メルセデス・ベンツ 新型Sクラスに試乗|走り・内装…全てが神レベル! これが本物の贅沢(1/2)

メルセデス・ベンツのSを知れば、世界最高峰の水準を知ることができる

言わずと知れたメルセデス・ベンツのフラッグシップモデル・Sクラス。昨年秋にマイナーチェンジを果たして日本に導入された・・・のはもちろん知っていた。でも、乗れていなかった。乗りたかったけど、どうしても乗りたかったけど、乗れていなかった。で、この度晴れて試乗が叶ったので、それはそれは喜び勇んで試乗会場に向かったんである。

なんでそんなに嬉しいのか。なんでそんなに乗りたかったのか。買えもしないのに(涙目)。理由は明快。

だってSクラスだから、だ。

Sクラスには、同社自身が「メルセデスの最新技術を全て搭載した最先端フラッグシップモデル」と銘打っている。

世界のベンチマークと言われる世界最古の自動車メーカー、メルセデス・ベンツ。そんな会社の手掛けるフラッグシップなのだから、生半可なものでは顧客が、同業他社が、そして何より肝心のメルセデス・ベンツ本体が許さない。

さらにそんなフラッグシップを買い求めるのは、のけぞるくらいのプライスタグに納得して財布の紐を緩めるセレブリティたち、つまり百戦錬磨の買い手だ。彼らの持つ高い審美眼にも敵うよう、全方位に隙があってはいけない。

そんなクルマには、最高で最先端の技術が詰め込まれるのがセオリーだ。つまり、Sを知れば今の先進技術はどこまで来ているのか、さらにこの先の自動車がどこに向かって行くのかの片鱗を、垣間見ることが出来る。

世界中がSクラスに注目するのには、そういう理由もある。

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フルモデルチェンジと言っても良いほどの進化を遂げた、新型Sクラス

さて、今回はマイナーチェンジではあったのだけど、内容はフェイスリフトだけに留まらない。ほぼフルモデルチェンジと言ってもいいほどの変更が加えられた。それだけ今、同社の開発がまさに生き馬の目を抜くほどのスピードで進化していることを、推測せずにはいられない。

まず注目は新エンジンの搭載だ。

Sクラスにはいくつかのパワートレーンがあるが、うち、S600ロングとS65ロング以外の全てのエンジンが刷新され、9速化された。また、ADAS(Advanced driver assistance systems:先進運転支援システム)に関しても最新のレーダーセーフティーパッケージが搭載され、全車速対応型のクルーズコントロール、ディストロニック・プラスもステアリングホイール上のスイッチで操作できるように変更されている。

デザインではV12搭載モデルにしか採用されていなかった3本フィンのグリルが全車にあしらわれたほか(以降同じ3本フィンでもV12モデルのみフィンがクロームに、それ以外はブラックハイグロスになる)、マルチビームLEDヘッドライトも新デザインに。なんと個別に制御される片側82個(!)のLEDにウルトラハイビームを追加し、夜間や雨天でも最適な照射で悪視界時のドライバーをサポートする。またホイールも新デザインとなっている。

車両とドライバーをデジタルで繋ぐテレマティック・サービス「メルセデス・ミー・コネクト」には、車外のドライバーがスマートフォンを使用して遠隔駐車が出来る機能(同社初採用)や、スイッチひとつで24時間オペレーターに繋がるボタンも追加された。これは、事故の際にコールセンターに自動的に繋がって消防を呼ぶ以外に、ナビの遠隔操作やホテルの予約などをするコンシェルジュ機能も含まれる。

エレガントであり獰猛なエンジンフィールはさすがSクラス!

今回の試乗はS560 4MATIC long。

価格帯で言えばS400から始まるラインナップの、下から三番目に当たるグレードになる。が、お値段1,699万円〜。試乗車はそれに特別色の塗装、Burmester製サウンドシステム、AMGライン、ショーファーパッケージ、designoスタイルパッケージがオプション装備され20,859,000円。・・・お、おう。

エンジンは先述の通り完全に刷新されたV8 4.0リッターのツインターボ、気筒休止機能付き。乗るたびに毎回「Sクラスってすごいな」と思うのは、踏み方次第で獰猛にも、そしてエレガントにも変化するトルクフィールの割り振りの妙だ。

スペックで言えば469psを5250rpmから、700Nmを2000rpmから発生させるリッチな数字を誇るから、たとえ走行モードを「コンフォート」に合わせていても、油断してアクセルペダルを踏み込んだら、おわ!となるくらいに初期からガツっと加速する。トランスミッションが9速化され、低ギア側はよりパワフルになったとはいえ、低速時はもうちょっとしなやかにしてくれてもいいんじゃないかとは思うのだけど、こういう飛び出し感ある味付けをオーナーは望んでいるということなんだろう。自分で運転するなら文句は言えないだろうけど、Sクラスはショーファードリブン需要も多いクルマ。運転手さんには気を遣わせる踏み代だろうな、といらん心配をしてしまう。

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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