BMW X3 xドライブ20dブルーパフォーマンス VS メルセデス・ベンツ Mクラス ML350ブルーテック4マチック JAIA試乗レポート/渡辺陽一郎(2/2)

BMW X3 xドライブ20dブルーパフォーマンス VS メルセデス・ベンツ Mクラス ML350ブルーテック4マチック JAIA試乗レポート/渡辺陽一郎
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BMWらしさを損なっていないX3、動力性能に余裕を持たせたMクラス

BMW X3 xドライブ20dブルーパフォーマンスBMW X3 xドライブ20dブルーパフォーマンス

動力性能は、X3が搭載するのは前述のように2リッターのクリーンディーゼルターボ。最高出力は184馬力(4000回転)、最大トルクは38.7kg-m(1750~2750回転)になり、3シリーズの「320dブルーパフォーマンス」と同じ数値だ。X3は4WDを搭載したSUVだから、車両重量は3シリーズよりも300kgほど増えて1840kgに達するが、力不足はまったく感じない。最大トルクの数値はV型6気筒の4リッターガソリンエンジン並みで、常用回転域になる2000~2500回転付近に余裕を持たせた。

ディーゼル特有のノイズは相応に響く。このあたりは好み次第。かつてのディーゼルに親しんだユーザーなら、実用回転域の余裕のある駆動力と相まって納得できるだろう。逆にディーゼルに不慣れなユーザーは違和感を抱くかも知れない。

メルセデス・ベンツ Mクラス ML350ブルーテック4マチックメルセデス・ベンツ Mクラス ML350ブルーテック4マチック

対するMクラスは、X3と同じクリーンディーゼルターボでもV型6気筒の3リッターになる。最高出力は258馬力(3600回転)、最大トルクは63.2kg-m(1600~2400回転)に達し、後者の数値はV型8気筒の5.5リッターガソリンエンジンにツインターボを加えたML63 AMGの71.4kg-mに迫る勢いだ。発進加速は巧みに制御されて唐突に飛び出す印象は受けないが、巡航中の余裕はタップリ。V型6気筒とあって回転感覚も相応に滑らか。ボディサイズと同様、動力性能もX3に比べて余裕を持たせた。

もっとも、試乗したML350ブルーテック4マチックはAMGスポーツパッケージなどの装着により、車両重量が2350kgに達する。高重心と相まってボディの重さを意識させた。19インチタイヤの装着で乗り心地は硬めだが、重量級のボディを支えるには、この足まわりの方がバランスは良さそうだ。

その点、X3 xドライブ20dブルーパフォーマンスは、車両重量が前述のように1840kg。3シリーズほど軽快ではなく、運転操作の結果が几帳面に挙動へ反映されることはないが、BMWらしさは損なっていない。

SUVとしての豪快さをとるならMクラス、街中での取りまわし性ならX3

メルセデス・ベンツ Mクラス ML350ブルーテック4マチック

車両価格はオプションを除いた金額だとBMW X3 xドライブ20dブルーパフォーマンスが564万円。メルセデス・ベンツML350ブルーテック4マチックが790万円。

両車ともに横滑り防止装置や各種のエアバッグはもちろん、滑りやすい傾斜路面を安定して走れる機能などを備える。カーナビなども標準装着とした。エンジンの排気量や動力性能、ボディサイズの違いなどを踏まえれば、価格はいずれも妥当だろう。

JC08モード燃費はX3が18.6km/L、Mクラスは12.5km/L。クリーンディーゼルとあって、購入時に納める自動車取得税と同重量税は免税になる。

結論をいえば、MクラスはアメリカのSUVに比べるとルーズな印象を抑えた本格的なLサイズモデル。メルセデス・ベンツである以上にSUVらしさが強く表現されている。

BMW X3 xドライブ20dブルーパフォーマンス

対するX3は少し重心の高い3シリーズという印象で、BMWのブランドを感じさせる。造り込みの仕方としては、アウディらしさが明確なQ3に近い。

良し悪しは別にして、最近のメルセデス・ベンツはトヨタ的というか、商品の性格が幅広くなった。先般登場したAクラスも、EクラスやCクラスに通じる重厚感は乏しい。その代わり安く提供され、「価格の割に良くできた5ドアハッチバック」と思わせる。

SUVを含めて両ブランドの車種構成を全体的にとらえると、BMWは後輪駆動のレイアウトを中核に、運転感覚においてもブランドの統一性を感じさせる。対するメルセデス・ベンツは、高級車としての持ち味をもはや硬直化ととらえ、多角的な商品戦略を取っているようだ。日本のクルマ好きとしてはBMWのような頑固な生き方に好感を持つが、統一されている分だけ危うさもあり、メーカーの姿勢としては一概に優劣は付けられない。

SUVとしての豪快さ、大胆な運転感覚を求めるならMクラス。街中での取りまわし性にも配慮されたBMW3シリーズの走りに、雪道での安心感、見晴らしの良さなどを加えたいならX3だろう。個性に応じて選び分けたい。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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