MINI PACEMAN(ミニ ペースマン) 試乗レポート/こもだきよし(2/3)
- 筆者: 菰田 潔
- カメラマン:和田清志
ベーシックな「ONE」の設定はなし
エンジンはお馴染みの直列4気筒1.6リッターで、「Cooper(クーパー)」の最高出力が90kW(122ps)/6000rpm、最大トルクが160Nm/4250rpm。ツインスクロールターボで過給される「Cooper S(クーパーS)」が135kW(184ps)/5500rpm、240Nm(オーバーブースト時260Nm)/1600-5000rpmと、いつも通りだ。トランスミッションはCooper PACEMAN、Cooper S PACEMAN、Cooper S PACEMAN ALL4のそれぞれに6速MTと6速ATが用意されている。他ラインナップには用意されるベーシックな「ONE(ワン)」は、ミニ ペースマンには用意されない。これは欧州含め全世界で共通だ。
思ったよりも広い2人掛けの後席空間
ミニ ペースマンを単体で見るとコンパクトなMINIに見えるが、実際に乗ると広い。やはりミニ クロスオーバーが基本になっているからだろう。さらにクロスオーバーは4人乗りが標準で5人乗りをオプションで選べるが、ペースマンは4人乗りのみ。後席の左右シートをセパレートするように前後方向にレールが走る。
リアシートの左右は余裕があり、身長180cmの編集者が座っても立った髪の毛がルーフに触れる程度なので、ルーフが下がってきているわりにはヘッドクリアランスも確保されている。
愉しいドライビング性能はMINI共通
サスペンションの基本はミニ クロスオーバーと同じだが、もちろんミニ ペースマン専用チューニングがされている。それによりクロスオーバーよりキビキビ走れるゴーカートフィーリングが感じられる。ハンドルの直進付近のニュートラル感が締まっていて、微小操舵時の手応えもしっかりしている。応答性としてはMINIらしくシャープなのだが、応答遅れのないダイレクト感が悪いクセにはなっていないのはさすがだ。
ブレーキの効きも良い。これはMINIシリーズに共通したことだが、ペダル剛性が高く、踏み始めのデリケートなコントロールがしやすく、踏み込んだときに遅れなくしっかりと反応してくれる。一般道でのお買い物走行でもスポーツドライビングでもドライバーの期待どおりの反応がある。ドライビングが愉しくなるだけでなく、安全性も向上するはずだ。
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