メルセデス・ベンツ 新型SLクラス 新車発表会速報
- 筆者:
ご無沙汰しております。11年ぶりのフルモデルチェンジです。
「いつかは、このクルマに・・・」
なんて夢見る人も多いことだろう。そのデザインを見ているだけで、ため息さえ出てしまう、まさに魅惑のスタイリングを代々受け継いできたクルマ「メルセデス・ベンツ SLクラス」。
3月18日は、そんなSLクラスが6世代目を披露する記念すべき日となった。
“SL”とは、Sport & Lightの略。軽快感を充分に感じさせる、最高のスポーツテイストを備えたモデルということを意味している。そのエッセンスは、1952年に発表されたガルウィングモデルの“300SL”から継承され、伝統的かつ流麗なプロポーションは、モデルチェンジする度に、世界中の人々を魅了し続けている。
11年振りにフルモデルチェンジを果たした今回の新型SLクラスも、ご覧の通りだ。
まずフロントライトは、最も存在感をアピールする一部として、強烈なまでの眼光を放つ。そして羽を広げたかのように光るLEDライトも、新型SLクラスの重要なアクセントのひとつだ。
その他のエクステリアでは、SLクラスの象徴というべき部分がブラッシュアップされている。まずフロントグリルの、大きなスリーポインテッドスターを挟んで左右に走るシングルバーは、より太く力強くなった。
そしてサイドのエアアウトテイクも、ショルダー部分の鋭いエッジラインの延長上に設けられており、先代モデルよりもさらに強調され、存在度合いがまったく違うのが印象的だ。
そして、4.7リッターV8ツインターボエンジン(435PS/700Nm)+7速ATを搭載するSL550BlueEFFICIENCY(左ステアリング/15,600,000円)は、0-100km/h加速が4.6秒、燃費は11.0km/Lという内容だ。
最上級モデルはSL63AMG(左ステアリング/19,800,000円)。
5.5リッターV8ツインターボ(537PS/800Nm)+7速ATを搭載し、0-100km/h加速は4.3秒、燃費は10.1km/Lと、このパフォーマンスを誇るクルマにしては充分すぎる燃費だろう。
実は新型SLクラスのすべてのモデルには「ECOスタートストップ」が採用されている。これも完全に時代の流れを示すアイテムの一つだ。つまりSLクラスでさえ、「低燃費」というキーワードは、もはや避けては通れなくなってきたということだ。
ブランド力と存在力だけでは、この日本では通用しなくなってきた。そんな現状を露骨に表した新型SLは少々、窮屈を感じているのでは?と思えて仕方がない。
ただ、そうも言っていられないのが世の流れ。グローバルで注目される以上、各市場に充分適応できる技術を持つことは必須。これぞプレミアムブランドとしての証でもあるわけだ。
実はこれらの燃費性能や、動力性能の進歩に大きく貢献しているのが、先進のフルアルミニウムボディシェル採用という、最新の軽量技術だ。
先代モデルに比べ、最大140kgの軽量を実現し、低燃費へ結びつけたことをはじめ、ルーフフレームにはマグネシウムを採用し、ねじれ剛性を先代モデルより20%以上も向上させた。これにより、ハイパワーの動力性能を安定した操縦でコントロールすることができ、そして尚且つ快適性も高められている。
さらに装備面では、画期的な最新アイテム4つが標準装備となる。
ひとつ目はオープン時でも快適な音響が楽しめるようにと、従来のドアスピーカーではなく、運転席と助手席の足元に低音スピーカーを設置した「FrontBassシステム」を搭載。
ふたつ目は、ワイパーブレードに数多く開けられた小さい穴から、ウォッシャー液を噴射することにより、オープン時でも室内を汚さない、画期的なワイパー「マジックビジョンコントロール」を装備。
三つ目は、リアバンパー下に足を近づけるだけで、トランクが自動開閉する「ハンズフリーアクセス」そして四つ目は、おなじみメルセデスが誇る最新の安全システム「レーダーセーフティパッケージ」だ。
最新のテクノロジーと、さらなる贅を追求した新型SLクラス。
デリバリー開始は6月以降、SL63AMGは8月以降を予定している。「このクルマにいつかは・・・」なんて夢見る思いが、新型SLクラスではさらに大きくなってしまう、そんなモデルへと進化していた。
(TEXT:吉澤憲治)
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