メルセデス・ベンツ 新型Aクラス 試乗レポート/小沢コージ(2/2)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
穏やかなエンジンだが、スポーティな走りと乗り心地の硬さは明らかにBクラスと異なる
肝心の走りだが、とにかくスポーティの一言。今回スロバキアの公道で乗ったのはピークパワー211hp、ピークトルク350Nmを発揮する新型直噴2リッター直4ターボエンジン搭載の「A250ブルーエフィシェンシー 」。
ギアボックスはメルセデス独自の最新型デュアルクラッチの7G-DCTで、プラットフォームとエンジンとギアボックスは基本Bクラスと共通だが、テイストまで同じと思ったら大間違い。ちなみに「A250ブルーエフィシェンシー」の欧州燃費は6.1L/100kmとパフォーマンスを考えるまでもなく驚くほど良好。
随分と低くなった運転席に乗り込み、アクセルをひと踏みしたとたんに感じるのはソリッドかつ上質なステアリングフィール。ガッチリした剛性感はもちろん、路面からのインフォメーションも適切で、とてもFF車とは思えないレベル。おそらくFRの1シリーズは徹底的に研究したに違いない。
そしてエンジンだが、フィーリング的にはトルク感薄め。スペック的にはトルクはBMW120iと同等で、パワー&トルクの両方でゴルフ・コンフォートラインより上だが、感覚的には穏やか。もしかすると上質感重視の設定がなされたからかもしれない。
一方、乗り心地は思っていたよりも硬め。特に凹凸路面を走った時の入力は大きめで、音も大きい。だが、タイヤの仕様が違う、AMGモデルだと気にならなくなってくるので、ここは日本導入時に再評価したいと思う。
最後に忘れちゃいけないのは装備の充実度だ。日本仕様にどこまで入ってくるかわからないが、風の巻き込み音により自動で開閉度を調整できる「パノラミック・スライディング・サンルーフ」や、ハイテク安全デバイスの「コリジョン・プリベンション・アシスト」や「アテンション・アシスト」「プレセーフ」や「レーン・キーピング・アシスト」を装備。基本Eクラス等に備わっているハイテクデバイスを大部分持ってこれるようで、さらに日本導入が可能かは未知数だが自分のiPhone画面をそのまま表示できる「ドライブキットプラスfor the iPhone」も印象的。
とにかくメルセデスの持てる機能はてんこ盛りと言った感じのAクラス。なりふり構わずにトップを取りに来た姿勢を感じた次第であります!
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