マツダ 新型BセグメントSUV『CX-3』をLAオートショー2014でワールドプレミア ~直線的な魂動デザインに国内ではSKYACTIV-D 1.5を搭載~(2/3)
- 筆者: 川端 由美
- カメラマン:川端由美/マツダ株式会社/Mazda USA
「CX-3」は単なる“セグメント埋め”ではない
「『CX−3』にかぎらず、Kodoデザインに一貫して言えることですが、過度に飾ることなく、限られたラインや面で印象的なスタイリングを作り出すことを心がけています。複雑なデザインは瞬間的に強烈な印象を与えるかもしれませんが、それでは飽きられてしまう。このクルマでも、大きな面が3つあるだけで、ラインも限っています。『CX-5』からスタートしたマツダの”Kodo”デザインのなかでも、『CX-3』は直線的なデザインにしています。テンションの張ったラインではなく、バシッと切り落としたようなラインで表現することにこだわりました」
一夜開けて、ショー会場でラインナップ全体を眺めてみると、前田氏の言葉がより実感できた。今にも走りださんばかりの勢いを感じさせるKodoデザインのDNAを持ちながらも、兄貴分だと思っていた「CX-5」とも、弟分だと思っていた「マツダ2」こと「デミオ」とも違う“何か”がある。
「これまでのマツダのラインナップに欠けていたセグメントを埋める、という単純なことをしたくはありませんでした。『CX-5の弟でマツダ2の兄貴か』と片付けて欲しくなかったので、『CX-3』という車名にするべきかも悩んだほどです。結局、『CX-3』というブランドを構築しようと考えて、ラインナップのなかで最も先端的なデザインとクラスレスのインテリアを与えました」と、開発陣を率いた冨山道雄 氏は語る。
想定したユーザー像は若いカップルだが、単に若者というわけではなく、先端の物事に敏感な人々。スタイリングにしても、奇抜なのではなく、斬新さを狙った。いまでこそ、同じセグメントに分類されるモデルが増えているが、このクルマの企画がスタートした2年前に存在したのは「日産 ジューク」だけだった。それだけに、冨山氏の「他をベンチマークして、自分の位置を決めたわけではない」という言葉は真実だろう。
エクステリアでは、近年のマツダに共通する5角型のグリル以外の部分では、個性が強調されている。ボンネット上の2本のキャラクターラインから、その上端は力強いAピラーへとまとまっていき、下端はボディサイドの面の抑揚へと連なっていく。
また、サイドウインドーの上下を狭めて、リアエンドに向かうブラックのエリアをもたせたことで、SUVルックながら低く疾走感のあるスタイリングを得ている。
リアに回ると、トランクリッドとバンパーレベルの間に盛り上がりがあり、18インチホイールに立派なホイールアーチを備えたタイヤと合わせて、踏ん張り感を強調している。サイドバンパーに立体的なシルバーの加飾を設けたり、リアドアのハンドルを斜めにつけたり、このデザインを生かすための選択がなされているのも見逃せない。
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