メルセデス・ベンツ 新型Sクラス 新型車速報 ~ドイツ・ハンブルグで圧巻のワールドプレミア~ /川端由美

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まさに新型Sクラスに相応しい、豪華な演出が施された発表会

メルセデス・ベンツ 新型Sクラス ワールドプレミアの様子
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陸の王者と空の女王のコラボレーション。

8年ぶりにフルモデルチェンジを果たした新型Sクラスのプレミアは、華々しくもあり、威厳に溢れるものだった。その素晴らしさは、写真で見ていただくだけでは表現しきれない。

いつの時代においても、「最高のもの」を表現しなければならないという使命を背負ったSクラスのプレミアともなると、会場選定からして難しい。ドイツ国内の、しかもリッチピープルが好んで訪れる街でなくてはならない。しかも、お金で買えないものがない人たちを「WAO!」と言わせる仕掛けも必要だ。

その点、新型Sクラスのプレミアのために用意された舞台は完璧だった。会場に選ばれたハンブルクはドイツ第二の都市であり、金融やメディアが集まる経済の中心地でもあり、映画のロケ地にも頻繁に使われる美しい港町だ。世界各地から招かれた約750人ものゲストを乗せたシャトルが向かった先は、なんとエアバスの組立工場(!)。話題のA380もここで組み立てられている。

シャトルを降りると、目の前にA380の垂直尾翼が展示されており、あまりの大きさに圧倒される。ゲストが望めば、A320やA380のファイナルアッセンブリも見学させてもらえる。A380の詳細もリポートしたいのは山々だが、今回の主役はあくまでSクラス。ひとしきり見学を終えたあと、人々は三々五々A380のデリバリーセンターへと歩を進める。

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スタジアム状に並んだ観客席に座り、ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団が奏でる音楽にひととき耳を傾ける。

会長のディーター・ツェッチェ氏、乗用車の研究開発部門を率いる役員のトーマス・ウェーバー氏、セールス&マーケティング担当上級副社長のヨアヒム・シュミット氏によるプレゼンテーションのあと、背後の画面がTV中継に切り替わった。

シュトゥットガルトをDHLの“プライベートジェット”に乗って出発した新型Sクラスが、土砂降りの雨の中、エアバス社の敷地内にある発着場に着いた映像が流れる。一瞬ののち、背後の壁が開いて、A380とF1のセーフティカーを務めるSLS AMGが現れた。SLS AMGがドリフトを決めたあと、メルセデス・ベンツのすべての市販モデルがそのあとに続き、その中央にできた“ランウェイ”を新型Sクラスが堂々と駆け抜けてきたのだ。

まるでそこにリアルなスクリーンがあるかのような光景に、集まった人たちは見入るばかり。中央のターンテーブルに新型Sクラスが鎮座して、背後のスクリーンが閉じた瞬間、会場は大きな拍手で包まれた。

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グレードは全4機種、うち2機種がハイブリッドでそれぞれにロングとショートも用意

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開発にあたっては、安全性かデザイン性か、パワーか効率か、快適さか運動性能か、といった二者択一ではなく、あらゆる面で『最善か無か』を選び取ることを目指した。そのなかでも、メルセデス・ベンツの真骨頂である安全性と快適性においては念入りな開発を行ったという。

今回、発表されたのは3リッターV6ディーゼルを積む「S350ブルーテック」、2.2リッター直4ディーゼルエンジンに20kWのモーターを組み合わせる「S300ブルーテックハイブリッド」、4.7リッターV8ガソリンエンジンを積む「S500」と3.5リッターV6エンジンに20kWのモーターを組み合わせる「S400ハイブリッド」の4機種。それぞれに、ロングモデルとショートモデルの2車型が用意される。

現段階でハイエンドモデルである「S500」は、700Nm/455hpの大出力を発揮する。その一方で、S400ハイブリッドの燃費は6.3L/100km、S350ブルーテックは5.5L/100km、S300ブルーテック・ハイブリッドにいたっては4.4L/100kmと、コンパクトカー並みの低燃費だ。

新型Sクラスの外観はより親しみやすく

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外観の印象は、先代にあたる5代目の威厳ある雰囲気と比較すると、より親しみやすくなった。その点では、一足飛びに豪華になった3代目に対して、上級の装備を備えながらも親しみやすいデザインをまとった4代目に通じるものがある。

「Sクラスのように伝統があり、なおかつ革新的な技術を盛り込むモデルをデザインするにあたっては、伝統に基づいたDNAを貫きながらも、革新的な表現が必要とされます。長いボンネットとアーチ状のルーフラインといった部分はクラシックなサルーンの典型的なアイコンでしょう。

一方、新型Sクラスではピュリティ(清らかさ)とシンプリシティ(純潔)をキーワードに、デザインを構成するラインや面を整理しました。ご覧になっていただけばわかる通り、フロントグリルとランプを連続的につないだクリーンな造詣にし、フロントからリアへと貫かれた1本のシンプルなキャラクターラインでサイドビューに表情を出しています」と、チーフ・デザイナーのゴードン・ヴァゲナー氏は語る。

豪華なクルマをデザインするにあたって、デコラティブにするほうがよほど簡単だ。むしろ、1972年から連綿と続く歴史とフラッグシップの威厳を、シンプルに表現することのほうが大きな挑戦だったはずだ。

インテリアや室内の居心地の良さは、これぞメルセデス

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インテリアは、これぞメルセデスといわんばかりの質感の高さだ。運転席に座ると、センター部分がいくぶん張り出したラウンド型のインパネがほどよい囲まれ感を生んで、コックピットらしい雰囲気を作り出している。運転席で一番の驚きは、メーター類や操作系の表示が2枚の12.3インチ液晶画面となったこと。

運転席側にはメーター類が表示されるが、その隣にある画面にはカーナビやオーディオなどの快適装備の表示がされる。左右の席で画面に移されるものを変えることができ、例えば、運転席にはカーナビを表示し、助手席ではテレビを見ることが同時にできる。

室内の居心地の良さは、全長全幅全高=5,246(ショートは5,116mm)x 1,899 x 1,483mmと、ボディサイズの拡大を最小限に止めつつ、運転席ヘッドルームを+12mm、ショルダールームを+14mm、エルボールームを+10mm拡大したことによる効果も大きい。

ロングボディをベースに開発されただけあって、後席の居心地はバツグン。後席ではニールームが+14mm、ショルダールームも+9mm拡大している。シートバックは最大43度もリクライニングし、センターコンソールを開ければ飛行機のアッパークラスのように折りたたみ式のテーブルが現れる。ホットストーン・マッサージ機能では、ツボを暖めながらマッサージをしてくれる。空調も席ごとに細やかな調整が可能な上に、そのときの気分にあわせて4種類の香り成分が風にのって吹き出す。

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将来は「S500プラグインハイブリッド」も

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もちろん、技術面も特筆に値する。搭載されるパワートレーンは、前述の4機種。その実力のほどを過去のモデルと比べると、1967年に発売された6.3リッターエンジンを積む「300SEL」ではCO2排出量361g/kmだったが、2010年に直4を積んだ「S250CDI」では149g/kmまでCO2排出量を低減した。そして今回、「S300ブルーテック」で115g/kmという、2015年の規制を下回る低CO2排出量を達成した。さらに今後、CO2排出量75g/km以下となる「S500プラグインハイブリッド」の発表を予定している。

現段階で明確にされている情報から、低CO2排出量を達成した最大の理由は空力と軽量化だ。ねじり剛性を高めながらも、アルミと超高張力鋼板の採用によってホワイトボディで100kgも軽量化を行った。空力面では、クーリングフローシャッターを設けることにより、冷却が不要なときにはラジエター背後のシャッターを占めることで空力を高めた。また、大型アンダーカバーを設けて、ボディ裏側の清流を行った。

前後のランプや装飾用のアンビエントランプなど、約500ものライトをすべてLEDにしたのも特徴だ。フロントランプに十分な輝度を確保しつつ、十分な冷却を行う。視界確保については、対向車や歩行者などの状況にあわせて、フロントランプの方向を調整したり、シャッターで照らす場所を調整するなどの新技術を搭載する。さらに、可視だけではなく、暗視カメラも併用する。

今回初搭載となるマジック・ボディ・コントロールも特筆に値する。ステレオカメラによって路面をスキャンして、凹凸を認識。想定される路面状況にあわせてダンパーを制御する。V8モデルにのみ、オプションで装備される。なお、標準仕様はアダプティブ・ダンピング・システムとエアサスペンションの組み合わせだ。

さらに、60km/h以下の領域では、全車を追従したり、自動でブレーキやアクセル操作を行う。いわゆる、部分的な自動運転ができる。ツェッチェ会長いわく、3つの目を6つの耳と表現していたが、フロントステレオカメラとリアカメラ、長距離と短距離のレーダー、レーザーなどのセンサー類を満載し、全方位でアクティブ・セーフティを行なうと共に、これらのセンサー類からの情報を自動運転にも応用する。

これだけの装備があればかなりの事故は防げそうだが、万が一の事故に備えて、パッシブ・セーフティも万全。後席のサブマリン効果を防ぐために座面にエアバッグを追加した。シートベルトにも、エアバッグが新設された。

快適、安全、動力性能、環境性能、どの部分を取ってもクラス最高を目指した新型Sクラス。ドイツ国内の価格は、「S350ブルーテック」ショートの7万9789.50ユーロ「S500」ロングの10万7635.50ユーロ(19%VAT込み)となる。

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川端 由美
筆者川端 由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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