メルセデス・ベンツ 新型 GL550 4MATIC 試乗レポート/金子浩久(2/2)

メルセデス・ベンツ 新型 GL550 4MATIC 試乗レポート/金子浩久
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本格的なオフロード4WDシステムも搭載

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新型GLクラスの走行モードは、「Auto」「Comfort」「Sport」の3つがあり、悪路を走行する時のために車高を75mm上げることもできる。

「Sport」で走っても船のような当りのマイルドさは変わらないが、上下動の幅だけが確実に狭まっていく。右に左にコーナーが連続するようなところをペースを上げて走るような時には、ユラ~リユラ~リがユラッユラッと周期が短くなるので走りやすいだろう。

今回はその実力のほどを試す機会がなかったが、GL 550 4MATICは本格的なオフロード4WDシステムを備えている。

アプローチアングル約33度、渡河深度最大600mmと静的に大きなロードクリアランスを確保し、センターデフによってエンジントルクを50%対50%の割合で配分している。

メルセデス・ベンツ GL550 4MATIC

オプション設定されている「ON&OFFROADパッケージ」を装着すれば、6つの走行モードを選ぶことができる。ランドローバー各車の「テレインレスポンス」と同じ考え方のものだが、こちらには「Auto」「Offroad1」「Offroad2」「Sport」「Snow」「Trailer」が用意されている。路面状況に合わせ、ESPやトランスミッション、サスペンション、エンジン、ステアリングなどの特性を統合的に制御している。

昔のオフロード4輪駆動車だったら、悪路を走破するためにはドライバーは路面状況に合わせた加減速とステアリング操作に熟練しなければならなかったが、こうしたデバイスによって、ほぼクルマ任せで走り切ることができるようになった。すべては電子制御の飛躍的な発展による。

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キング・オブ・メルセデスSUV

メルセデス・ベンツ GL550 4MATIC

「ON&OFFROADパッケージ」にあって「テレインレスポンス」にないのは「Trailer」モードだ。トレーラーを牽引する時のモードだが、日本国内ではメルセデス・ベンツ日本がトレーラーヒッチをアクセサリーとして販売していないために「使用することができません」とカタログに書いてあるのは残念だ。

マーケットでライバルとなるランドローバー「レンジローバー」との違いはいくつかあるが、大きなものではGL550 4MATICは3列目のシートを備えていることだろう。レンジローバーは2列だ。

GL550 4MATICの2列目の空間はとても広大だ。サンルーフとグラスルーフも大きいから、2列目の乗員は寛げることだろう。

メルセデス・ベンツ GL550 4MATIC

3列目へのアクセスは簡単だ。2列目シート左右の背もたれ上部にあるスイッチを押すだけでシート全体が電動で持ち上がる。3列目も必要がなければフロアに電動で格納できる。

2列目シートがガッタンと電動で引き起こされるのは大きなカラクリ細工を見ているようだが、元に戻すには手で倒さなければならないのが惜しい。壊れているのかと訝ったくらい、ものスゴく力を込めないと戻ってくれないのだ。メルセデス・ベンツらしくなく画竜点睛を欠いている。

とはいえ、前述した圧倒的なエンジントルクと洗練されたトランスミッション、とろけるように滑らかな乗り心地の組み合わせはこのクルマならではのものだ。他のクルマでは到達し得ない境地に達している。まさに、キング・オブ・メルセデスSUVだ。一年中、大人数で遠くにスキーやキャンプに出掛けるようなライフスタイルを送っている人にピッタリの一台だ。

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メルセデス・ベンツ 新型 GL550 4MATIC 主要諸元

メルセデス・ベンツ GL550 4MATIC

全長x全幅x全高:5125x1935x1850mm/ホイールベース:3075mm/駆動方式:四輪駆動(4WD)/ステアリング:左/車両重量:2500kg/定員:7名/エンジンタイプ:4.7リッター DOHC V型8気筒 ツインターボチャージャー付/最高出力:435ps(320kW)/5250rm/最大トルク:71.4kg-m(700N・m)/1800rpm/トランスミッション:電子制御7速A/T/全国希望小売価格:1,290万円[消費税込み]

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金子 浩久
筆者金子 浩久

モータリングライター 1961年東京生まれ。 自動車と自動車に関わる人間について執筆活動を行う。主な著書に、『10年10万キロストーリー』(1~4)、『セナと日本人』、『地球自動車旅行』、『ニッポン・ミニ・ストーリー』、『レクサスのジレンマ』、『力説自動車』など。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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