レクサス LFA 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 松田 秀士
560馬力を叩き出す4.8リッターV10エンジンを搭載
ピークエンドの9,000rpmにほぼ近い8,700rpmで560psの最高出力を発生させるのは、4.8LのV10エンジン。同時に470Nmという強大なトルクを、6,800rpmで発生させている。
このエンジンをフロントに低くマウントするためにオイル溜まりを取り去り、レーシングエンジンと同じドライサンプ方式とした。そして、エンジンとトランスミッションを切り離してデフと一緒にリヤに搭載する「トランスアクスル方式」を採用している。
重量物を限りなく低く、中心に近く搭載するという、レーシングカーのコンセプト。
このため、トランスミッションのスペースを考えなくても良くなったエンジンは、限りなくコクピット寄りに詰められて搭載される、いわゆる「フロントミッドシップ」だ。
さて、そのエンジンアイドリングから9,000rpmまで、ブリッピング(空吹かし)であればわずか0.6秒というレスポンスの良さだ。
トランスミッションはシングルクラッチ方式の6速ASG。もちろん、ブレーキとアクセルの2ペダル方式でギヤシフトはステアリングのパドルで操作する。
2000年にまずはアルミのコンポジットで開発がスタートしたというLFA。現在は最先端の素材CFRP(カーボン)製のバスタブが採用されている。もう、まるでF1マシンだ。
ただし、エンジンやサスペンションを支えるフロントのメンバーについては、アルミ材を様々な形式に加工して採用している。アルミ材などの軽量金属を採用した理由は、衝突時のつぶれ方のコントロールにある。
CFRPは粉砕するのに対して、金属は千切れない。この両者の特性を利用して適所に配分しているのだ。つまり、衝突安全性における衝撃吸収のマネージメントを行った結果なのだ。
この技術は、ハイブリッドなど重量増を余儀なくされつつあるエコカーの軽量化テクノロジーの研究にも役立っているそうだ。
さて、そのシャシーはCFRPとフロントのアルミ部分を合わせて190kg。そしてトランスミッションが80kg。車両重量は1,480kg。
それぞれの数値は、トヨタらしく石橋を叩いて渡る慎重さの中にもかなり追い込んだ数値だと感じる。
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