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試乗レポート 2015/3/6 12:00

マツダ 「i-ACTIV AWD」オールラインナップ試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)

マツダ 「i-ACTIV AWD」オールラインナップ試乗レポート/渡辺陽一郎

予兆制御

マツダ デミオ(公道雪上試乗)マツダ CX-5(公道雪上試乗)

ではどのように「ズルッ」を抑えたのか。ここから話は、走りのフェティシズムの世界へ入っていく。路面の情報を察知する「予兆制御」を綿密に行った。

具体的には、車両に装着されたさまざまなセンサーをフルに使って、路面の情報を読み取る。前後輪の回転差はもちろん、前後加速度から分かる路面の勾配、ステアリングモーターの作動による路面摩擦反力、外気温度、さらにワイパースイッチまでがセンサーの役割を果たす。

これによって雨天なのか雪道なのか、平坦路なのか登り坂なのか、といった車両の置かれた状況を正確に察知する。

その一方で、アクセル開度、ブレーキ油圧、ステアリングの舵角などにより、ドライバーがどのような運転をしたいのかも推測する。

以上の「路面状況+ドライバーの意思」の判断に基づいて、予兆(これから何が起こるのか)を見極め、電子制御カップリング内部の多板クラッチ制御を行う仕組みだ。

センサーをフル活用し、路面状況を正確に把握

マツダ アクセラセダン(登坂路試乗)

今回の試乗では、雪道の一般道路のほかに、雪上のテストコースにおける登坂路、ジグザグに走るスラローム路、簡単なジムカーナ風の旋回路、峠道風のハンドリング路を試した。

綿密な制御が最も分かりやすかったのは、15%の勾配を持つ登坂路で、ハンドルを切った状態で発進した時だ。一般的な4WDなら空転を生じた後で登坂を開始する場面だが、試乗車のアクセラセダンAWDは、トラクションコントロールと横滑り防止装置をカットした状態でも、空転を生じることなく安定して発進した。

マツダ CX-3(スラローム試乗)

試しに停止状態から一気にアクセルペダルを深く踏み込むと、トラクションコントロールをカットしているために空転を生じたが、4輪すべてが均等に空転した。車両が雪道であることを認識して、前後の駆動系を直結状態にしていたからだ。

このような雪道の登坂では、前後の駆動系を直結させるのが理想だが、カーブを曲がりにくくなる。ハンドルを切った状態では、前後輪の旋回軌跡が異なるから、前後輪の回転数を調節できないと、タイヤにブレーキが掛かったような状態(タイトコーナーブレーキング現象)に陥ってしまう。

マツダ アクセラスポーツ(旋回路試乗)

だからジムニーやFJクルーザーのような直結状態にしかならないパートタイム4WDは、舗装路では2WDで走る。路面が滑りやすく、前後輪の回転差を吸収できる(誤魔化せる)悪路や雪道のみ、4WDで走るわけだ。

そうなると悪条件における4WDの制御では、タイトコーナーブレーキング現象を回避しつつ、可能な限り前後の駆動系を直結状態に近づけることが重要になる。そのためには路面状況を限りなく正確に把握する必要があり、マツダのAWDではセンサーをフル活用した。

価格上昇を抑えて高い効果を得られる

マツダ アテンザワゴン(ハンドリング路試乗)マツダ アテンザワゴン(ハンドリング路試乗)

表現を変えれば、マツダほど「予兆制御」を綿密に行っていない4WDの場合、ハンドルを切った状態ではタイトコーナーブレーキング現象を懸念する。だから直結状態にはなりにくく、雪道発進では不可避的にスリップが生じるわけだ。

ただし直結状態に近づけることで、不都合が生じることもある。先に述べたタイトコーナーブレーキング現象のほか、速度を高めて旋回する時も、状況によっては旋回軌跡が拡大しやすくなってしまう。

この点は旋回路で、アクセラスポーツAWDの試乗車によって試すことができた。アクセルを踏み込んで曲がれば後輪にも強い駆動力が加わるが、ブレーキングしながらコーナーにアプローチすると、2WDに近い状態で(多板クラッチの締結力を弱めて)車両を内側に回り込ませる。やはり走行状態に応じて綿密な駆動力配分を行っていた。

旋回路では前輪駆動の2WDとの乗り比べも行ったが、当然ながら違いは大きい。2WDではアクセル操作によって車両の挙動をコントロールする自由度はあるが、走行安定性は4WDが圧倒的に勝る。

マツダ アクセラセダン(登坂路試乗)

とはいえ、駆動力をかけずに下りコーナーを回るような場面では、挙動は他メーカーの4WD車とほぼ同じだ。楽観的に速度を高めるのは危険だが、スタッドレスタイヤを履いて平坦路や登り坂を普通に運転している時には、雪道であることをほとんど意識させなかった。

このAWDのメリットには、価格上昇を抑えて高い効果を得られることも挙げられる。デミオの場合、AWDと2WDの価格差は19万4400円。既存のセンサーやメカニズムを活用して高い制御を行ったから、常識的な価格に収まる。

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