マツダ アテンザが大幅改良|内外装のデザイン変更や新型エンジンの搭載など、ビッグマイナーチェンジを徹底解説!(1/2)

マツダのフラッグシップカーが渾身の大幅改良

今はSUVの人気が高い代わりに、セダンとワゴンは世界的に売れ行きを下げている。それでも2000年頃まではセダンが乗用車の売れ筋カテゴリーだったから、今でも「基本形」であることに変わりはない。

特にマツダ車については「魂動デザイン」と「スカイアクティブ技術」に基づいて開発されている。外観は獲物を追いかけるチーターやピューマをモチーフにデザインされ、機能的には、安全と運転の楽しさを高次元で両立させることがテーマになった。

そうなると低重心でボディ剛性を高めやすいセダンとワゴンは、マツダの設計思想を具現化するには最適なカテゴリーだろう。

そこで注目されるのが、2018年5月24日に行われたマツダ アテンザの大幅改良だ(生産と納車を伴う発売は6月21日)。今のマツダでは3列シートSUVのCX-8が最上級車種だが、セダンではアテンザのサイズが最も大きい(といってもほかのセダンはアクセラだけだが)。ワゴンはアテンザのみになる。

アテンザはマツダの基幹車種だから、渾身の大幅改良を行った。CX-8が最上級車種に位置づけられているものの特にセダンは、「マツダのフラッグシップカー」として、質感を高めることを重視して開発された。

>>内装が日本車とは思えないオシャレ度!改良モデルを画像で見る!

新型アテンザは内外装のデザインが大幅変更

CX-8顔になった新型アテンザ

まず外観では、セダン、ワゴンともにフロントグリルが変わった。従来型は水平基調のスリットを配置したシンプルな形状だったが、マイナーチェンジ後のグリルはメッシュ風になった。

グリルの下側に装着されたウイング状のメッキ装飾(シグネチャーウィング)は、従来型ではヘッドライトの上側に繋げたが、新型は下側を通している。ヘッドライトの形状も、CX-8などと同じく薄型になって重心を低く見せる形状にした。

セダンはボディ後部に左右方向に装着されたメッキパーツなどを水平基調に改め、落ち着いた雰囲気を表現する。17/19インチアルミホイールも形状を変えた。

ボディカラーは従来のソウルレッドプレミアムメタリックが、さらに色鮮やかなソウルレッドクリスタルメタリックに変更されている。

本杢の装飾パネルを採用するなど内装にも大幅に手が入れられた

内装も外観と同様に見直された。インパネは配置を大幅に変えて水平基調を強め、左右方向の広がりを感じる。

しかもLパッケージには、改良後は栓(セン)の木を使う本杢の装飾パネルを採用する(いわゆる木目調パネルではない)。本杢は、CX-8には見られるがCX-5には装着されない。この点からもアテンザが、CX-8に相当するフラッグシップモデルに成長したと分かる。

Lパッケージはナッパレザーシートも採用した。インパネなどのソフトパッドも上級化され、触れた時の硬さやヘコミ方まで緻密に計算して質感を高めている。吸音材の性能もCX-5に勝る。

その他には、シートのベンチレーション機能、後席センターアームレストのUSB端子などが新たに装着された。

ディーゼルは出力・トルクアップ、ガソリンは巡航時に気筒休止技術を採用

エンジンなどのメカニズムでは、CX-5やCX-8に採用された新しい機能が使われる。今のマツダ車は、プラットフォームの開発手法などを含めていろいろな点で共通化を進めたため、ほかの車種が採用した装備を早い時期に取り入れられるようになった。

人気の高い直列4気筒2.2リッターのクリーンディーゼルターボは、急速多段燃焼などの技術を採用して、最高出力は従来の175馬力から190馬力に、最大トルクも42.8kg-mから45.9kg-mにそれぞれ向上させた。この数値はCX-5やCX-8と等しい。

また2リッターと2.5リッターのガソリンエンジンも、2018年2月8日(発売は3月8日)にCX-5に施したのと同様の改良が行われた。2.5リッターには、巡航時に4気筒から2気筒に切り換えて効率を高める気筒休止技術も採用されている。マツダによれば、燃費効率が大幅に改善されたとのことなので、後日掲載予定の実燃費レポートの結果が楽しみだ。

新型アテンザの価格とグレード構成

ディーゼルは機能に見合う金額が上乗せだが、ガソリンは・・・

エンジンとグレードの構成は、基本的に従来型を踏襲して、セダンとワゴンが同じ設定だ。ガソリンエンジンの駆動方式は2WDで、トランスミッションは6速ATのみになる。グレードは排気量が2リッターの20Sと20Sプロアクティブ、上級は2.5リッターの25S・Lパッケージとした。

クリーンディーゼルターボはすべて2.2リッターで、XD、XDプロアクティブ、XD・Lパッケージを用意する。ディーゼルではすべてのグレードに2WDと4WD、6速ATとMTが設定されて選択肢が豊富だ。

価格を売れ筋グレードで見ると、20Sプロアクティブが295万9200円(従来型に比べて8万1000円の値上げ)、XDプロアクティブの2WD/6速ATが336万9600円(16万2000円の値上げ)だ。機能に見合う金額が上乗せされた。

なおアテンザやCX-5のガソリンエンジン車では、20Sや20Sプロアクティブは2リッター、最上級の25S・Lパッケージが2.5リッターと500ccの差を付けるが、価格差は装備の違いだけに基づく。つまり500ccの差は価格に反映されず、2リッター車は割高で、2.5リッター車が割安だ。

法人ユーザーの場合、社内の規則で2リッター以下でないと買えないことがあるから、価格が最も安い20Sは2リッターでも良い。しかしプロアクティブは2.5リッターにした方がユーザーのニーズに合う。価格が300万円近いアテンザに、2リッターの自然吸気エンジンでは物足りない。

>>次のページは:足回りや安全装備も大幅改良、試乗が楽しみだ!

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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