マツダ MPV 新型車解説

  • 筆者:
  • カメラマン:島村栄二
マツダ MPV 新型車解説
フロントスタイリング リアスタイリング フロントビュー リアビュー サイドビュー ダッシュボード フロントシート リアシート 3列目シート 両側スライドドア ラゲッジ 画像ギャラリーはこちら

大人ミニバンの新境地へ

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3代目MPVのマイナーチェンジである。MPVは、2006年に「スポーツカーの発想でミニバンを変える」という独創的なキャッチコピーの下で誕生し、今回2年目にして初のお色直しが施された。

激化するミニバン市場の中、売り上げと共に高い評価を得たMPVは、「Sporty&dynamics」というテーマで、マツダミニバンのフラッグシップに君臨。そこからの更なる進化を念頭に、ラグジュアリー性を強化し、大人に相応しいミニバンが開発された。

マイナーチェンジを受けた新型MPVは、「洗練されたスタイリング」、「ドライビングダイナミクス」、「ファーストクラスのパッケージング」の3要素を巧みに具現化した、3代目MPVのDNAを引き継いだ。これにより、更なるアグレッシブさと、ラグジュアリーさを兼ね備えた。

大幅なボディ形状の変更は行われていないが、ミニバンならではの、空間フレキシビリティを持ちながら、スポーティで洗練された革新的なプロポーションを実現。広さだけではなく、大人の上質なスポーティドライブをサポートする開放感のあるキャビンを提供している。

マイナーチェンジに伴い、新型MPVはグレード変更が行われた。従来の23Fを廃止し、新たに23Sを追加。23Sと23Tにはそれぞれ、ハイエンドグレードのL Packageを設定し、新規ラインナップ構成で提供する。

“Nagare”を意識したデザイン展開

ヘッドライト

新型MPVのデザインは、エクステリア・インテリア共に、マツダの新しいデザインテーマである“Nagare”をモチーフに、アクセント的なデザインが各部にあしらわれている。「+Aggressive、+Luxury」を追求したというデザインは、よりマツダらしさ、MPVらしさを際立たせた。

エクステリアデザインは、Aピラーの付け根からバンパーロア開口へと連続するラインで、大胆なフロントフェイスを表現。ベゼルをブラックとし、更にスポーティな顔を覗かすヘッドライトが、シャープでアグレッシブな印象を持たせている。

また、アッパーグリル、大きなロアグリル、新デザインのフォグランプを囲うエアインテーク、フォグランプベゼルには、惜しみなくクロームメッキを施しており、質の向上を感じさせてくれる。アッパーグリルに採用しているクロームメッキバーには、“Nagare”のモチーフを取り込んでおり、マツダエンブレムを中心とした女性的な柔らかなラインを創り出し、スマートさを魅せている。

リアビューもフロント同様に、リアコンビランプの内側からナンバープレート部へ、一連の流れを感じさせるデザインとすることで、安定感を表現している。そして、ナンバープレート周囲に施されたクロームメッキ処理や、レッドで統一したリアコンビランプのインナーレンズにより、上質感と艶っぽさを漂わせるリアビューを披露している。

さらに、新デザインの18インチアルミホイールも、好評の5本スポークタイプをベースに、“Nagare”のモチーフであるスムーズなラインで構成されている。ボディカラーは、新色5色を追加した全9色とし、バラエティー溢れるラインナップとなった。

テールランプフロントスタイリングリアスタイリングフロントビューリアビュー

MPVという名のファーストクラスへようこそ

ダッシュボード

インパネ周りは、基本的なデザインテーマを継承しつつ、ATシフトパネル、パワーウィンドウスイッチパネルに、新しいデザインパターンを施している。サンドベージュ内装のパネルには、パールを効かせたシックでスポーティな木目調へ、ブラック内装のパネルには、立体感のあるカーボン調のパターンに、やや赤みを持たせたスポーティテイストのパネルへ変更された。また、23Cはブラックメタリック塗装で高級感を演出している。

センターパネルにも、ATパネルシフト同様の加飾パネルを新採用し、よりワイドで上質に演出するために、ナビゲーションやオーディオとの一体感を感じさせるシルバー加飾を追加している。

室内空間では、サンドベージュ内装のシートをモノトーンデザインとしている。23T、23Sでは、シートバックに立体的な造形処理を加え、ホールド感を与えると共に、“Nagare”のモチーフを取り入れた光沢あるシート表皮を採用。ブラック内装では、エンボスによる光沢によって、ホールド感高いシートが、スポーティ・スピリットを感じさせてくれる。

L Packageには、サンドベージュ内装のクラストップレベルの本革シートを採用しており、滑り止め効果も備え、ファブリックシートと同等のサポート性能を確保。本革と木目調にコンビネーションされたステアリングと合わせて、ハイエンドグレードに相応しい室内空間を演出している。また、スーパーリラックスシート搭載で、横スライド方式を左右両席に採用。さらに、前後スライド量を80mm延長し、最大410mmのスライドという、日本人体型にも充分なゆとり空間を生み出した。最近のマツダ車の上質な空間作りが見てとれる。

フロントシートには、High/Low切り替えのシートヒーターを装備。運転席には8Wayパワーシートを採用している。また、通常機種ではオプション設定となるユーティリティパッケージ(スパーリラックスシート、アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム、nanoeイオン 空気清浄システム、オートライトシステム、レインセンサーワイパー、撥水機能)などを標準装備しているのも嬉しい。

3Dブラックアウトメーター両側スライドドアフロントシートリアシート3列目シート

進化したZoom-Zoomなハンドリングとは

MZR 2.3L DISIターボエンジン

新型MPVのエンジンは、MZR 2.3L DISI ターボエンジン 6AT(水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ 最高出力245PS 最大トルク35.7kg-m)と、MZR 2.3L エンジン(水冷直列4気筒DOHC16バルブ 最高出力163PS 最大トルク20.7kg-m)を設定。新採用の5速AT(アクティブマチック)を搭載したMZR 2.3Lエンジンは、パワフルな発進加速と軽快な乗り心地はもちろんのこと、最大トルクの発生回転数を、従来よりも低い3500rpmとして、高速走行時の静粛性と燃費を改善。燃費は12.2km/Lとし、日常のシティクルージングにも、うってつけの1台となっている。

また、従来のMPVから好評の高剛性ボディと、サスペンションを更に熟成している。トレーリングアームブラケット剛性アップにより、直進時の手応えを強化。さらにダンパーチューニングの見直しにより、ダイレクトなステアリング性能と安定性を両立している。また、ホイールハウスの剛性アップにより、フラットな乗り心地を強化し、ストラットマウントアッパーマウントチューニングにより、ロードノイズを低減している。

マイナーチェンジした新型MPV。各ディテール部のデザイン変更をはじめ、足回りや、インテリアの質感アップ、居住性の向上と、大人に相応しいミニバンに成長した。元気なマツダを象徴する注目必須のクルマとなりそうだ。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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