マセラティ 新型レヴァンテに砂漠で試乗|マセラティのSUVは、優雅に上品にスーツ姿で乗るモデルにあらず!?(2/2)

  • 筆者: 五味 康隆
  • カメラマン:マセラティ ジャパン
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走りは一切変わってはいな・・くはなかった!

リゾートホテルを出て、バギーなどで砂漠走行を楽しむ環境を提供しているエリアまで、まずは移動。その道中にまず気づく。走りは一切変わってないと説明を受けてきたが、大きく異なるのが2つある。ダイレクト感と素直な操作性に定評のあるラックピニオンアシスト式の電動パワーステアリングになっていたこと。これによりハンドルに伝わってくる無駄な振動などが、モーター反力で瞬時に相殺できるので、ハンドル操作に対する反応や手応えが洗練されて上質感が向上。

また、まっすぐ走っているときのセンター付近の手応えも明確で自立性が向上しており、運転がとても楽になった。燃費の為とも聞いていた変更ではあるが、ディーゼルもガソリンも共に乗り味が正常進化していた。ちなみに運転支援系の装備が充実しだしたのも注目。ハンドル支援はレーンキープアシストなので、車線を逸脱しそうになるまでは支援はされない。

よって万が一のハンドル操作を機械任せになんてできないが、居眠りなどいざという時には無いよりも確実にあった方が良いうえに、前走車に合わせてストップ&ゴーまでするアダプティブクルーズコントロールと合わせて、移動が心身共にとても楽になった。

ガソリンエンジンは、砂漠走行が病みつきになりそうな刺激と高揚感

さて、歩くのも困難な砂漠走行のスタート。イメージでは重めの雪が降り積もった新雪を走るような感覚だ。そこまでの一般道での印象は、ガソリンの刺激的な排気音も魅力的だが、やはりトルクが満ち溢れ、容易に速度変化できるディーゼルエンジンモデルの運転のし易さが魅力的に感じた。そして、その好感触はタフな砂漠環境になるとさらに助長されると予想していたが、全く逆だったことが新発見であり驚かされた。

先に言っておくが、走った砂漠は下地が硬く、砂をかき分けたらグリップゾーンが突出してくるようなものではない。どれだけ掻いても砂しか出てこないような環境で、容易にスタックするので停まることすら自在にできない環境であり、ガンガンに砂を掻き続けないとならないので、トラクションコントロールなどは無用。そんな過酷な場面でレヴァンテが強いとマセラッティが主張していた意味がわかった。

まず車高が変更でき、走行モード選択や速度に応じながら運動性能と最低地上高が調整されるのが魅力。そのうえで、“しまった”砂なのか?フカフカなのか?が判断しやすいハンドルからの手応えの鮮明さがある。

これにより少しでもグリップしそうな場所を選んで走るのも可能。加えてガソリンエンジンの特性がとても良い。適していると思われたディーゼルエンジンでは、動き出しは良いのだが、回転上限が低くタイヤを掻き続けさせる能力が少ないことと、回転数が高まりトルクが急激に細くなる特性が相まって徐々に砂に埋もれ出す。その状況では上り坂などはかなりの勢いをつけて登る助走が必要。

しかしガソリンモデルでは、高回転まで鋭く吹け上がり、その高回転でも勢いを保ちタイヤを掻き続けさせられる。それにより砂に埋もれる前にクルマを進めるという、独特な走行を可能にする。しかも、そのアクセルを踏み込んだ際の排気音、高回転までの吹け上がりには刺激と高揚感があり、砂漠走行が病みつきになりそうな気持ち良さと楽しさまである。

ある程度のタフ環境まではディーゼルも得意だが、極限はやはりガソリン

アメリカチームとも合同で行われた試乗会だったが、結果としてディーゼルモデルは何度かスタックしていた。

それを踏まえると、ある程度のタフ環境まではディーゼルも得意だが、極限まで行くと改めて直噴ターボで低回転トルクを太くしつつ、高回転まで吹け上がるガソリンモデルの方が良いと再認識できたトリップだった。何はともあれレヴァンテ、あのスタイル、特にグランスポーツのアーバンライフが似合いそうなスタイリッシュな雰囲気を漂わせながら、蟻地獄のような砂漠を走れる能力、ガソリンモデルの能力に感動だ!

[レポート:五味 康隆 Photo:マセラティ ジャパン]

マセラティ レヴァンテ 主要スペック表

マセラティ レヴァンテ 主要スペック表
車種名 レヴァンテ レヴァンテS レヴァンテ ディーゼル

価格(税込)

10,908,000円

12,918,000円

9,867,000円

全長

5,000mm

5,000mm

5,000mm

全幅(車幅)

1,985mm

1,985mm

1,985mm

全高(車高)

2,160mm

2,160mm

2,160mm

ホイールベース

3,005mm

3,005mm

3,005mm

エンジン

3.0リッターV型6気筒
ガソリンツインターボ

3.0リッターV型6気筒
ガソリンツインターボ

3.0リッターV型6気筒
ディーゼルツインターボ

排気量

2,979 cc

2,979cc

2,987cc

エンジン最高出力

350PS/5,750rpm

430PS/5,750rpm

275PS/4,000rpm

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五味 康隆
筆者五味 康隆

自転車のトライアル競技で世界選手権に出場し、4輪レースへ転向。全日本F3選手権に4年間参戦した後、モータージャーナリストとしての執筆活動を開始。高い運転技術に裏付けされた評論と、表現の解り易さには定評がある。「持続可能な楽しく安全な交通社会への貢献」をモットーとし、積極的に各種安全運転スクールにおける講師を務めるなど、執筆活動を超えた分野にも関わる。また、環境分野への取り組みにも力を入れており、自身でハイブリッド車も所有。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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