“美しさの境地”に到達したメルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペに試乗

  • 筆者: 大谷 達也
  • カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
“美しさの境地”に到達したメルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペに試乗
メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ(試乗ドライバー:大谷達也氏) メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペとモータージャーナリストの大谷達也氏 メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC 画像ギャラリーはこちら

“優雅な美しさ”を代々継承してきたメルセデス・ベンツ Eクラスクーペ

メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペとモータージャーナリストの大谷達也氏メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC

およそ50年の歴史を有する“メルセデス・ベンツ Eクラス クーペ”に代々受け継がれてきたもの、それはスタイリングの優雅な美しさだと思う。

ボディを真横から見たとき、Aピラー上端から始まるサイドウィンドウのラインは、後ろにいくに従って芸術的ともいえる曲線を辿って下降し、まるで水平線に沈んでいく夕陽のような自然さでサイドウィンドウの下側を流れるラインに吸い込まれていく。

その、どこにも無理のないひとつながりの曲線は、高名な画家が描くひと筆書きの作品にも似た高貴さと息を呑む美しさが同居している。最新のEクラス・クーペにも、それとまったく同じ芸術性が備わっている。いや、美しさの新たな境地に到達したといってもいいくらいだ。

そのポイントは、サイドウィンドウを左右に長く伸ばすとともに天地方向にも厚みのあるデザインとすることで、まるで4ドア・ハードトップのような開放感と、ルーフやCピラーがごく薄く見える繊細さを生み出したことにあると思う。

これまでと異なるデザインを持つ、新型Eクラスクーペ

メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATICメルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATIC

実は新型Eクラス・クーペには、これ以外にも最近のメルセデスと大きく異なるデザイン上の特徴がある。

それは、これまで上下2本の組み合わせとされてきたボディサイドのキャラクターライン(ボディパネルを鋭く折り曲げて作った装飾的なラインのこと)のうち、上側の1本が省略されて下側1本だけとしたこと。

そして、従来は上側のキャラクターラインがあったショルダー部分をなだらかな曲面で構成として微妙で繊細な陰影を生み出し、なんともいえないふくよかさと優しさを表現した点にある。

ちなみに、ゴードン・ワーグナーがチーフデザイナーに就任して以降のメルセデス・デザインは、キャラクターラインを2本設けるという厳格なルールが存在していたが、新型Eクラス・クーペ以降はこの規則がやや緩和されるらしく、Eクラス・クーペとは反対に上側だけにキャラクターラインを描いたモデルなど、様々なバリエーションが登場すると見られている。

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新型Eクラスクーペの日本導入モデルは

メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E300

2017年春にヨーロッパで発売された新型Eクラス・クーペは、E220d/E200/E300/E400 4MATICの4モデル。

E220dは4気筒2.0リッターディーゼルで、E200とE300はどちらも4気筒2.0リッターガソリンエンジンを積むものの、E300はE200より60ps近くも最高出力が大きいハイパワーバージョン。

これら3モデルはいずれも後輪を駆動するのに対して、V6 3.0リッターガソリン・エンジンを積むE400 4MATICだけは4輪駆動となる。なお、ギアボックスはいずれも9速ATの9G-TRONIC。

2017年中頃と予想される日本導入時には、E300とE400 4MATICの2モデルがラインナップされるという。ちなみに日本仕様のE400 4MATICは、本国ではオプションのエアサスペンションが標準装備となる見通しだ(E300は金属バネ式サスペンションの公算が大)。

E300/E400 4MATICのエアサスペンション装着車を主に試乗

メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ(試乗ドライバー:大谷達也氏)

スペイン・バルセロナが舞台の国際試乗会では、E300が全車オプションのエアサスペンションだったほか、E400 4MATICも大半がエアサスペンションを装着していたので、ここではエアサスペンション・モデルの印象を中心にリポートしよう。

エアサスペンション装備で日本導入済みのE400セダンもまったく同じだったけれど、Eクラス・クーペの乗り心地は往年のメルセデスを彷彿とさせるどっしりとしたもので、路面からの微振動を見事にシャットアウトしてくれて快適だった。

“ダイナミックセレクト”の見事なセッティング

メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E300

とりわけダイナミックセレクトのコンフォートを選ぶと、タイヤにドンッという衝撃が加わってもサスペンションが巧みにこれを吸収。フラットな姿勢を崩さないままボディを一度ふわっと上下に動かして、そこからもとの状態にすっと戻るという、実に優雅な身のこなしを見せてくれる。

もちろん、サスペンションをハードなスポーツ、さらにその上のスポーツ+と切り替えていけば、前述したようなフンワリ感は消え去ってシャキッとした印象の足回りに生まれ変わる。それでいてゴツゴツしたところが少ないのだから、なかなか見事なセッティングだと思う。

過去のメルセデスのイメージとは異なるハンドリングを楽しめる

メルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E400 4MATICメルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペ E300

そんな快適性の高い足回りながら、ハンドリングにも妥協が見られないのが嬉しいところ。

メルセデスといえば、昔はちょっとハンドルを切ったくらいでは反応しないおっとりとしたセッティングが“リラックス派ドライバー”には好評だったけれど、いまではコンピューター制御の高度な運転支援装置が装備されたこともあって、ハンドルを操作した初期の反応をダルにせずにドライバーのエラーを救える安全性を確保。おかげで切り始めから的確に反応する小気味いいハンドリングとなった。

エンジンはE300で十分にパワフル。E400 4MATICだったらさらに余裕の走りが楽しめる。どちらも低速域から力強く、しかもターボエンジンとしてはアクセルを踏んでからパワーが立ち上がるまでの遅れが比較的少ないので、走りやすさは文句なし。

ただし、E300は4気筒ゆえの軽い振動を感じることもあったので、Eクラス・クーペの豪華な雰囲気を満喫したいならE400 4MATICのほうがお勧めといえるだろう。

[TEXT:大谷達也]

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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