マツダ 新型デミオ vs トヨタ アクア どっちが買い!?徹底比較(2/2)

マツダ 新型デミオ vs トヨタ アクア どっちが買い!?徹底比較
マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア・フロント マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア・リア マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア・フロント マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア・リア マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア・サイド マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア・フロント マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリア 画像ギャラリーはこちら

マツダ 新型(4代目)デミオ vs トヨタ アクア -価格対決-

マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリアマツダ 新型 デミオ 1.3リッター ガソリンエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ダイナミックブルーマイカ/エクステリア・フロントフェイス

新型デミオは1.3リッターのノーマルガソリンエンジンと1.5リッターのクリーンディーゼルターボが用意されている。アクアは1.5リッターのハイブリッドのみだ。そしてアクアで売れ筋のSは、価格が「186万1715円」になる。

新型デミオの価格は、当記事を執筆している2014年7月18日時点では未定なのだが、1.3リッターモデルは買い得グレードを「135~145万円」に設定してくるだろう。この価格帯を超えてしまうと、販売面で不利になるからだ。逆に、装備が相応に充実した買い得グレードを120万円台に抑えるのは難しい。

となれば、新型デミオをアクアと比べるなら“ディーゼル”だ。アクア Sが約「186万円」、フィットハイブリッドFパッケージが約「177万円」だから、新型デミオのディーゼルも、15インチタイヤを履いた買い得グレードの価格は同等か、少し安い「169万円」くらいだろう。

ちなみにマツダの2.2リッターのディーゼルエンジン搭載車は、2.5リッターのガソリン車よりも装備差を補正して40万円くらい高いが、ツインターボを装着する。新型デミオのディーゼルはシングルターボだ。1.3リッターの価格を戦略的に安く抑えるとはいえ、ディーゼルも30万円くらいの価格上昇になりそう。となれば169万円という価格もアリ得る。

マツダ 新型(4代目)デミオ vs トヨタ アクア -動力性能対決-

マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/走行イメージ

次は、新型デミオとアクアの走行性能を比べてみよう。(※筆者はデミオプロトタイプへ既に試乗済み)

結論から言ってしまうと、動力性能は新型デミオのディーゼルが勝る。

6速ATの最大トルクは25.5kg-m(1500~2500回転)に達し、2.5リッターのガソリンエンジンに匹敵する性能になるからだ。1,200~1,300回転付近で駆動力が落ちるものの、総合的にいえば新型デミオのディーゼルが明らかにパワフルだ。

トヨタ アクア/走行イメージ

アクアは、エンジンとモーターの駆動力を合計したシステム最高出力は100馬力。車両重量が1080kgと軽く、コンパクトカーでは軽快に走るが、新型デミオの太い駆動力には見劣りする。ただし、アクアはガソリンエンジンだから高回転域の吹け上がりは自然な印象。ユーザーによっては、新型デミオのディーゼルより、アクアのハイブリッドの方が馴染みやすく感じることはあるだろう。

エンジンノイズは、ディーゼルとあって新型デミオが少し大きい。ただしアクアもモーター駆動のみの状態で発進し、その後にエンジンが始動すると、ノイズが気になる時がある。発売当初に比べると静かになったが、違和感を完全には払拭できていない。ノイズについては互角だ。

となればディーゼルの特性をどのように考えるかで評価が変わるものの、動力性能を客観的にとらえれば、新型デミオが勝るだろう。

マツダ 新型(4代目)デミオ vs トヨタ アクア -燃費対決-

マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/走行イメージ

燃費性能は新型デミオのディーゼルが未定だから比較できないが、マツダの開発者は「JC08モード燃費で30km/L程度は達成したい」と言う。仮にこの数値であれば、走行に要するコストはどうなるか。

アクアのJC08モード燃費は37km/Lだ。実用燃費をJC08モードの85%、レギュラーガソリンの価格を1リッター当たり170円、軽油を150円とすれば、新型デミオのディーゼルは1km当たりの燃料代が5.9円になる。アクアは5.4円だから、1万kmを走って5万9000円と5万4000円の違いだ。

軽油の単価が安いため、新型デミオのディーゼルの燃料代もかなり下がる。

マツダ 新型(4代目)デミオ vs トヨタ アクア -走行安定性対決-

マツダ 新型 デミオ 1.3リッター ガソリンエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ダイナミックブルーマイカ/走行イメージ2マツダ 新型 デミオ 1.3リッター ガソリンエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ダイナミックブルーマイカ/走行イメージ3

走行安定性は、新型デミオがプラットフォームと足まわりを一新させて走行安定性を高めた。

アクアは低重心でボディが50kgほど軽く、ダイレクト感を伴ったスポーティな運転感覚が持ち味だ。なので両車とも互角に近いが、車両の向きを滑らかに変えられるのは新型デミオ。コーナリングの最中に路上のデコボコを乗り越えた時なども、新型デミオの方が進路を乱しにくい。

こういった新型デミオの動きは、ボディやサスペンションの取り付け剛性などを高めたことでもたらされたから、乗り心地にも良い影響を与えた。低速域では硬めだが、粗さを抑えてコンパクトカーとしては快適だ。

新型デミオの試乗車はプロトタイプ(試作車)で、試乗したのもクローズドコース。加えて価格も未定だから比較する上では不備が多い。それでも長距離移動まで含めた走行安定性と乗り心地では、新型デミオのディーゼルが勝るだろう。

アクアは低重心による軽快な走りが特徴だから、市街地や曲がりくねった峠道に適する。

居住性は前述のように前席の広さは同等だが、座り心地と質感で新型デミオが勝る。後席も僅差で新型デミオだが、頭上や足元が狭めで、両車ともファミリーカーとして使うなら注意が必要だ。

マツダ 新型(4代目)デミオ vs トヨタ アクア -総評-

マツダ 新型 デミオ 1.5リッター ディーゼルエンジン搭載モデル(FF) ボディカラー:ソウルレッドプレミアムメタリック/エクステリアトヨタ アクア/エクステリア

仮に価格が同等であれば、新型デミオのディーゼルはかなり魅力的。販売の好調なアクアにとって、強敵になり得ると思う。

アクアはトヨタ全店の約4900店舗が扱い、新型デミオのマツダディーラーは旧オートザム店を含めて1100店舗くらい。販売規模に4倍以上の開きがあるから、新型デミオの売れ行きがアクアを超えることはないが、商品力は勝るとも劣らない。

新型デミオの安全装備は未定ながら、赤外線レーザーを使った時速30km以下で作動する衝突回避の支援機能はほぼ必ず設定される。アクセラやアテンザと同様、ミリ波レーダーを使って幅広い速度域までカバーし、側方や後方の車両も検知する上級タイプも設けて欲しい。今のところアクアには衝突回避の支援機能が用意されず、新型デミオの優位点になるだろう。

アクアを含めて、従来のコンパクトカーの魅力は「低燃費と低価格」に集約されていた。走りや質感を重視するユーザーには、物足りないところがあった。この流れが新型デミオの登場で変わるかも知れない。

ライバル車にも良い影響を与え、小さなクルマの世界がさらに楽しくなりそうだ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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