メルセデス・ベンツ新型Eクラス(W213)、先進技術満載で夏ごろ日本導入!新しい価値はEクラスから始まる(2/3)
- 筆者: 清水 和夫
- カメラマン:ダイムラーAG
新ディーゼルは実走行における燃費とエミッションにフォーカス
衝突安全ではスモールオフセットとオブリーク(Oblique Impact=斜め前方からバリアを衝突させる新基準)にも対応している。また、キャビン内に目を向けると、いろいろな技術が搭載されている。
後席はSクラスで採用したエアベルトが装備され、衝突時に高齢者の胸部負荷を低減することが可能だ。ユニークなのは「Side Impulse Raises Occupant Protection」だ。
ミリ波レーダーを使って側面衝突の事故を検知し、ぶつかる直前に、シートのサイドサポートに仕込まれたエアチャンバー(500kPaの圧縮空気)を膨らませて、乗員をクルマの中央に向かって押し出すシステムになっている。
このシステムのおかげで、乗員の胸部への衝撃が約30%も緩和されるという(ダミー人形試算)。側面衝突は死亡重傷のリスクが高いので、乗員の命を守るには有効なデバイスだろう。
スマホ世代も受け入れやすいデジタル化液晶モニター
20年位前に助手席に座っていて大きな事故に遭遇したが、そのときはW210型Eクラスのサイドエアバッグのおかげで命拾いした。だからこそ、新型Eクラスの「Side Impulse Raises Occupant Protection」は実感をもってありがたい技術だと思った。
インテリアも新しいデザインだ。特にコクピットはスマホ世代にも受け入れやすいデジタル化された液晶モニターが主役。運転中のドライバーが戸惑わないように、直感的に情報にアクセスでき、理解できるHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)が行き渡っている。
「自動車作りは人間研究」という哲学がハイテク時代にも生かされている。
今回の試乗会では新しいエンジンとして従来の2.2リッターに代わる2リッターディーゼルが登場した。どこが新しいかというと、リアルワールド(実走行)における燃費とエミッションにフォーカスしていること。
もはや規制のモードで優れた性能を作るのではなく、実走行でクリーンかつ効率のよいディーゼルを開発した。つまり新ディーゼルは従来の2.2とは全く異なるコンセプトで開発されているのである。これは非常に興味深いことだ。
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