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試乗レポート 2017/8/22 12:45

メルセデス・ベンツ 新型Sクラス 試乗レポート|老舗ブランドが打ち出す最高級セダンの新たな価値(1/2)

関連: メルセデス・ベンツ Sクラス Text: 清水 和夫 Photo: メルセデス・ベンツ日本
メルセデス・ベンツ 新型Sクラス 試乗レポート|老舗ブランドが打ち出す最高級セダンの新たな価値

高級車の新たな歴史が幕開けする2017年

2017年は高級車元年となりそうだ。今回レポートするフェイスリフトしたメルセデス・ベンツの新型Sクラスに続いて、秋にはレクサスのフラッグシップであるLSが市販され、アウディA8も秋には国際試乗会が計画されている(実際の市販は2018年春ごろだろう)。

ということで庶民には高嶺の花かもしれないが、高級車に採用される様々な新技術は数年後には庶民でも手が届くようになるから、しっかりと注目しておきたい。

>>時代の最先端をいく高級車”Sクラス”を画像でもチェックする(画像128枚)

近頃の高級車にとって新しい価値とはなんだろうか。パワーウォーズは終わった気がするし、ボディを大きくすることにも限界がある。速さと大きさ以外で、どのように高級車の価値を提供するのか。残された道はクルマの知能化かもしれない、と私は感じている。そして心臓部を電動化することで、さらに新しい価値が提供できるはずだ。

さっそくメルセデス・ベンツの新型Sクラス、その新しい価値を探ってみよう。

Sクラスは4月に開催された上海モーターショーでワールドデビューした。なぜ上海なのかという疑問はすぐに解けた。中国でもっと成功しているプレミアムブランドはメルセデスであるが、高級セグメントが売れているのだ。中国ではメルセデス・マイバッハは60%、Sクラスは30%が中国で売れている。案の定、街を歩いてみると高級ブティック街はSクラスだらけだった。

直列6気筒エンジンが久しぶりに復活した理由とは

メルセデス・ベンツ S 560 long

まずは、新型Sクラスでトピックスとなっている新技術から紹介しよう。すでにワークショップで次世代パワートレインが発表されているが、新型Sクラスで個人的に興味を持っているのは、新開発のガソリンエンジン 3リッター直列6気筒ターボなのだ。

メルセデス・ベンツは、BMWと同じように一気筒当たり500ccのモジュラーエンジンのコンセプトを打ち出した結果、直列6気筒が復活した。その背景には、益々厳しくなる排ガスの浄化装置とも関係する。

V型エンジンでは両方のバンクに触媒などを配置する必要があり、スペースやコストを考えると直列6気筒が有利なのだ。直列6気筒はV6と異なり、完全バランスと言われる高貴なエンジンで、ガソリンもディーゼルも直列6気筒は気持ちがいい。というわけで、クルマ好きはメルセデスの直列6気筒復活を待ち望んでいた。

しかも、今回新開発された直列6気筒エンジンはベルトレスと呼ばれ、エンジンの前端部にオルタネーターやウォーターポンプを回すプーリーやベルトがない。その代わりにギアボックスとエンジンの間にISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を配置し、エンジン始動と発電(オルタネーター)を兼ね備える。

さらに48V電源と組み合わせるので、このモーターでタイヤを数回転回すことができるが、メルセデス・ベンツは断じて「マイルド・ハイブリッド」とは呼ばない。さらに48V電源を利用して、ターボの上流でモーターコンプレッサーを駆動し、2秒前後素早く過給する電動チャージャーを装備している。これでターボのタイムラグが解消される。直列6気筒にはこの電動チャージャーの有り無しの2つのモデルがラインアップされている。

最新の直6ディーゼルターボ試乗はまだおあずけ・・・

メルセデス・ベンツ S 560 long フロント
メルセデス・ベンツ S 560 long エンジン

このようにせっかく期待していた直列6気筒だが、あいにく試乗することはできなかった。おそらく次期Eクラスの主力エンジンとなりそうなので、「SはあくまでもV8がメイン」と言わんばかりだ。ということで、新型Sクラスの主力は4リッターV8ターボ。このV8はすでに実用化されているが、その特徴はVバンク内にターボを配置する「ホットV」を採用する点にある。

排気とタービンの距離が短いので、タービンの応答性を高めることがメリットだが、エンジンをコンパクトに設計できる。今回のSクラスからはさらに気筒休止システムも備えているので、燃費も良さそうだ。

新型Sクラスの試乗会はスイスのチューリッヒで開催されたが、試乗コースはスイスとドイツを行き来した。ステアリングを握ったのはV8のS560。サスは油圧フルアクティブを備え、しかも路面の凹凸をカメラで認識して、サスをアクティブに制御するが、従来のシステムよりカメラの認識性能がアップしたので、より高い速度(180Km/h)まで作動するようになった。

秒速50mの速度でも路面変化に対応できるサスはミラクルであると思った。静かでトルクフルなエンジンと知能的なサスのおかげで、走りはうっとりするくらい快適だ。もはや、金属の塊に乗っている感覚ではなく、しなやかな脚を持った、俊敏な動物の背中に乗っている気がする。

エンジン性能を際立たせているのは、実はギアボックスの制御だ。ATは9速もあるので、ギア選択が増えているが、巧みな制御(ソフトウェア)が必要だ。Dレンジでスロットルをコントロールするが、ドライバーの意思を正確に汲み取ってくれる。つまり、ドライバーは漫然とスロットルを踏むだけでなく、意思を持って操作すると、その意思をコンピューターが理解する。人とシステムの関係が見事だったのだ。

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