雪道上等!ミニバンとSUVの融合モデル、冬の風物詩 デリカD:5 シャモニー【徹底解説】(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
まさにミニバンとSUVの融合、デリカD:5
デリカD:5はまさにミニバンとSUVの融合だ。背の高いボディは直線基調で仕上げられ、空間効率を高めた。床面はフラットで、居住性はミニバンの中でも特に快適な部類に入る。1/2列目のシートが広いのはミニバンなら当然だが、デリカD:5は3列目にも十分な余裕を与えた。身長170cmの大人6名が乗車して、2列目に座る乗員のスライド位置を、膝先空間が握りコブシ2つ少々になるように調節すると、3列目にも同等の余裕が確保される。
各シートにこれだけの足元空間があれば、ゆったりした頭上のスペースと相まって、すべての乗員が開放的な乗車感覚を味わえる。全長が4800mm以下のミニバンでは、デリカD:5の居住性が最も優れている。
広い室内を有効活用できるシートアレンジも豊富だ。3列目を左右に跳ね上げるとボックス状の空間になり、2列目の座面を持ち上げて前方に移動させると、さらに大容量の荷室になる。3列目に加えて2列目まで畳めるミニバンは意外に少ない。デリカD:5は便利な機能を追求した。
その一方でSUVとしての走破力も優れている。4WDの駆動システムはアウトランダーなどと同様の「オールホイールコントロール」という開発思想に基づく電子制御4WDで、電子制御される油圧多板クラッチが前後輪に最適な駆動力を配分する。
4WDのドライブモードセレクターは、2WD(前輪駆動)/4WDオート/4WDロックという3種類の切り替えが可能だ。4WDロックを選ぶと油圧多板クラッチの締結力が強まり、駆動力の伝達効率を高めて悪路にも十分に対応できる。走破力は本格的なSUVのアウトランダー並みだ。
国産ミニバンでディーゼルを選べる唯一のモデル
最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は210mmと余裕があり、悪路のデコボコを乗り越えやすい。ボディの下まわりも、路面に干渉しないよう配慮した。タイヤサイズは18インチ(225/55R18)を主力に採用して、走行性能を高めるとともに外観をカッコ良く見せている。
そしてエンジンは直列4気筒2.2リッターのクリーンディーゼルターボを設定した。国産のミニバンでディーゼルを選べるのはデリカD:5だけだ。
最高出力は148馬力(3500回転)、最大トルクは36.7kg-m(1500~2750回転)だから、3.6リッターのガソリンエンジンに匹敵する。実用回転域の駆動力が高く、アクセルを軽く踏んだ状態で力強く加速していく感覚は、クリーンディーゼルターボの醍醐味だろう。
JC08モード燃費は13km/Lで、軽油の価格がガソリンに比べて1リッター当たり20円ほど安いことを考えると、燃料代はトヨタヴォクシー&ノアのノーマルエンジン搭載車と同程度。動力性能が高い割に走行コストを安く抑えられる。
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