メルセデス・ベンツ Eクラス セダン 試乗レポート

メルセデス・ベンツ Eクラス セダン 試乗レポート
フロントスタイリング リアスタイリング インパネ トランクルーム シートアレンジ リアウィンドウシェード エンジン 試乗 シート 試乗 画像ギャラリーはこちら

セダンの本流をリードしてきた、メルセデスのハイラグジュアリーセダンがフルモデルチェンジ。

フロントスタイリングリアスタイリング

見た目的には“キープコンセプト”。が、内容的にはあらゆる面で大きな進化を遂げている――そう紹介できるのが、このほど日本にも上陸を果した新型メルセデスベンツEクラスだ。全長は従来型と同一ながら、全幅、全高、そしてホイールベースはそれぞれ20mmづつ拡大。上にSクラスが存在しているために、「ミディアムサイズのメルセデス」と受け取る人も少なくないが、実は国産高級サルーンの代表であるトヨタ・セルシオと比較してみると、全長こそ75mm短いものの全幅はほとんど同じ。すなわち、日本でのパーソナルユースにあたっては、日常的に抵抗なく使えるほぼ上限サイズの持ち主がこのクルマといっていいだろう。

日本に導入されるのは、3種のガソリンエンジンに5速ATを組み合わせたモデル。ここに紹介の『E240』は、2.6Lの177psSOHCユニットを搭載する。

Eクラスセダン独自の個性を正統進化。高級国産車と同等の装備や収納も身につけた。

トランクルームシートアレンジ

新型Eクラスのエクステリア・デザインは、遠目には一瞬従来型と識別が難しいほどにコンサバティブだ。Cクラス/Sクラスが採用している“ひょうたん型ヘッドライト”を用いなかったのは、「モデルレンジ間で見分けがつかない」という不満を避けるためだろう。さすがに、ボディサイズが大きく異なる“C”と “S”となれば、それを見間違える人は少ないはずだ。

とはいっても、デザインが進化を止めてしまったわけではもちろんない。それが証拠に、もともと優れていた空気抵抗係数はさらに3%向上。インテリア各部の質感も、誰もが「さすがはメルセデス」と納得のできる水準に達している。トランクルームはそもそもが広大な上に、さらにリアシートにトランクスルー機能をプラス。荷物の積載能力はちょっとしたワゴン車並だ。日本ではベーシックグレードとなるE240ではあるが、それでもDVDナビゲーション・システムやフロントパワーシート、リア電動式ブラインドや自動防眩ルーム&ドアミラーなど、事実上は“フル装備”と呼ぶに足る状態にあることもつけ加えておこう。

全面的に新開発したボディと新設計のサスペンションが高次元の走行フィールを味わわせてくれる。

リアウィンドウシェードエンジン

日本のEクラスの中では最も“ローパワー”なE240。その加速の能力を心配する向きもあるかも知れないが、「そんな心配はまったく杞憂に終わる」と、ここでハッキリ評しておこう。

確かに、その加速感は「抜群にパワフル!」と驚嘆するほどではない。が、それでは実用面で不足を感じるシーンがどれだけあるかというと、そうした印象はほとんどないのが現実だ。エンジンの回転フィールは、十分に滑らか。エンジン音はそれなりに耳に届くものの音質的に嫌味な感触がないため、より強い加速力が必要となれば躊躇することなくアクセルペダルを踏んで行く気になれる。時としてシフトショックがやや大きめなのは今後の要改善点だが絶対的な速さは不満なし。走り出しの瞬間から極上の乗り心地や、ほとんど50:50の優れた前後重量配分を実感させるコーナリング・フィールなど、E240のダイナミクス性能は総合的に極めて高いと報告する事ができる。

ライバル車に差をつけるしなやかな乗り心地は、スポーティ路線を目指した結果だ。

インパネシート

E240の価格は、もちろん決して安いものではない。こうした金額を支払うとすれば、日本車では4.3LのV8エンジン車、輸入車でも実にさまざまな車種の選択が可能になる。

けれども、E240を手に入れた人の心からは、乗り込むほどに「高い買い物だった」という思いは薄れて行くだろう。それは、高速走行時の比類なき安定感や、際立ったボディの剛性感が生み出す安心感が、やはり「ならではのもの」だからだ。

最も直接的なライバルと考えられるのはBMWの525i。正直なところ、直列6気筒という今や世界でも特異なレイアウトが生み出すこのクルマのパワーフィールは、その官能度の点でE240を凌いでいると思う。が、乗り心地のしなやかさという点ではメルセデスが上。メルセデスがよりスポーティな路線を目指したことで、この両者は以前よりもさらに激しい接近戦を演じることになった印象が強い。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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