メルセデス・ベンツ 新型Bクラス 試乗レポート／小沢コージ(2/2)

新型Bクラスの完成度の高さに“大ブレイク”の予感も・・・！？

新型Bクラス、コイツはハッキリ言って“よりエコに、より上質に”シフトされた。

エンジンは、新開発の直噴1.6リッター直4ダウンサイジングターボ。「B180」は先代Bクラスの1.7リッターに比べ、パワーで5kW、トルクで45Nmも向上。結果、最高出力は122psと無難だが、最大トルクは20.4kgmと中々。しかも1,250rpmという低回転から発揮する。

ギアボックスは、海外じゃ好まれないCVTの代わりにトレンディな7G-DCT（7速デュアルクラッチミッション）を搭載しているが、これが非常に滑らかなのだ。

車重は1.5トン弱なこともあってか、発進の力強さは薄めで個人的には物足りなかったが、乗り心地は上質で静か。これは、ダイレクト感を優先するVW系とは明らかに異なる。

それと、新型Bクラスにおけるもうひとつのトピックは「燃費」だろう。

カタログスペックで「16.0km/L（JC08モード）」を記録。実際のメーター計測でも、東名の御殿場インターから裾野インターまで往復したところ、わずか20kmではあるが制限速度内で16km/L台を記録した。ピカイチでもないが、悪くもない。時代の潮流だ。

さらに、乗り心地。厳密には当然、CクラスやEクラスには負ける。

だが、新型Bクラスは確実に“メルセデステイスト”であり、乗った瞬間からそれが分かるのだ。ステアリングはとにかく軽く、滑らかで、至極。それでいて見事な正確性があり、それが街中から高速まで続く。不安はない。

乗り心地もメルセデスらしく、硬めかつフラット。厳密には若干バタツキが残るが、特に17インチか18インチタイヤを履く上級グレードの「スポーツ」になると抑えられる。

さらに侮れないのが前述「CPA」のほか「アテンションアシスト」や「ディストロニックプラス」等の先進安全機能と、意外にもシートアレンジだ。

各パッケージオプションに含まれる「イージーバリオプラス」を付けると、ラゲッジの床が倒したシートとツライチになったり、逆に深くなったりするだけでなく、リアシートが前にスライドして、標準で486Lのラゲッジ容量が666Lに広がる。

てなわけで、個人的には唯一、力強さを除くとこれで十分と感じた新型Bクラス。

ぶっちゃけEクラスとかいらないかもしれない・・・なんて言い過ぎかもしれないが（笑）とにかく格好良さ・上質さに走行性能、安全性能、エコ、ついでに使い勝手と、いわゆる一般的な日本人がメルセデスに望むであろう、そのほとんどが新型Bクラスには詰まっているのだ。

 価格は299万円から。ハッキリ言って400万円ぐらいでもおかしく無い充実度である。しかも今回は、エコカー補助金＆減税がガソリン車としてほぼフルで受けられ、約25万円ものメリットがある。

ってなわけで、今回は「上から降りてきたメルセデス」ではなく「大衆から始まるメルセデス」。おそらくベンツも勝負すべき時なのだ。

ヘタすると・・・いや！ヘタしなくても、これは日本で大ブレイクするかもしれない！