レクサス RX 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
迫力あるフロントマスクを手に入れた新型レクサスRX
新しいレクサスRXを初めて見た時は「ウーン」と唸った。それが4月12日にマイナーチェンジされたレクサスRXの第一印象。フロントマスクが印象に残るのは、やはり新型レクサスGSから採用された、個性を際立たせたスピンドル・グリルにある。
変更前はフロントマスク、ボディともにポッチャリした印象だった。それが変更後はフロントマスクだけが鋭さを増した。ボディはポッチャリしたままだから、フロントマスクのエグさが強調されている。アンバランスともいえるが、変更前のマスクは、日本ではあまり受けるタイプではなかった。
変更後は、造形的な完成度はともかく、日本で受けるデザインだと不肖渡辺は思う。SUVというジャンルを考えても、外観の迫力は大切だろう。
もちろん、新しいレクサスRXはフロントマスクが変わっただけではない。先に、その他の変更点を書いておこう。
ボディカラーはシルバー、レッド、ブルー、ブラウンの新色を設定。全10色の選択肢がある。内装にも新色を用意して、シートにはアクセントのステッチを入れた。装備はHDDナビを一新。上級のバージョンLには、リアシートエンターテインメントシステムが25.2万円でオプション設定される。
左右のフロントシート・ヘッドレストの背面に、合計2つのリアシート用モニターが備わり、DVDなどの再生が可能だ。主要なグレード構成は、従来通り直列4気筒2.7リッターエンジンを搭載するRX270、V型6気筒の3.5リッターのRX350、3.5リッターをベースにしたハイブリッドのRX450hになる。
駆動方式は基本的には前輪駆動の2WDだが、RX350には多板クラッチを使ったロックモード付きの4WD、RX450hには後輪をモーターで駆動する4WDが用意される。このあたりは従来型と同じだが、RX350とRX450hに「Fスポーツ」が加わったことは注目すべきだろう。
Fスポーツは、標準仕様のサスペンションに対してショックアブソーバーの減衰力を変更。左右輪の中央には、前後ともにパフォーマンスダンパーが装着される。パフォーマンスダンパーとは、ボディを補強するパーツだが、足まわりに備わるのと同様のダンパー(ショックアブソーバー)が組み込まれる。ボディ全体をバネとして考え、捩れる力を吸収する仕組みだ。補強に基づくデメリットが生じにくく、走行安定性と乗り心地をバランス良く高める。
そしてもうひとつ、すべてのグレードにわたってボディを補強し、剛性を高めたことにも目を向けたい。フロント側では、ステアリングシステムの支持剛性を高めた。小さな舵角から、正確に反応させるねらいがある。リア側では、後輪の収まるホイールハウスなどのスポット溶接を増やした。ボディの捩れを抑え、リアサスペンションが従来以上に正確に働くよう配慮されている。
それでは、いよいよ試乗だが、まずはRX450h・バージョンL・エアサスペンション・4WD仕様。従来から設定されていたグレードなので、マイナーチェンジによるボディ補強の効果を確認したい。
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