竹内浩典選手/今井優杏の「あなたの愛車教えてください!」(3/3)

竹内浩典選手/今井優杏の「あなたの愛車教えてください!」
竹内浩典選手((株)シフト代表)とS耐・SuperGT参戦車両 手前で撮影されている方が竹内浩典選手((株)シフト代表) #52 GREEN TEC & LEON SLS「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」 #52 GREEN TEC & LEON SLS「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」 #52 GREEN TEC & LEON SLS「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」 竹内浩典選手と#52 GREEN TEC & LEON SLS「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」 竹内浩典選手と愛車のメルセデス・ベンツ S350(左)/#52 GREEN TEC & LEON SLS「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」(右) 竹内浩典選手と愛車のメルセデス・ベンツ S350(奥)/#52 GREEN TEC & LEON SLS「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」(手前) 画像ギャラリーはこちら

監督になった時は「もうドライバーはいいかな」という気持ちもあったが・・・

―それでは業界中が注目したSLSについてお話を伺いたいと思います。スーパーGT選手権にSLS AMGが出ると発表されたときは大きな話題になりました。どうしてSLSでレースに出ようと思ったんですか?

ことの起こりは去年の6月、今年スーパー耐久に出ているSLS(ペトロナスカラーの2台)がSHIFTに来て、同年9月にマレーシアで開催された12時間耐久レース(2011Merdeka Millennium Endurance Race)に出るための車両製作を依頼された。

見た瞬間に『かっちょいいな、コレでGT出来ないかな』と。で、その次の日から企画書を作り始めた。その頃からGTのレギュレーションが改定されて、FIA GT3車両が参戦OKになったから、『風、吹かせちゃおうかな』と(笑)。

―大変でしたか?

#52 GREEN TEC & LEON SLS「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」

車両的にはね…重いよね。このSLSは1,350kgあるんですよ。それが最低重量なのね。さらに燃料を積むと約1,450kgになる。今までGTで乗ってたクルマは1,100kgとかそんなもんだから、差にして200kgでしょ。

―レーシングカーに換算してみれば、相当な“重り”ですね。

サーキットをあのスピードで走るとなればね。自転車2人乗り、しかもおんぶで100m競争やってるみたいなイメージだよ。

―昨年のセパン12時間レースの模様はSLSをドライブして参戦した谷口信輝選手片岡龍也選手のブログで拝見してましたが、とにかくブレーキで苦戦されたようですね。その辺はGTに投入してみて、いかがだったでしょうか?

今はウチのBZプレミアムを付けてるからね!(笑)問題ないですよ。

あの時はなんのデータもないまま実戦投入されたし、海外ブランドのパッドだったし、しかもあんな暑い国で12時間も耐久レースをしなければいけないという過酷な状況だった。ブレーキに関して言えば、持たせるために効かないブレーキを装着する、効かないからドライバーが100kg以上の踏力で踏まなければいけない、という現象が起こって来ちゃったんだよね。それは僕には無理だから(笑)、パッドを変えたんですよ。

だから今後、鈴鹿の1,000kmレースという距離の長くなるレースやツインリンクもてぎのようなストップ&ゴーの多いサーキットは摩耗とライフを変えて考えて、パッドを選んでいく必要があるね。

運転自体もまったくハードじゃない。ABSは優秀だしトラクションコントロールは優れてるし、エアコンもパワステも付いてるしね。

―今シーズンは頭脳戦でもあるんですね!開幕戦の岡山は苦戦されていましたが。

問題はやっぱり重さだね。中速域でコーナーに入ると、慣性でフワ~っと外側に持ってかれちゃう。コーナーが続くとどんどん外側に行っちゃうから辛いよね。今後はしっかり荷重に耐えられるくらいの剛性、対荷重量に対する強さがタイヤにないと重量に負けちゃうからね。でも硬くすると路面に負けちゃうから、そのいいところを探して行かないと。

―さて、竹内選手は永らく監督業をされてましたよね。今年GTにドライバーとして復活されたという真意は?

#52 GREEN TEC & LEON SLS「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」

監督になった時は『もうドライバーはいいかな』という気持ちが正直あって。疲れて来たというと言い過ぎだけど、もうやることはやった、乗ることに対して飽きてきたかなと思ってたんだよね。3年くらいはそんな感じで満足してたんだけど、見てるとやっぱり乗りたくなってくるんだよ(笑)。

―じゃあうウズウズしてたんですね(笑)

イベントやテストなんかではずっと乗ってたから腕は落ちてないし。それでスーパー耐久で去年久しぶりに実戦復帰をしてみた。コンビを組んだのは立川祐路という日本でもトップのドライバーで、彼と一緒にちゃんとレースを戦えたという自信がGT復帰に繋がったね。

それにこれからSHIFTとしてもメルセデスに乗るお客さんをどんどん取り込んで行きたいし、そのためには自分がもっとメルセデスを知る必要性がある。乗ってもないのにメルセデスを扱うなんて、説得力に欠けるとも思ったしね。

―ではドライバーとしてはもちろん、経営者としての判断もあったわけですね。

そうだね、データも取りたかったしね。大きな視野で見れば、日本のレース界にとってもこういうスポーツカーをどんどん取り入れて行って、盛り上がってもらいたいという気持ちもあったしね。

だってカッコイイでしょ、ベンツ対BMW対アウディ対ポルシェ!それをもっとたくさんの人に楽しんでもらいたいから。

それに今回スポンサードをしてくれたチョイ悪雑誌・LEONの編集長とも話してたんだけど、今、若者のクルマ離れが進んでるじゃない?それで各自動車メーカーは四苦八苦してるよね。

そんな中だからこそ、我々オヤジが自ら楽しんでるところを若い子に見せて、「やっぱりオヤジたちが楽しんでるクルマって、興味あるな」とも思ってもらいたかった。チョイ悪オヤジに憧れてくれるようになれば、結果若いコを引き込めるようになるんじゃないかなと思って。もちろんまだまだチャンピオンも獲りたいしね!

―楽しみです!それでは最後に、今欲しいクルマを教えて下さい。

メルセデスのAMGブラックシリーズ。そのSLだね。ひと目ぼれしちゃった。富士のストレートで300km/h出るからね!それでナンバー付きって、スゴイでしょ(笑)

―チョイ悪どころか、すごく悪い感じ(笑)。でも似合いそう!

今井優杏の「取材後記」

手前で撮影されている方が竹内浩典選手((株)シフト代表)

今回のインタビューでSHIFTにお邪魔したのですが、ガレージにはスーパー耐久・スーパーGTに参戦する3台のSLSがズラーリ!

これはガレージ的にも大変珍しいことだそうで、たくさん写真を撮らせていただきましたが、竹内選手も御本人もバシバシ写真を撮られていました(笑)。しかしこうやって揃うと本当にカッコイイ!

実は先日、竹内選手が講師を務められる某ドライビングレッスンに参加してきた筆者。

その的確なアドバイスにシビれちゃいました!論理的に運転を語れるレーサーって、素敵ですよねぇ。竹内選手が手掛けられるブレーキパッド『BZプレミアム』はまもなく発売、SHIFTのHPからも情報を見れるそうですよ!

Facebook

http://www.facebook.com/people/Hironori-Takeuchi/100002277618315

SHIFT HP

http://www.shift-japan.com/index4.htm

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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