マツダは何故ミニバンを諦めたのか、3列シートSUVのCX-8で貫くモノ造り哲学(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
新型CX-8はマツダブランド確立のため?
こうしてマツダからCX-8の開発にかける熱い想いを、各部門のエンジニアやデザイナーから直接聞いていると”マツダがミニバンを止めた理由”について「理解できなくもない」と思った。
その反面、こうしたマツダの想いがユーザーや、さらには販売ディーラーにしっかり伝わっているのかどうかについては、いささか疑問が残る。
ミニバン大国の日本において、ミニバンからの”事実上の撤退”を表明するということは、ミニバンがなくても十分に戦えるだけのブランド力が必要だ。現在のマツダに、それだけのブランド力があるのか?
マツダの社内用語「第6世代商品群」によって、初代CX-5から始まった一連の新車攻勢によって、マツダのブランド力は世界市場において確実に向上してきた。しかし、北米市場での苦戦が物語るように、マツダはまだ、ブランドとして独り立ちできているとは言い難い。
こうした中、日本市場を発信源としてマツダは「我々は多人数乗用車をミニバンではなく、SUVでCX-8を作った」と言い切った。
MAZDA(マツダ)とは何か? ブランドをしっかりと確立するために、マツダにとって新型SUVの「CX-8」というクルマは最重要な存在なのだと思う。マツダの本当のチャレンジが始まった。
[Text:桃田健史]
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