マツダ デミオ 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
マツダ デミオ 試乗レポート
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コンセプトをチェンジし"小さくなった”新型デミオ

イメージ
フロントスタイルリアスタイル

コンセプトからしてガラッとフルモデルチェンジした3代目デミオ。エンジンの排気量は初代から1.3L&1.5というラインアップだが、存在そのものがまったく変わったのだ。

思い起こせば初代がデビューしたのは1996年。パッと見はコンパクトカーなものの、極端に言えばワゴン的な意味合いが強かった。立体駐車場に入る全高と、フルフラットシート。そしてフルカーゴ時の圧倒的な荷室容量が特徴的だったのである。そうかと思えばワンメイクレースを開催するなど、スポーツイメージも併せ持っていた実にユニークなクルマだった。

そして2002年に登場した2代目は、初代のコンセプトを受け継ぎ、よりブラッシュアップされた使い勝手と、ホワイトルーフのキャンバストップモデルも加えた幅広いスタイルが注目ポイント。インテリアの色使いなども凝っていて、実用一辺倒からちょっとオシャレ感が加わったというワケである。女優の伊藤美咲さんがプロデュースしたスターダストピンクのデミオが記憶に残っている方も多いことだろう。

そして2007年7月、あっと驚かせるフルモデルチェンジ!なんとデミオはその名の通り小さくなったのだ。

ユニセックスモデルとしても受け入れられそうな"カッコイイ”デザイン

フロントランプ
サイドビューインパネ

今回のフルモデルチェンジでまず度肝を抜いたのはそのスタイリングだ。誰がなんと言おうと素直にカッコイイのである。欧州車を彷彿とさせるような躍動感を持ったカタマリ感のあるデザインは、ユニセックスモデルとして幅広く受け入れられること間違いナシだろう。そして前述したそのサイズだが、世界中のクルマが徐々にサイズアップする中、なんとデミオはダウンサイジングしたのだ。

しかし実際に乗り込んでみると狭くなった雰囲気はまったくなく、大人4名が十分リラックスして乗れるスペースが確保されている。それでいて外から見ていると想像できないほどのラゲッジスペースが確保されているのは実にエライところ。

パッケージング力は相当に高いと言っていい。インテリアデザインは面の大きさを生かしたものとなっており、飽きがこないスタイルにまとまっている。見た目にプラスチック的なので、質感の高さ的には少々物足りないが、いろいろなアレンジを予想させるポイントがすでに見えているので、今後に期待したいところだ。

注目は1.3LのミラーサイクルエンジンとCVTという組み合わせ

エンジン
走行センターコンソール

今度のデミオのいちばんのポイントは、先代に比べて100kgも軽量化されたという車両重量だろう。

エンジンは1.3Lが2種類と1.5Lが1種類の計3ラインアップとなるが、やはり注目は1.3LのミラーサイクルエンジンとCVTという組み合わせだ。ユーノス800以来のミラーサイクルエンジンだが、これは簡単に言うとバルブタイミングの遅閉じ機構を搭載したエンジンである。プリウスなどに搭載されるアトキンソンサイクルと同じ原理だ。このパワーユニットにより燃費が23.0km/lと圧倒的によくなっている。実はもっと燃費に振ることもできるらしいが、そこはサスティナブルZOOMZOOMコンセプト第1弾。走りの楽しさをスポイルしたくなかったという絶妙なセッティングなのだ。事実、実際に走り出しから十分に軽さがあり、見た目通りの元気のよさがビシビシと伝わってくる。

ハンドリングもキビキビ感いっぱいで、かといって突き上げ感がなく乗り心地もマルと、本当に小さくなって軽くなってよかったを実感できる走り味なのだ。あとはパワーステアリングのステアフィールがもう少し滑らかさがあると言うことナシといった感じだ。

小粋なシティ派スポーツとしてジャストなスポルト

走行
痩躯おフロントスタイル

スポルトという名の通り、見た目的にもスポーティ色の強さが際立つグレード。かといってガチガチなスパルタンではなく、ちょっとシャープにエッジが効いたという感じなので、女性にも十分受け入れられるデザインにまとまっているところが好感触。これ以上…と望むならばマツダスピードモデルと名乗るモデルを作ればいいワケだから…。と考えるとすべてがちょうどイイのである。

というのも、実際にドライブするともっとスポーティでもよいのでは…?とついつい思ってしまうからなのだ。確かに16インチタイヤを履かされていたり、サスペンションが少々固められていたりとスポーティな味付けはされているのだが、まだまだ後席でのロングドライブをゆとりを持って楽しめそうな味わいに納まっている感じなのである。SSモードにしてからステアリングスイッチで変速するスポーツ&スロープモードも、使い勝手的にはもう一歩という感じということもあり、攻めるという雰囲気ではない。

しかし、汗水たらしてスポーツするのは粋でないとささやかれる昨今、小粋なシティ派スポーツと考えればかなりちょうどいい按配といっていいだろう。

日本車らしい痒いところに手が届く心配りの世界戦略車

フロントランプリアランプ

とにかく今度のデミオはボディがしっかりしている感じが伝わってくるのだ。なんとなくBMWミニと対決できそうな雰囲気までしてくるくらいなのである。このしっかり感は安心感につながるのはもちろんのこと、もっとスパルタンモデルを作ってもいけちゃうんじゃないの~?とまで思わせてしまう。是非オシャレ度、そして運動性能ともにアッと言わせる存在になって欲しいと願ってやまないのである。

そして、いろんなところで世界戦略車であることを意識させられながらも、実際の使い勝手面ではさすが日本車。痒いところに手が届く心配りがされていると思うのだ。

例えば静粛性。コンパクトカーの中ではかなり静かな空間が提供されていると思うのだ。ロングドライブとなるとどうしても音でやられてしまうので、この心配りは実に嬉しい。そしてもうひとつ、例えばポケッテリア。小さめのドアポケットを補うように使えるグローブボックスのなども賢いところだし、運転席サンバイザーで隠れるところに装着されたETCユニットなども見た目はもちろん防犯性を考えても実にユニークで賢い設定だと思う。

しかし最後にひとつだけ注文をつけるならば、イマドキあんなに長いアンテナはどうかな…と思うんですけど。我が家の立体駐車場には確実に引っ掛かっちゃうもので…。ねぇ?

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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