン「eKスペース」 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
エンジンセッティングの見直し等により、初期のeKワゴンに比べ動力性能が向上
三菱 eKスペースの運転感覚はどうか。まずは動力性能。以前、eKワゴンを試乗した時に実用回転域の駆動力が不足していたので、運転する前は少し悲観的なイメージを抱いていた。
ところが実際に運転すると、登坂路を除けば力不足をあまり感じない。発進して時速25kmくらいまでは加速が鈍いが、そこからはおおむね滑らかに運転できた。
eKワゴンと印象が違った背景には、2つの理由がある。ひとつはエンジンのチューニングがeKワゴンでいえば4WDやアイドリングストップを備えない2WDに準じており、燃費重視の設定ではないこと。最大トルクも0.3kg-m上まわる6kg-mで、発生回転数は500回転低い5000回転になっている。
本命は、ターボエンジン搭載のeKスペース カスタム
次はeKスペース カスタム Tグレードを試乗する。エアロパーツを装着したボディに、ターボを装着したエンジンを搭載している。
発進すると「こちらが本命でしょう!」と思った。最大トルクは10kg-m(3000回転)だから、ノーマルエンジンの167%に達する。しかも発生回転数が2000回転下がったから、発進直後の1500回転くらいでも、ノーマルエンジンの最大値を上まわるトルクが発生している。1リッタークラスに匹敵する性能だ。
巡航中でも軽くアクセルペダルを軽く踏み増せば、滑らかに速度が高まる。なのでアクセルペダルを深く踏み込む必要はなく、エンジンノイズも高まりにくい。
残念なのは、ターボモデルにはアイドリングストップが装着されず、JC08モード燃費が22.2km/Lにとどまること。タントやスペーシアのターボは26km/Lだから、eKスペースカスタム Tも、動力性能を落とさずに24km/Lくらいまでは引き上げて欲しい。アイドリングストップだけでも7~8%の燃費向上は可能だから、24km/Lなら無理な相談ではないだろう。
性能向上しつつも乗り心地の良さは維持、ただし価格は・・・
サスペンションやボディの傾き方を制御するスタビライザーの設定は、ノーマルエンジンを積んだGと同じだ。タイヤサイズは15インチ(165/55R15)に拡大され、銘柄はブリヂストン・エコピアEP150。指定空気圧は14インチと同じ240kPaであった。コーナーでのグリップ力が少し高まるが、乗り心地はさほど悪化しない。ノーマルエンジンのGと同じく、バランスの良さを感じさせる。
ちなみにターボの価格換算額は、装備の違いを補正すると約10万円。同等の価格上昇でノーマルボディにもターボが設定されると、登坂路の多い地域のユーザーに喜ばれると思う。現状では充実装備ではあるがeKスペースカスタム Tグレードは165万9000円。ターボを装着したスペーシアやタントの最上級グレードと同等ではあるが、少々購入しにくい。登録車のトヨタ「ポルテ」&「スペイド」の売れ筋のFやYグレードが164万円だから、割高感が伴う。
自動ブレーキの追加設定は急務
なのでeKスペースで最も買い得なグレードは、今のところ標準ボディのGになる。最廉価のEグレードに比べて15万3300円高いが、プラスされる装備は、横滑り防止装置、サイドエアバッグ、左側スライドドアの電動機能、タッチパネルを備えたエアコンのオート機能など多岐にわたる。少なく見積っても18万5000円相当だからGグレードが買い得だ。
Gグレードの価格は137万7600円で、スライドドアを備えた軽自動車の買い得グレードが集まる価格帯(130~140万円)に収まる。従って購入もしやすい。
ただしライバル車は、この価格で赤外線レーザーを使った低速用の衝突回避支援機能(いわゆる「自動ブレーキ」)も備えている。この機能を低価格で設定することは、eKスペースにとって急務となった。
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