マツダ ロードスター 歴代モデル(NA・NB・NC型)試乗レポート/嶋田智之(2/5)

マツダ ロードスター 歴代モデル(NA・NB・NC型)試乗レポート/嶋田智之
(奥から)2代目・初代・3代目 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] (左から)2代目マツダ ロードスター/初代 ユーノス ロードスター/3代目(現行型)マツダ ロードスター 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] 【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997] 画像ギャラリーはこちら

すべての文化は「ユーノス」ロードスターから始まった[NA型:1989~1997]

【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]

そのロードスターらしさというのは、1989年にデビューを果たした初代「ユーノス」ロードスター、つまりNA型の時点でほぼ確立された。ロードスターの登場はそれほどまでに衝撃的だったのだ。

1960年代辺りのライトウエイトスポーツカー華やかなりし頃だったなら話は違ったかも知れないが、時代の流れとともにそのカテゴリーが完全に死に絶えようとしていたときに現れたロードスターは、クルマというのはどんなに楽しいものなのか、クルマで走ることがどれだけ気持ちいいものなのか、自分が心の奥底で本当はどういう種類のクルマを欲していたのかということを、世界中の人々に思い出させた。原体験がない者には、スポーツカーの楽しさというのはどういうものなのかを植え付けた。

【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]

「だれもが、しあわせになる」絶妙さ

【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]

持て余さない適度なサイズ。いつでもスッと乗って出られる気安さ。オープンエア・モータリング。使い切れることが前提のパワー。スニーカーに履き替えたみたいな軽やかさ。羽が生えたかのようなヒラヒラとしたフィール。どこまでもコントロールを許してくれそうな人車一体感。

ゆるい気持ちで走れば安穏と心地好く、タイトに攻めたらシャープにエキサイティングに。あらゆる場面でドライバーを存分に楽しませる術を心得ている。しかも華やかなりし頃のライトウエイトスポーツカーと違って維持に余計な神経を使う必要はなく、そしてこれはもっとも大切なことなのだが、価格の上でも頑張れば手が届くところでニコニコ笑って待っててくれるような身近さだ。何せカタログの最初のページに「だれもが、しあわせになる」と刻まれていたのだ。

それが初代ロードスターであり、それらを構成している要素が綺麗なバランスを描いているものを、僕らは“ロードスターらしさ”と呼べるものであるように考えている。どこかが極端に突出したり、どこかが大きくドロップしていると、きっと「ちょっと違くね?」とでも言いたくなるんじゃないかと思えるほどの絶妙なバランス。

やっぱスポーツカーはこうじゃなきゃ!

【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]

久しぶりに走らせたNA型ロードスターは、やっぱりとてもしっくり来た。25年前に初めて乗ったときの「コレだよコレ!」みたいな膝を叩きたくなる気分が瞬時に湧き上がってきた。

軽いな、と思う。車重そのものがというよりも、クルマ全体の動きが。それに気分が。とても軽やかだけど変に軽々しいわけではなく、すべてが“快”の範疇にある。だから、常に気持ちいい。

アクセルを踏んでエンジンの吹かしたときのレスポンスも、スタートして加速していくときの様子も、シフトレバーをスナップの返しでコクッと短く動かすときの感触も、ブレーキを踏んで減速したときのノーズの沈み込み方も、ステアリングをきったときの鼻先の動きも、横Gとランデヴーしてわずかに姿勢を斜めにするときの反応も、全てがちょうどよく気持ちよく軽やかなのだ。スポーツカーはこうじゃなきゃ!

【初代】ユーノス ロードスター[1989-1997]

NA型は当初、1.6リッターからスタートして、途中から1.8リッターになった。1.8リッターの方が10ps高いけど、40kgくらい重い。今回の試乗車はオヤジ心を刺激する渋いVスペシャルで、1.6リッター120psのモデルだった。

加速に目覚ましい速さがあるわけじゃないけど、でも充分だ。レースをするわけでもなし、そのスピードは現在のレベルにあてはめて本気でガッカリするようなものじゃないし、何より爽快だ。その気持ちよさを超えるクルマは、今、新車で買える日本車の中にだってそうはない。25年も前に生まれたくせに、NA型は今も第一級のスポーツカーとして通用するのだ。

[2代目マツダ ロードスター 試乗レポートは次ページへ続く]

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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