“唯一無二”のラグジュアリーオープンカーはどこまで進化した?「メルセデス・ベンツ SLクラス」海外試乗レポート(1/3)
- 筆者: 九島 辰也
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
メルセデスの最高峰オープンモデル「SL」がマイナーチェンジ
正直、ちょっとだけ忘れてしまっていたモデル「メルセデス・ベンツ SLクラス」がマイナーチェンジされた。2012年にモデルチェンジを行った「R231」型の進化バージョンである。
国際試乗会が行われたのは、カリフォルニア州のサンディエゴ。その理由をスタッフに問うと、実にシンプルな答えが返ってきた。「SLが一番売れている国」「オープンモデルを走らせるのに適した気候の地」だからだそう。確かに。
ちなみにSLの販売国トップ5はアメリカ、英国、ドイツ、カナダ、そして日本の順らしい。日本もなかなかのポジションに位置しているのではなかろうか。
ただ、冒頭に記したように今、その存在は目立っていない。メルセデスのモデルラインナップの拡大からSLは埋もれてしまった感がある。
いま「SL」の販売が芳しくない、その理由とは
実際その傾向は世界中で起こっており、R231の販売はそれまでより良くない、とメルセデスのスタッフは重い口を開く。
そしてその要因は、スポーツカーに乗っていた顧客が「SUV」へ移行したことが大きいという。アメリカを中心にコンシューマーリサーチを行った結果、同社ではそう分析した。
がしかし、こうも言っているのだ。「2020年頃には、そうしたカスタマーが戻ってくる」と。SUVからの揺り返し、さらには中国マーケットの多様化がSLに風を吹かすと言うのだ。そしてそのためにも、我々はSLの進化を止めないとも熱く語っていた。
なるほど、メルセデスらしいプライドを感じる。と同時に、コンシューマーリサーチに頼りすぎのは彼ららしくない気も。まぁ、これも時代なのだろうか。
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