マツダが“ミニバン撤退”原因は「SKYACTIV(スカイアクティブ)」!?(4/4)

マツダが“ミニバン撤退”原因は「SKYACTIV(スカイアクティブ)」!?
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今日のマツダ車の走りの良さを予感させる発端となった「プレマシー」

今のマツダ車のあり方を踏まえれば、ミニバンからの撤退は当然の成り行きだが、日本のユーザーとしては納得し難いところがある。

少なくともプレマシーについては、クルマ好きのお父さんも受け入れられる走りの良さと、スライドドアを装着した実用ミニバンの二面性を併せ持っているからだ。

マツダ プレマシー(3代目)

そして現行プレマシーは「Zoom-Zoomコンセプト」から「スカイアクティブ技術」へ、という橋渡しをした大切なクルマでもある。

ホンダや三菱にも当てはまる話だが、前述のような走りの楽しさをコンセプトに据えたメーカーは、一時的に、機敏に曲がるハンドリングを追求しすぎてしまうことが多い。

マツダの場合、初代アテンザ、2代目デミオ、2代目プレマシー、意味は少し違うが初代と2代目のロードスターは、いずれも良く曲がって楽しい半面、旋回時における後輪の接地性に不満を抱えていた。

そこをプラットフォームやボディの効果的な補強、サスペンションの入念な設定などによって修正を図り、後輪の接地性を高めた上で自然に曲がるようにしたマツダ車の発端が、現行「プレマシー」であった。ミニバンでありながら、今日のマツダ車の走りを予感させるクルマ造りをしていた。

このプレマシーに共感して購入したユーザーの気持ちは汲み取るべきだろう。

最後まで“マツダ”を愛するのは日本のユーザーのはず

ミニバン撤退の背景には、マツダのグローバル化も影響している。

マツダは2015年に約154万台を生産したが、国内で売られた台数は、OEM車の軽自動車を含めて約24万5000台だ。比率にすれば16%になる。小型&普通車に限ると約20万台だから13%ときわめて少ない。

そしてミニバンの需要は、今では北米で完全に冷え込み、一部の地域でアルファードなどが人気を得ているが、プレマシーのように全高が1700mm以下の車種は国内を含めて売りにくくなった。

マツダにとって日本は「わずか13%の市場」だ。しかもミニバンは日本向けとされ、新しいマツダ車を支える「スカイアクティブ技術」と「魂動デザイン」を生かしにくいのだから、マツダのミニバン撤退は間違いのないところだろう。

しかし、マツダは日本で育った日本のメーカーだ。そして将来的にクルマが自国(あるいは地域)ブランドの地産地消になった時、最終的な市場として残るのは、日本国内にほかならないだろう。

マツダ車を最後まで愛用するのは、日本のユーザー以外に考えられない。

SUVで3列シートを造る手もあるが(マツダCX-9は3列目を備える)、ミニバンに比べると空間効率が低く、Lサイズのボディでも居住性はプレマシーを下まわってしまう。

なので国内市場に本気で取り組むなら、全高が1800mmを超えるビアンテのようなミニバンは無理でも、1700mm以下のプレマシーは開発すべきだ。デミオよりも車内の広い5ナンバーサイズのコンパクトカーもそろえると、さらに国内市場を活性化させる効果がある。

今では新型車が出そろって時間が経過したから売れ行きが伸び悩む傾向だが、マツダの特徴を感じさせる新しいミニバンを投入すれば、再び注目度を高めるだろう。

目下、マツダは販売現場の再構築も進めている(薄暗い新店舗のスタイルが必ずしも好ましいとはいえないが)。

日本のユーザーにとって、さらに身近なマツダになって欲しい。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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