マツダ RX-8 試乗レポート

  • 筆者: 森 慶太
  • カメラマン:難波賢二
マツダ RX-8 試乗レポート
ステアリング エンジン フロントシート リアシート サイド(ドアオープン状態) テールランプ 試乗 画像ギャラリーはこちら

ルーツは(次期型)RX-7

ステアリングエンジン

RX-8のルーツは、次期RX-7として試作され95年の東京モーターショーに参考出品されたRX-01にある。FRスポーツカーの理想体型をつきつめた RX-01のホイールベースを355mm長くし(考えかたとしては後輪を355mm後ろへ移動させて、)拡がった空間に大人2人が快適に座って過ごせる後席を設けたのがRX-8だ。

「実質2人乗りのクルマでは数が出ない」というマツダの、あるいは親会社フォードの判断がそこにはあった。排ガス対策その他もちゃんとした、21世紀に堂々と売ることのできる新世代REをモノにしたこと、および観音開きの4ドア・4シーター・スポーツカーという新しいカタチの価値を提案したことで、このクルマはGOサインを得ることができた。

ちなみに本当の次期RX-7は、ぶっちゃけた話RX-8が商業的に成功すれば予算がおりてGOが出る。車体的には、いってみればいったん長くしたホイールベースを再び縮めるだけのことだから、その意味ではすぐ作れる。

ヘタなセダンより快適な後席

フロントシートリアシート

RX-8のコクピット環境はかなり素晴らしい。運転姿勢はほぼ理想的に(そして即座にスッと)決まるし、ボンネットの見えかたやAピラーの位置や角度やダッシュボードの全体形もいい。いい姿勢で座れて車両感覚の把握も容易だから、クルマとドライバーの一体感がきわめて高い。

後席の居心地もマジで快適。シートの掛け心地も座る姿勢もいいし、キュッとタイトな空間にハマりこむようにして収まる感じには独特の気持ちよさがある。冗談抜き、後席の居心地がこれより劣るセダンは少なくない。

こういうクルマはかつてなかった。少なくとも、私が知るかぎりでは。商売を考えてピュア・スポーツカー(RX-01)をフル4シーターに改造してしまったのはその言葉の額面からすると相当ムチャな行為に聞こえるけれど、出来上がったモノはめちゃくちゃマトモ。4人家族の一家に1台の実用車として、これならなんとか通用すると思う。

走るとさらに気持ちイイ

サイド(ドアオープン状態)テールランプ

RX-8の走りの気持ちよさを味わううえで、いわゆるゲンカイ系のドライブをする必要は別にない(やってもいいけど)。信号の四つ角をゆっくりスルッと曲がるだけでも、持ち前の重量バランスのよさを感じることができる。これ、マジで相当に気持ちいい。その気持ちよさがハンドルの特性その他枝葉の部分で演出したものでは全然ない、というところがやはり大きい。つまり、素性がいい。その素性のよさをジャマものなしに味わえる。

ホイールベース2700mmもあって大丈夫かよと思ったけれど、おかげでドライバーが前後輪のちょうど真ん中あたりに座ることができてこれがまたサイコー。いわゆるピッチングに対してはそのちょうど節のところに座っているから乗り心地的に有利だし、またヨーイング(曲がる動き)に対してもドライバーの位置はその中心点のほぼ真上。ヘンな話、ホイールベース2450mmとかのピュア・スポーツカー体型では味わえない気持ちよさがある。

気分的には10点あげたい!

世のインプレ記事で語られがちな文脈における操縦性だの安定性だのは、簡単な話いずれもいい。実用域のトルク特性もふくめ「よく頑張ったな」と思えるエンジンが、その意味ではもの足りなくなるくらいシャシー性能は高い。18インチということで当初快適性が心配だったけれど、そこもまったくOKだった。

250psは実用域のドライバビリティにある程度目をつぶってムリして出したピーク値かと思ったけれど、それも違った。210ps仕様と較べて、その側面での弊害はほぼゼロ。むしろ、ATに適合させるためにあえて回転上限を下げた仕様=210psを用意したカタチだ。

オススメは6MTつまり250psの仕様。街中でスムーズに転がせるというATの利点はロータリーの場合(実はことに)大きいのだけれど、RX-8の場合そのATのデキのレベルがクルマ全体のなかでハッキリ低い。あってもいいけど。

気分的にはこれ10点満点中10点です。立ち上がって拍手したい。よくぞ作った! マツダ、エラい!

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筆者森 慶太
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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