新技術ISGを搭載した直6エンジンが20年ぶりに復活! メルセデス・ベンツ 新型S450 発表会レポート

  • 筆者: 松田 タクヤ
  • カメラマン:松田 タクヤ

電動スーパーチャージャー、ISGを搭載した新世代のメルセデスが誕生

2018年3月1日、メルセデス・ベンツは同社の最上級セダンであるSクラスの新しいファミリーである「S450」を発表した。

今回最大のトピックスは新型パワートレーンである「M256」型直列6気筒ガソリンエンジンが搭載されたことである。直列6気筒エンジンは、振動の少なさや滑らかな吹け上がり、補器類のレイアウト自由度の高さから当時の主力エンジンであったが、クラッシャブルゾーンの確保が難しい等の理由から長いこと市場から姿を消していた。

しかし今回初搭載された「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」や、ベルトレスのエンジン構造によりコンパクト化を実現したことでこの問題を解決し、メルセデス・ベンツとしては約20年ぶりともなる直列6気筒エンジンが復活したという訳だ。

都内の発表会会場で行われた報道陣向けのイベントには、ダイムラー社の統括シニアマネージャーであるDr.ラルフ・ヴェッラー氏のほか、製品広報マネージャーである木下潤一氏が出席した。

>>メルセデス・ベンツ 新型S450の写真を詳しく見る【画像59枚】

8気筒並みの出力と、4気筒並みの低燃費を実現した「M256」型エンジンを初搭載

新開発となるM256型直列6気筒ガソリンエンジンは、V型エンジンであるM276型の後継機種に当たる。

電動化を大前提として開発されたM256型エンジンは、新たに48V(ボルト)の電気コンポーネントを採用したほか、可変制御オイル回路やインテリジェント熱管理システムを組み込んだ、まさにメルセデス・ベンツの次世代を担うエンジンとなる。先代のM276型V6エンジン比で約20%のCO2排出削減と、15%以上の出力アップを実現した。

エンジンとトランスミッションの間に組み込まれた「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」は、12Vと48Vからなる一体型スターターオルタネーターのことで、主にエンジンの始動に使われるほか、最大出力16kW、トルク250Nmの出力を利用しエンジンの駆動補助やエネルギーの回生等を行う。

ダイムラー社 統括シニアマネージャー Dr.ラルフ・ヴェッラー氏は『将来を見据えた設計のM256型エンジンを採用したことで、S450は快適性、燃費性能、低排出ガス、そしてパフォーマンスの全てを実現することができました。』とコメントした。

電動補助チャージャーを用いたツインチャージャー仕様

M256型エンジンは、2つの加給システムにより構成されている。

一つはタービンハウジングに低ニッケル鋼を使用したツインスクロール ターボチャージャーだ。吸気工程の損失を最小限に抑えたターボチャージャーは、3リッターの排気量から367PSの最高出力と51kgf.mの最大トルクをもたらす。

大型化したタービンではどうしても低回転時のレスポンスが不足しがちになることから、M256型エンジンではISGで発電された電気によって駆動する電動補助チャージャーが追加された。

48V電動水冷補助チャージャーは出力5kW以上、最高70,000rpmを発生し圧力比1.45を生み出す。これにより、発進時などエンジンが低回転の時でも効率的に加給が開始されるため、トルクの谷のない滑らかで力強い加速が提供されることになる。

M256を搭載したSクラスの発進性能を先代のM276(3リッターV6)とM278(4.7リッターV8)と20mの距離で比較すると、M256搭載車はV6モデルの1車長分の差をつけ、V8との比較でも4メートルリードする。

M256搭載車は0-100km/hの加速において4.8秒の数値を誇り、これは4.7リッターV8のM278搭載車と同数値となる。環境性能を大幅に向上させながらパフォーマンスは落としていないということだ。

新型S450の実力は? 今後の試乗レポートをお楽しみに!

新技術ISGを搭載したS450は、2018年3月1日より全国のメルセデス・ベンツ正規ディーラーで販売を開始する。

モデルラインナップはS450、装備を充実させたS450エクスクルーシブ、全長を13センチ長くして後席の快適性を向上させたS450 ロングの3モデルとなる。

S450、S450エクスクルーシブは2018年4月頃、S450ロングは2018年夏頃にそれぞれ納車が開始される予定。メルセデス・ベンツのこれからの主要エンジンとなるM256を搭載したS450の実力は、一体どれほどのものなのか非常に気になる所だ。

オートックワンでも近々掲載される予定の試乗レポートを、ぜひ楽しみにしておいてほしい。

[Text/Photo:松田 タクヤ(オートックワン編集部)]

メルセデス・ベンツ S450(ISG搭載モデル)の主要スペック
グレードS450(ISG搭載モデル)

価格(消費税込み)

11,470,000円

駆動方式

後輪駆動

トランスミッション

電子制御9速AT

全長

5,125mm

全幅(車幅)

1,899mm

全高(車高)

1,493mm

ホイールベース

3,035mm

乗車定員

5人

車両重量(車重)

--kg

エンジン

DOHC直列6気筒ターボチャージャー

排気量

2,999cc

最大出力

367ps(270kW)/5,500-6,100rpm

最大トルク

51.0kgf-m(500N・m)/1,600-4,000rpm

燃料

無縁プレミアムガソリン

タイヤサイズ

245/50R18

最小回転半径

--

関連リンク

>>メルセデス・ベンツが新開発した直6エンジン+48Vハイブリッドシステム、いったいどこが凄いのか!?

>>メルセデス・ベンツ、新型Sクラスに20年ぶりに直6エンジン搭載…新技術ISGも採用

>>メルセデス・ベンツ 新型Sクラスに試乗|走り・内装…全てが神レベル! これが本物の贅沢

>>メルセデス・ベンツ新型Sクラス試乗レポート、「絶対王者、それはSクラスであり続けること」

>>新型メルセデス・マイバッハ Sクラス|究極のエクスクルーシブ性を追求したメルセデスブランドの最高峰モデルが登場

メルセデス・ベンツ/Sクラス
メルセデス・ベンツ Sクラスカタログを見る
新車価格:
1,469万円2,348.5万円
中古価格:
50.9万円1,980万円

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

筆者松田 タクヤ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

メルセデス・ベンツ Sクラスの最新自動車ニュース/記事

メルセデス・ベンツのカタログ情報 メルセデス・ベンツ Sクラスのカタログ情報 メルセデス・ベンツの中古車検索 メルセデス・ベンツ Sクラスの中古車検索 メルセデス・ベンツの記事一覧 メルセデス・ベンツ Sクラスの記事一覧 メルセデス・ベンツのニュース一覧 メルセデス・ベンツ Sクラスのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる