【ahead femme×オートックワン】-ahead 3月号- レーシングドライバー平手晃平の選択(1/2)
- 筆者:
「チャイルドシートは何のためにあるのか。親が楽をするためではなく、子供の安全を守るためにある。それが理解できていれば余計な機能に目は向きません。チャイルドシートの本質に忠実であればいい」。
そう語るのはレーシングドライバーの平手晃平選手。
素っ気ない物言いのように聞こえるが、シートベルトの本質を、身をもって体験しているからこそ語れる真理だ。
その横で、出産を間近に控えた淑美さんが大きくうなずく。
「母親学級でもチャイルドシートに関する講習があるんですが、『必要ですよ』程度の内容にとどまっています。きちんと装着しないと子供の体を危険にさらしてしまうといった、深いところまでは説明してくれません。私の場合は主人がこういう職業だからチャイルドシートの大切さが理解できますが、そうでなければ赤ちゃん用品の延長線上でチャイルドシートを選んでしまっていたかも知れません」
シートベルトは万が一の事故の際に乗員にかかる衝撃を緩和する装置だ。シートベルトをきちんと装着していなければ、不意の衝突の際、乗員はシートを離れ、ダッシュボードやステアリングに衝突したりする。衝突時のエネルギーいかんによっては車内に留まっていられず、ウィンドウを突き破って車外に放出される。
そのときの、人体におよぶダメージを想像してみるといい。
道路交通法では、6歳未満の幼児にチャイルドシートの着用が義務付けられている。「つけてないと警察につかまるから」という発想で仕方なくチャイルドシートを選んだとしたら、その時点で間違いの第一歩を記したことになる。
この記事を読んだご自身の子供のことだけでなく、親類や友人に「チャイルドシートを使うことの意味」に気づいていない人がいたら、ぜひ教えてあげてほしい。チャイルドシートは子供を守る大切な装備であり、真剣に選ぶべきであることを。
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