メルセデス・ベンツ SLS AMG 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
571hpの心臓が発する加速感はまさに圧倒的
SLS AMGの国際試乗会は、「世界で最もAMG車が良く売れる」という米国カリフォルニアで開催された。
フリーウェイやワインディング・ロードを含む300kmほどに及ぶ一般道と、一周が3.6kmほどでアップダウンに富んだレイアウトを持つ『ラグナ・セカ』のサーキットがその舞台だ。
遥々ドイツから持ち込まれたテスト車は全16台。そのうち、サーキット走行のセッションにはスプリングレートが10%、ダンパー減衰力が30%、それぞれ強化されたオプション設定の“パフォーマンス・サスペンション”付き車両が供された。
潤滑系統のドライサンプ化や吸排気系全般など、すでにAMG各車に搭載されるベース・ユニットに対して「120点以上のパーツに手を加えた」というエンジンが放つパワフルさは痛快そのもの。
アルミスペースフレーム方式ボディを骨格構造に用いた車両重量は1.6トンと少々で、そこに最高571hpを発する心臓を搭載するのだから、パワーウェイトレシオはわずかに2.84kg/hp弱!
そもそも豪快だったサウンドがさらに鮮烈さを増している事も、その圧倒的な加速感に拍車を掛ける。「トルコン式の7速ATを用いるとスペース的に成立しない」という理由から採用されたゲトラグ社製の7速DCTは、前後重量配分を意識したトランスアクスルとしてリアにレイアウト。
変速動作自体は俊敏だが、微低速時にはクラッチワークに伴ってわずかなショックを発生させる場面も見受けられた。
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