MINI 新型 ミニクロスオーバー・ミニペースマン「ディーゼル」試乗レポート/藤島知子(4/4)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:阿部昌也
同じディーゼルながら「Cooper SD」とは随分異なる印象に驚く
先に述べたとおり、ペースマンに搭載されるディーゼル仕様は、112馬力の2リッター ターボ・ディーゼルの1種類のみとなるが、ペースマンは『Cooper D』に試乗してみる。すると、同じディーゼル仕様でありながら、『Cooper SD Crossover』とは随分と異なる印象を受けることに驚かされた。
乗り込んで最初に感じたのは「ディーゼルなのに静か」だということ。112馬力を発生する2リッター ディーゼル・ターボ・エンジンは、豊かなトルクは得られるものの、滑らかな走り出しをみせ、手の内感があるパワーフィールは素直で扱いやすいものだと感じる。
ペースマンは独立4座のシートとなるが、後席は個々の乗員の身体をしっかりサポートしてくれるだけでなく、オプションで装着されていたレザー・グラビティ・シートはマシュマロのように優しい座り心地はクセになってしまいそうだ。背中に振動を感じにくく、『Cooper SDクロスオーバー』と比べて走行中のエンジン音やロードノイズもしっかりと抑え込まれていた。車内の会話のしやすさと後席の快適性については、ペースマンが格段に優れている印象を受けた。
ディーゼルでも走りの個性の違いを表現出来る時代へ
新型MINI クロスオーバーとMINI ペースマン。今回の試乗で2台・2種類のディーゼル仕様を乗り比べて感じられたのは、ディーゼル・エンジンの追加でこれまでのガソリン・エンジンとは異質のパワーフィールと経済性の両立でインパクトを与えたほか、ディーゼル・エンジンでも異なる走行フィールをいかようにでも作り込める段階にあるのだということを示してみせたことだ。
さらに両者のモデルは、マイナーチェンジ前と比べて、それぞれのキャラクターが色濃く成長してみせことも実感できた。クロスオーバーはタフなイメージを強調してよりワイルドに、ペースマンは都会的な洗練性を際立たせてきた。いずれにしても、ディーゼル・エンジンという新たなパワートレーンの選択肢が加わったことで、MINIらしいエキサイティングな魅力の幅が拡がったことは言うまでもない。
[レポート:藤島知子]
MINI Cooper SD Crossover[FF・6AT] 主要諸元
全長x全幅x全高:4120x1790x1550mm/ホイールベース:2595mm/車両重量:1420kg/乗車定員:5名/駆動方式:前輪駆動(FF)/エンジン種類:4気筒 DOHC 直噴 ターボ ディーゼルエンジン/総排気量:1995cc/最高出力:143ps(105kW)/4000rpm/最大トルク:305N・m/1750-2700rpm/トランスミッション:6速AT/燃料消費率:16.6km/L[JC08モード燃費]/車両本体価格:3,870,000円[消費税込み]
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